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【MAMA.・命依(Vo)】単独インタビュー◆「俺らがどんなバンドかなんてどうせ全然知らないでしょ」 9月11日ツアーファイナル渋谷WWW公演に向けて語った“MAMA.の音楽“と“MUCCが覚醒させた日”
2023年3月に始動したMAMA.。
予ねてよりその楽曲クオリティと世界観は高い評価を獲得し、シーン期待のバンドと目されていた。
だが、その状況は今年に入り大きな転がりを見せた。
1月30日に新宿BLAZEで主催ライヴ、そして2月10日には恵比寿リキッドルームでワンマンを開催。生き急ぐように走る理由はずっと感じていた“新世代”への想いだった。
そのアグレッシヴなアクションは静かに、だが着実に広がることになる。
MUCCのツアーへの大抜擢、NoGoD、さらには櫻井有紀との2マン決定。バグサミ2024へも名を連ねた。
“期待のバンド”から若手シーンの“エース”になったMAMA.は現在自身初の全国ワンマンツアー「日本洗脳」FINAL、9月11日渋谷WWW公演に向かって着陸態勢に入っている。
劇薬の如くバンドを変えたMUCCとの福岡の夜、この道中で起きた変化、そしてこれからの展望についてヴォーカリスト命依に語ってもらった。
やっとMAMA.っていうバンドが始まったなって感じがしてる。
────全国ツアー「日本洗脳」も残すところ東京2公演になりました。MAMA.としては初となるワンマンツアーですが、ここまで手応えはいかがですか?
命依:自分たちのライヴになってきていると思います。メンバーみんな個人的に成長していて、だからこそそれぞれが課題を見つけられてるんじゃないですかね。
────SNSに投稿されているライヴ動画ですら、新作『NOPE.』の楽曲が別物になって化けてることに驚きましたよ。
命依:確かに最近すごい変わったっすね。「NOPE.」も初披露した時からこっちのマインドとしてはやってることは同じなんだけど、それでもどこか変わってきてますね。いや、変わってきたっていうよりは形になってきたっていう方が正しいかも知れない。進化はしてますね。
────より輪郭がはっきりしてますよね。
命依:みんな曲を理解してくれたんじゃないかな?
────メンバーもお客さんも。
命依:うん全部じゃないけど。お客さんもそうだと思います。
────久々にこういうインタビューをやるっていうことで、ちょっと前のことから振り返りたいんですけど。2月にリキッドルームで<「神殺し」>というワンマンがあったじゃないですか。
命依:あれ2月でしたっけ?1月じゃなくて?
────2月10日です。1月30日は主催ライヴ<VISUAL NEW SPIRIT.>ですね。新宿BLAZE。
命依:あぁそっか。だいぶ前のことっすね、もう。
────リキッドルームは今にして振り返るとどんなライヴでした?挑戦的なところもありましたが。
命依:昨年もO-WESTワンマンとか、2マンツアー<「復讐」>をやったんですけど、なんかリキッドルームに立って、やっとMAMA.っていうバンドが始まったなって感じがしてる。それ以前ももちろん活動はしてるんですけど、2023年3月に 始動してからやってみないとわかんないことも多くて。最初から固まってはなかったと思うんですよ。
────意外ですね。始動初期からバンドのベクトルがしっかり定まってる印象でした。
命依:もちろん方向は見えてたんですけど、バンド全体としてやりたいこと、俺がやりたいことっていうのをだんだんメンバー同士理解してきていますね、今は。リキッドルームは大きいツアーのファイナルとかじゃなかったからこそ、その一本にかける想いがそれぞれに生まれて。“自分はこれで行く”じゃないですけど、個々のスタイルがしっかり出るようになったのはリキッドルームでワンマンをしたからですね。俺らが掲げてる“VISUAL HYBRID MUSIC.”の始まりのライヴになったと思います。
────あの日のセットリストも命依さんの1日を体現したもので、落差の極端なムードが印象的です。でも最後はしっかりバラード「Wednesday.」で締めるのはMAMA.らしくて。
命依:もっと大きいところでやりたい曲だなと思いましたね。
────始まりになったリキッドルーム以降メンバーの変化はどう感じてます?
命依:でも、メンバーの変化をもっと大きく感じたのはリキッドルームよりも7月にMUCCのツアーに出たことですかね。僕らメンバー全員ローディーもしたことないし、先輩っていう先輩もいないんで、上の人から学ぶにしても、これまでちょっと学び方もわかんなかったというか。誰かと自分を照らし合わせる機会があまりに少なかった分、余計にMUCCのライヴでメンバー全員喰らって。今までみんな“人のライヴ観て学ぶもんのなんかねぇよみたいな(笑)”感じだったんですけど、もう格の差…格の差どころじゃないぐらいとんでもないものをMUCCに見せつけられて。肌で感じて。もうその次の日から、メンバーの喋ってる内容が前日までとガラッと変わったんです。バンドに対して自分はこうなりたいとか、こういうフレーズを弾きたいとか、そういうかなり具体的な会話が生まれてくるようになったんですよ。あの夜に全員変わったなって思います。