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【ヤミテラ・RiNa × グラビティ・六】<対談>Zepp直前の両バンドによる対談実現!
お化粧したバンド?ヴィジュアル系?え、…なんかチャラいんじゃない?
何度言われたか判らない偏見。しかし、音楽・ライヴを大切にしているバンドだからこそ葛藤はあるが「自信」もある。
ヤミテラは4月2日Zepp Shinjuku自身最大キャパへの不退転の挑戦、実績のあるグラビティもまた“まだまだ挑戦”と3月21日Zepp Diver Cityを語る。
Zeppという、バンドマンなら誰しもが目標とするべき場所へ挑む想い、また両バンドが抱えるジレンマについてもRiNa、六という想いを抱く2人のフロントマンに語ってもらった。
“チャラい”、“軟派”と捉えられがちな両バンドの誤解を解くために敢行した企画だったが、驚くほどに彼らは冷静だった。その真相をお届けする。
2人にとってのZepp
────ヤミテラとグラビティって割とライヴとか被ることあるのかなって思うのですが、お付き合い長いですか?
RiNa:【beauty;tricker】っていうイベントで、池袋EDGEで4マンやった時に出会った気がするなぁ。…確かウチとグラビティと零[Hz]とMAMIRETAの4マンだったかな。どうだっけ?
六:うーん。そうですね…
────六さん覚えてます?
六:いや、あのヤミテラって気が付いたら近くにいたからなぁ…いつ出会ったとかはちょっと…フォローになってないですけど(笑)
────調べたところによると2019年の7月の公演ですね。
RiNa:六くんも言うようにその辺りから急激に一緒になることが増えた感じですね。もう4年以上前なんですね。
六:ヤミテラって最初は暗いバンドなのかな?みたいに思ってたけど、なんかそんなこともなく結構喋るんだなって印象すごくありますね。
RiNa:楽屋ですれ違ったら喋ったりとかしてたもんね。
六:ね。でも、そういえばプライベートで遊んだことないよね。あ、たまたま地方でツアーが被った時にご飯行ったりはしたか。
RiNa:あったあった。
────今回、両バンド共に同時期にZeppワンマンを、グラビティはDiver City(3月21日)で、ヤミテラはShinjuku(4月2日)で開催するわけですけど、お互いのバンドの印象っていうのはどうですか?
RiNa:同世代だからこそ正直に言うんですけど、グラビティって他のバンドよりもいち早く駆け上がっていったバンドっていうイメージです。常に一歩先を進んでてすごいなっていう気持ちもありました。さっき六くんが言ってた僕の最初の印象とはむしろ逆で、グラビティってはじめは見た目的にアイドルっぽい感じなのかなって思ってたんですけど、ライヴを観るとかなりギャップがありましたね。かなり熱量のあるステージをしていたので。
────グラビティの特徴であり、武器ですよね。グラビティもヤミテラもその本質から若干誤解されているのかな?という印象もあるんですよ。それでいて、その誤解すら意図している部分もありそうな。
RiNa:はいはい。ヤミテラもチャラいバンドだと思われがちですからね。そこはライヴ観てから言って下さいってとこなんですけど。僕らはヴィジュアル系になる前は、ロックバンド出身なので。そういうスピリットは今でもあるんですけど、グラビティにもロックバンドが持つ熱いものがしっかりとありますよね。見た目からは考えられないようなパワーがあってギャップがすごい。想像してたのと違い過ぎて驚きました。
六:ヤミテラは初期のアー写とかも雰囲気があって割と暗めなバンドなのかなって思ってたけど、ライヴハウスで観ると全然印象が変わるバンド。
────お互いにギャップを感じた。
六:うん。ロックバンドだなって思います。すげえそれが伝わる。あとパチンコとか博打系のことを曲に落とし込んでいて、あんまそういうバンドいないから珍しくて面白いって思った。
RiNa:あははは!確かに。
────お二人とも根底にロックイズムのアツいところが共通項で親和性があると思うんですよね。言葉を選ばずに言うと、「チャラそう」とか、「軟派そう」みたいな誤解を逆手に取って突き刺していく強さがあって。
RiNa:六くんなんてキラキラしてるし「みんな好きだぜ!」みたいな当たり障りなく好かれそうなイメージなのかなと思ったら、MCとかも言葉に力があって“自分”を持っているヴォーカリストですからね。かつての俺みたいにグラビティをまだ誤解している人はいるかも知れない。
────その分まだまだ届けがいのある音楽ですよね。
RiNa:と、思います。すでに人気はあるけどまだまだこんなもんじゃないはず。六くんに関しては中音域の響きがすごい綺麗だなって印象もあります。
六:それで言ったらRiNaくんもインスタ見るといつもボイトレ行って「真面目だなぁこの人」って思ってますよ。
────全然チャラくない(笑)
六:あと筋トレ?いつも筋トレ行ってるよね?
RiNa:筋トレとボイトレはそうだね。ヴォーカリストとして当たり前のことですけどね。
六:そういうのがバンドに活きてていいじゃんって思うし、想いを言葉にして伝えるって言うところではやっぱり俺と近い気がする。
────今回ヤミテラにとってZepp Shinjukuは史上最大キャパシティじゃないですか?しかも昨秋のツアーファイナルの渋谷クアトロではツアー行程を発表したのに、あえてこのFINALのZeppは伏せて。それだけ重々たる想いもあるわけですよね。
RiNa:正直そういう部分はあります。大きい会場ってファンの方にワクワクしてもらいたいのと同時バンドとしては不安もあるわけじゃないですか。だから挑戦でもあるし、このZeppで底が見えることだってあるかも知れない。楽しみでもあるけど、それだけではないですね。数字も目標にしたいし。
────不退転?
RiNa:うん。
────RiNaさんとは前に話をしたような記憶があるんですけど、ヤミテラって日本人に耳なじみの良いキャッチ―な楽曲と端正なルックスって言うわかりやすい武器にコーティングされた、ロックの根源があるじゃないですか。出来ることならライヴに触れてほしいんですよね。
RiNa:無料チケットもありますし、場所も新宿ですからね。ライヴに自信があるからこそきっかけにしてほしいなと思ってます。
────一方、グラビティにとってZeppでワンマンをすることって当たり前になりつつある状況じゃないですか?活動が実を結んでいる証拠だと思うのですが…
六:いや、全然チャレンジ。ツアーファイナルって色んな意味で見栄みたいなものが入っている気がしてて、それが見栄じゃなくなんないようになってないと結局意味ないというか。
────Zeppをやること自体がもうゴールとか目的じゃなくなってるってことですかね?
六:ほんとそう。いくら周りに評価してもらえてもファンが一番そういうのわかってるから。だからグラビティがZeppのバンドって思われているとしてあぐらかいてるのも違うかな。挑戦です。挑戦も変だな、日々のプロモーションから挑戦だし。
RiNa:有料チケットだけでプレイガイドで完売させて…っていうのが最終的な夢だからね。
六:うん。そういうのも含めて、そういうことを考えたくなくなれる力をつけなきゃだよね。ORANGE RANGEとかだったら満員じゃないですか。普通にソールドでやり続けられるバンドっていうのが俺の中で理想なんですよ。そういう意味ではまだまだ。
────お二人ともルーツに結構J-ROCKが出てきますよね(笑)
六:ああ、そうかも(笑)この前UVERworld好きっていう話したし。RiNaくんはSUPER BEAVERも好きそう。
RiNa:わかってるね(笑)
六:結構ルーツにも近いところはあったりするかもね。でも、ヴィジュアル系がもちろん好きだよ。