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【vistlip・Tohya(Dr) × 甘い暴力・啓(Dr)】◆独占対談企画◆2024年6月8日(土)<vistlip presents[Party On]>大阪Yogibo META VALLEY 2マン開催前にドラマー対談実現!
絵で言ったらドラムは背景やと思ってるんですよ。
────ところでお二人のドラマーとしてのルーツはどのあたりなんですか?
啓:もちろん色んなドラマーに影響を受けて今の自分ができてるって部分があるけど、一番のルーツって言ったらジョン・ボーナム(Led Zeppelin)には影響を受けてるかも知れない。少し話題それるかもだけど僕ね、ドラムって野性的な楽器だと思うんですよ。テクニカルなドラマーのかっこよさもわかるし、憧れもあるけど、それ以上に大切なものがある気もしてて。ヴィジュアル系ってお客さんのノリに振付とかがあるじゃないですか?それってドラムの叩くフレーズと直結している気がするんです、他のジャンルよりもね。ドラムが出す振動が、お客さんが楽しむことに自然と勝手に繋がるやないですか。…うわ、喋んの下手くそや。え、わかります?
────わかります(笑)拍とかキメとかもフックになりますもんね。
啓:そういうことです(笑)楽しませることを大事にできるドラマーっていうのを目指してやってます。ルーツと一致してるかはわかんないですけど。
Tohya:でも、ルーツで言うと、僕の場合も特殊で。僕は中学の時に吹奏楽部でパーカッションをやったことがきかっけでドラムになってるんですよ。
────打楽器繋がりで。よりバンド然とした方に。
Tohya:なんですけど、僕の場合はのちにバンドを始めてから“ドラムをやってくれ”みたいな話があったからなんですよ。本当はヴォーカルをやりたかったのに(笑)その当時、地元のバンドのメンバーから“お前がヴォーカルのままじゃメンバーが集まらないからやっぱドラムやってくれ”って。そこからドラムをちゃんとやり始めたので、強烈な思い入れやルーツというよりは、活動を続けて行くなかで出会った先輩方や同期の凄腕に刺激を受けてきましたね。それぞれ色んな武器があるプレイヤーで、この人のここはいいぞっていうのを見ていくなかで、一番憧れたのはMERRYのネロさんです。
────おお!まさに漢!なドラマーですね。
Tohya:CDとかも普通に買ってるぐらい好きでしたしね。熱いプレイ…それこそ啓ちゃんも言うような、野生の真骨頂というか、一番度肝を抜かれましたね、ネロさんには。一時期はぶっちゃけ真似をしてた時期もあった。そこから自分の個性を突き詰めて、今があるかなとは思います。
啓:ところで、兄さんは結構、感覚派ですよね。
Tohya:うん。感覚は大事にしてる。
啓:でも、僕思うのは兄さんって結構メインで曲を作ってはるじゃないですか。僕も曲を作ることもあるんですけど、そこはやっぱすごいなって。
Tohya:メインというか割合はまぁ。
啓:多いですね。コード感と他の楽器にも詳しい方のドラムフレーズだなって思うんですよ。フレーズがお洒落で絡み合うムードなのも、他の楽器のことを理解してるからそうなるんだなって。それが僕にはないものというか。目指してたいけど、自分は自分のスタイルしか出来ないので、そこはTohya兄さんのすげえとこですよ。
────ある種ゴールからの逆算に、ドラマーとしてだけでなくコンポーザーとしての凄みも感じる、と。
啓:甘い暴力も曲の振り幅は結構あるんですよ。可愛い激甘な曲から、ヴォーカルのメッセージ、メッセージを伝えたい曲、ドロドロのすごい重たい曲、とにかく暴れろーって感じの曲っていう感じで。で、もちろん曲の持ってるムードでそれは伝わるんだろうけど、曲の景色をドラムでも表現して、お客さんがその世界に浸れるか…ドラムだけで景色を変えたいという目標はあって。そういう点でもTohya兄さんの楽器との向き合い方は、なるほどって思います。さっきした技術の話にも通じるんですけど、技術とかテクニックっていうのは僕の中では景色を変えるための技?かな。技術を求めるよりも、景色とか表現を求めるために技術を磨くみたいな考え方でやってます。絵で言ったらドラムは背景やと思ってるんですよ。主人公がヴォーカルやとして、ここに女の子がいました、その女の子は笑顔でいて、でも背景が真っ暗だったらなんか違う笑顔に見えるし。そういう全部を色付けする背景。照明とかと一緒かも知れない。
Tohya:なるほどね。すごい良い言葉だ…と思いつつも、あの甘い暴力のライヴ見てたら啓ちゃんは全然背景ではないですね。
────あははは。割と絵の真ん中の方にいる気はしますよね。
啓:ちょっとどうしても楽しなって、ああなっちゃいます(笑)
実はどちらのお客さんも両方好きになれると思いますよ。
────ドラムっていうポジションということもあって、バンド内で唯一お客さんも含めて全体が見えてると思うんですけど、おふたりが後ろから見ていて、自身のバンドはどんなバンドだと思います?
Tohya:あー、もうキャリアも長いので、色々なことがある中で悪い時期ももちろんあったと思うんですけど、今が一番と思えるものを更新し続けられてるので、まだまだ新しいことができる可能性があるバンドかなとは思っています。少し余裕が出てきたとまでは言わないけど、取り組み方は明らかに変わってはいて。若い時には出なかった勢いが出始めてるんじゃないかなと思います。
────逆に今勢いが出てる。
Tohya:うん。余裕があるから落ち着くんじゃなくて、加速出来るんです。100曲以上あるんで、どうしてもセットリストが偏ったりするなかで、ここ最近のライヴだとあまりやってこなかった曲が入ったりとかしてきてて、そういうのも新鮮だし。どんな曲でも俺たちが楽しかったらお客さんも楽しいだろうみたいな感じで、勢いが出てきてる。本来ならそれをずつと前からやっとけ!ってところではあるんですけど(笑)まだまだ発見がありますよ。特に最近は。
────もともとvistlipってメロディーとか音だけで説得力があるバンドだったのに、新しい武器としてアグレッシブさみたいなものが出るに至った理由って何だと思います?
Tohya:多分メンバーそれぞれ考えが違うと思うんですけど、個人的に言ったら、“やっぱり一旦ライヴ楽しまなきゃどうしようもないな”みたいな。前まではバンバンバンバン新曲を出していた時期もあったんですけど、今は、表現の場所であるライヴで、一本一本最大限自分を出してやってかないといけないなっていうのは各々あるのかな?
────啓さんはドラマーという立場から見た甘い暴力はいかがです?
啓:どうなんでしょうね。キャリアは少しずつ長くなってきていて、7周年だけ初めて、周年ワンマンをやって、自分たち的にも節目というものを初めて感じました。うち始動当初からバンドのあるべき形とか大切にしたい事はずっと変わってなくて、常にギリギリな感じではいるんですよね。僕が一番後ろで見てるってのもあるんでしょうけど、やっぱり甘い暴力っていうものを一番感じるのはライヴなんですよ。ライヴ中のギリギリ感や死に物狂いなところがこのバンドの色なんやろうなと。別に僕らは全員あまり器用な人間ではないんで、しがみついてライヴやってる感じも始動当初からあまり変わってない。
────節目を感じたっていうのは、単純にその周年ライヴをやったからぐらいのラフな感触なんでしょうか?
啓:そうですね。意外とそんな感じでした。こんな年数やってきたんだ~でも、ただの節目や~って感じです。
────節目というと、vistlipは毎年周年ライヴを大事にされてますよね。
Tohya:7月7日の結成記念日は大事にしていこうっていうのも、家族が家族の記念日を大事にするように、ファンのみんなと僕らの記念日ですから。そこだけは大切にしようと。目標とか現状維持とか色々と状況はその時その時でありますけど、バンドをこうやって同じメンバーでずっと続けられてることが大事だと思うから、節目は大切にしたいです。事務所を離れたのも一つの節目だとは思うんですけど、その時にちゃんと今自分たちができることっていうのを自分たちで考えて動けたっていうのが良いことで。これが10年前とかだとまた話変わってたでしょうけど、これだけ長くやってこれたからどんな困難もまあ乗り越えられるっしょぐらいの結構ポジティブに軽いノリでみんないると思います。
────バンドをずつと続けてきた中でちょっと一息ついてしまいそうな時とかに、どうやって乗り越えてこられましたか。
Tohya:あー、やっぱりコロナの時とかは影響は結構でかかったですからね。挫折まではいかないですけど、結構心折れた部分が多かったんです。けれど、例えば誰かが落ち込んで、失速してそうな感じの時とかは、常に他のみんなで補い合うようなことをやってこれたかな。振る舞いや言葉とかなんですけど、それが自然で、良い意味の奇妙なバランスでずっとやってはこれました。大きい挫折だったり、小さい挫折も常にお互いがお互いをケアしているのに、やってます感を出さない人たち。だから乗り越えるも何もメンバーの関係性がとても大きいです。そこが上手くいってるからうちのバンドは止まろうと思ったことはないですよね。だからコロナ禍でどうしてもライヴができなくてなった時が唯一ピンチでした。でも、あの時も結局その瞬間できることは何かっていうのをみんなで模索したりとか、バラバラにはならなかった。
啓:なんか今の話聞いちゃうと周年とか節目を大切にするのもいいもんだなっていう気もしますね。
────さて、そんな両バンドの2マンが6月8日に迫っているわけですが、この2マンで相手方のお客さんに向けて、ここを見てほしいなっていうのはどんなポイントでしょうか。
啓:うちの目立ったイメージは、もしかしたらワーッってふざけてる要素なのか、あるいは重たい世界観とのギャップなのかも知れないですけど、歌とか曲とかも聴いてみてほしいなって思いますね。イメージが変わるかも知れないし、むしろ変わらないかも知れないですし。楽しんでほしいです。色んな面があるので、僕らは。
Tohya:お手柔らかにお願いしたいんですけど(笑)そうですね。うちは楽曲に自信を持ってはいるんですけど、今のタイミングのvistlipはそれだけじゃない色々な魅力が詰まってると思っているので、その辺りは是非ライヴで楽しんでほしいです。僕らも甘い暴力もどちらのファンの皆さんに楽しんでもらいたいというのは大前提であるうえで、甘い暴力を観たときにvistlipと共通点めいたものを感じたので、実はどちらのお客さんも両方好きになれると思いますよ。これをきっかけにどんどんどんどんこのヴィジュアル系業界をvistlipと甘い暴力で盛り上げていけたらいいなと思っているので、そのためにも2マンに来てくれるみんなの力が必要です。よろしくお願いします。あ、あと啓ちゃんのファンのみんなには、Tohyaのドラムも見てほしいです。
啓:あはは。
Tohya:でも、キャリア的には先輩なんで。先輩としてカッコいいライヴを見せたいと思います。
啓:じゃあうちは後輩らしく自由にめちゃくちゃやっていきたいですね⭐︎
Tohya:なんかね、ちょっとお兄ちゃんみたいに見られたらいいかなって。
啓:じゃあ僕、弟で!
Tohya:僕、妹はいるんですけど、弟が欲しかったんでありがたいですね(笑)
取材◎文:山内 秀一
■vistlip presents[Party On] 出演:vistlip / 甘い暴力 日程:2024年06月08日(土) 会場:Yogibo META VALLEY(大阪) 時間:OPEN 16:45 / START 17:30 [チケット代金] スタンディング 前売:6,000円(税込)・ドリンク代別途 当日:7,000円(税込)・ドリンク代別途 一般発売中 https://eplus.jp/vistlip/ ------------------------ ■vistlip presents[Party On] 2024年06月09日(日) 大阪/Yogibo META VALLEY ※ONE MAN LIVE 2024年06月15日(土) 愛知/SPADE BOX ※2MAN LIVE with DOG inThePWO 2024年06月16日(日) 愛知/SPADE BOX ※ONE MAN LIVE [チケット代金] スタンディング ■6/8・6/15公演[2MAN LIVE] 前売:6,000円(税込)・ドリンク代別途 当日:7,000円(税込)・ドリンク代別途 ■6/9・6/16公演[ONE MAN LIVE] 前売:6,500円(税込)・ドリンク代別途 当日:7,500円(税込)・ドリンク代別途 一般発売中 https://eplus.jp/vistlip/
関連リンク
◆vistlip Official Site
◆甘い暴力 Official Site