SPECIAL
特集
【ヤミテラ・RiNa × グラビティ・六】<対談>Zepp直前の両バンドによる対談実現!
それが来夢さんだったんですよ。
────どの辺のバンドからこっちのジャンルに入ったんですか?
六:the GazettE。
RiNa:俺もなんだけど(笑)
六:ええ!
────何かと共通項が多いですねぇ。
RiNa:多分最初に「HYENA」の映像を観てかっこいいなと思って『DISORDER』をレンタルして…レンタルって時代感じますけど(笑)…それで、聴いてみたらなんじゃこれって衝撃を覚えましたよ。
▲RiNa
六:俺は「Red」のMVがきっかけ。確かYoutubeのオススメに出てきて。
────もう東京ドームに上り詰める頃ですね。
六:それまで知らない世界だったんでカルチャーショックでした。その頃はEXILEとか聴いてる層が多かったんですけど、ヴィジュアル系の不良みたいな人って俺の周りにはいなくて。男でメイクは周りに疎まれていて自分の中でこういうものに目覚めてはいけないっていうセーブをかけていたんだけど、なんか怖いもの見たさで、やっぱり何度も見ちゃって気づいたら好きになってた。これが中毒性かと。
────ヤミテラもグラビティも曲からthe GazettEの影響を感じなかったので意外です。
六:そこからViViDやSuG聴いたり色々と変遷はあります。でも、影響がどうこうって言うより、俺はバンドを通して自分の表現みたいなものを見てもらえたらいいなって思ったんですよ。あとちょっと話逸れるんですけど…
────はい。
▲六
六:その時期ヴィジュアル系ってローディーの人とかも名前が知られてたじゃないですか?ローディーの人が売れてるわけでもないんだけど、何となく名前が広がっているのが面白いなって思ったんですよ。それで「渋谷が大変」を観に行って、“この人とだったら気が合うかも”って人と出会ったんですね。
────それが…
六:それが来夢さんだったんです。“うわ、この人に色々教わりてぇ!!”と思ってホームページから連絡して、そしたら、一ヶ月後ぐらいに電話かかってきてっていう出会いがありました。だから影響って言う意味ではそういう経験や出会いがデカいです。グラビティで言うとmyuは昔から知り合いで、バンドを一緒にやろうって話になったんですけど、彼も最初はアンフィルのローディーの門を叩いてました。
────「バンドやろうぜ!」ならぬ「ローディーやろうぜ!」だったんですね。
六:グラビティはローディーでちゃんと経験を積んで、先輩たちのノウハウや技術を学んできた人間の集まりなんですよね。色んな影響を受けてきたメンバーの集合体。
RiNa:そこはヤミテラと違うところかな。うちはノープラン。勢いで始まったバンドだから。でも勢いはあってもそれだけじゃダメだった。色んなことをやって“これはダメなのか…じゃあ今度これやろうぜ”っていう本当に計画性がないバンドだったんで、近年ちょっとずつ長期的な視点を持ってきたところです。
────Youtubeのショート動画、TikTok、芸人さんのコラボとかなりアグレシッヴな印象があります。これ、きっかけになった出来事とかあるんですか?
RiNa:うーん、コロナ禍ですね。勢いも何もまず、動けないじゃないですか。その時期にちゃんと周囲の意見を聞く時間が出来て、“ヤミテラは行き当たりばったりすぎるからちゃんと一年以上先のことを見越してやるんだぞ”っていうアドバイスをもらったり。
────勢いで結果も出てたし、走れてたけどそのまま走り続けていたら息切れしていたかも知れないですね。
RiNa:身動きが取れなくなったことで、メンバー同士話し合う機会も増えてってしっかりバンドを届けようっていう動き方に変わりました。
────定期的な無料ワンマンや、そこに“カップル限定”だったりコンセプトを設けたりもされてましたよね。グラビティもコンセプトワンマンは定期開催していますが。お互い戦略面でもよくやってるなっていう印象ですか?
RiNa:ヤミテラはようやく形になってきたけど、まだまだ色々なことやっていきたいです。
ヤミテラBLACK OUT MV FULL
六:俺はもっと博打系を全面に押し出したヤミテラは観たいけどね。面白そうじゃない?ヤミテラって暗めの曲もあれば、明るい曲もあるじゃん?そこにRiNaくんの持ってる要素をもっと踏み込んで絡めていってほしいなぁ。ヤミテラのパチンコ台とか出たらすごいことだからね。
────ビッグニュースになりますよね(笑)
RiNa:確かに。博打の要素は判る人には判るテイストなんですよね今。だからこそコアな博打好きからは熱心のメッセージが届いたりしてますけど(笑)グラビティは戦略っていうのもしっかりしてるんだろうけど、一見しただけで明るいバンドだってちゃんと伝わるし、ストレートなアツさも貫いてほしいです。
────ヤミテラもユニークなYoutubeショートだったり、グラビティもライヴで楽器を置いてアイドルばりに踊ることもあるし、表層的な部分だけで誤解しているんだったらマジでもったいないバンドですからね。
六:そう言ってもらえたり、わかってもらえるのはもちろん嬉しいけど、それを受け手側が噛み砕く必要もないんだよね。舐めてもらっちゃ困るんだよね…と思っててもそういうのはグラビティの歴史が変えていく。歴史があればそれも込みで熱いものって気づく人増えるから。
────プロセスに葛藤や意識が宿っている生き様のバンドなんですけどね。
RiNa:知られないで終わっても意味がないっていうところから、様々なアプローチが派生しているわけで。知ってほしいものは何?っていうところが大事なんですよ。
六:ただ普通に自分がかっこいいと思っていることだけやってても、みんな似ていくから埋もれんなってところだよね。
グラビティ「推幸せに」MV FULL
RiNa:知られないで終わるのが一番嫌だっていうところですね。
六:悪名は無名に勝る。
RiNa:広めようっていうアプローチをどう思う?とかって、別にこっちはどうでもいいっていうか。まぁ色んな人がいるんで同じ意見はないんで仕方ないんですけど、ただその中で気になった人が1人でも2人でもライヴハウスに来るきっかけになってくれれば我々の目的は達成なわけで。チャラいとか誤解されようが、最後ライヴハウスにヤミテラの答えがあるので。
────これはヴィジュアル系全体の課題でもあります。スマホサイズで完結する広い世界から、重たいライヴハウスの扉を開いていただく狭く魅力的な世界への高いハードルをどう超えていただくか。両バンドのZeppは無料チケットもあるので、その一端ではありますが…
RiNa:でも地上波とか出てドカーンといかないとなっていうのも常々思います。
────ヤミテラはそういう可能性をもった人がいますけどね。
RiNa:ラーメンに特化したドラマーがいますからね。
六:あ、じゅんじゅん。
RiNa:バンギャの方からしたら多分どうでもいいことだと思いますけど、ラーメン二郎にヴィジュアルのポスターが貼ってあるのってなんかヤバいことらしくて…
────マジでとんでもなくど偉いことだと思います。
六:え、二郎にポスター貼ってもらってんの?
RiNa:そう。じゅんじゅんがあまりにラーメン二郎新代田店の常連過ぎて、店主さんから応援してもらってるみたい。
六:あははははは!最高じゃんそれ(笑)
RiNa:だからポスター見たジロリアン(※熱狂的なラーメン二郎のファン)の方が“なんでヴィジュアル系のポスター貼ってるの?”って店主さんに訊くんですよ。店主さんも“俺の応援してるバンドだから”っておっしゃて下さってるようで、ありがたいです。
────愛情マシマシで(笑)じゅんじゅんさんはきっかけひとつでそういうメディアに留まる可能性はありそうですよね。ラーメン二郎って結構コアな人気で、店舗によってもスタイルが異なるカルチャーのようなものですから…そこにポスターが貼ってあるっていうのはとてつもなく選ばれた存在だっていうことは読者の方に伝えたいですね。伝わるかわからないですけど(笑)
RiNa:そういう角度からも是非遊びに来てほしいですよね。だからきっかけになるんだったら“化粧してる変な人たちだな”とか“Youtubeでネタみたいなことやってる人たちだ”…で良いんですよ。