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KEN(ex.201号室) エッセイ 第2回【4,000円の約束】

ずいぶんと前、まだ福岡に住んでいた頃、ユナイトの希くんとはサシで飲んで遊ぶ仲だった。
当時はしょっちゅう顔を合わせていて、仲間たちと数人でワイワイ遊ぶことも多く、思い返せば希くんの周りには絶えず人がいて、僕の周りにも絶えず人がいてくれた。
互いに性格も性質も、考え方も将来のヴィジョンも違ったバンドマンだったのにも関わらず、不思議なのはその後サシ飲みになるのはいつも、凸凹でチグハグな先輩後輩関係である希くんと僕だった。

当時の希くんはひらひらと、本当に蝶のように舞って生きてるかのようで、掴みどころのない人だった。
今のイメージとは違うかもしれないのでエピソードは控えるが、かなり破天荒というか、案外無茶というか。

誰彼構わず先輩を慕っていたわけではない僕は、「どうしてこの人と一緒にいるんだろうか?」と何度も自問自答した事がある。
少なくともそのくらいは狂っている人だった。

いつも少しだけ偉そうなくせに、本当に才能はありやがるし、先輩としてしてくるアドバイスは大抵芯を食っているのに変化球で投げてくるし、楽器や音楽の知識は頭ではもちろん、身体でも理解しているような人で、何より誰より歌が上手くて、そして、いつ死んでもおかしくないような、魅力的な危うさがあった。

僕が欲しいものをとてもたくさん抱えていた先輩が希くんだ。身長以外。
きっと当時は恥ずかしくて、ムキになって、こんな事決して言えなかったと思う。


希くんの上京が近づいてきたある日、突然「KENは絶対かっこよくなると思う。」
こんなことを言い出した。
まだシラフなのに、なんだか珍しい角度で褒めてくるな恥ずかしい、と思いながら、僕らは深夜まで赤提灯が出ているスタイルの居酒屋へと入った。

今なら上京という、いわゆるエモい状況が頭をおかしくさせ、[褒めたがりスイッチ]がパチンと音を立てて入ってしまったんだな、と、同じ状況を経験した身としてとても理解できる。

「バンドマンじゃないヤツがバンドマンのふりをしてんだよな、その点、KENは誰よりもバンドマンなんだよ」

その日は珍しく、悪態もつきながら話す彼が印象的だった。
今でももちろんそうだが、何かを話すときに攻撃的な発言は全くせず、むしろボロカスに悪態をつく僕を叱ってる人だったからだ。

僕のことを最大限肯定するために、慣れない悪態をつく彼がなんだか愛らしくて、いつまでも覚えている。
実は、僕がV系のシーンで音楽を始めようと決意したのは、この日の話が大きなきっかけなのだ。
「とにかく俺はお前のことを認めてんだぞ!」と言わんばかりの優しい悪態は、九州時代の僕を支えてくれた言葉になった。

「上京祝いっすね!僕が奢りますよ。向こうで売れたら信じられないくらい高い飯連れてってください!」
そうやってこの日のお会計は、僕がもった。
この人は絶対に売れる、だから、東京に行ってもご飯行く口実を作っておこう、なんてやましい気持ちをちゃんと握りしめて。

そんな地元の先輩が先日、LINE CUBE SHIBUYAのステージに立っている姿を見せてくれた。
胸いっぱいで言葉がない。
僕はあの日の二人に大声で教えてやりたい。

「今では本当に高い飯、奢ってもらってるぞ!」ってね。


思いがけず、計り知れないほどの影響を受けているな、と、当時から思っていたが、振り返ると恐ろしいくらい染められている気がする。

希くんがいなければ、少なくともV系のシーンでバンドをやっていない。
希くんが歌い方を教えてくれなければ、僕は歌もやってない。
希くんが福岡で燻ってる僕にキズのMVを送ってくれなければ、出会いもなく、東京にもいなかっただろう。

そんな希くんが、ユナイトを始める前、バンドを完全に引退し「もう一生ステージには立たない」と宣言していた時代がある。

その時に彼が住んでいたアパートに今、僕は偶然住んでいる。
この家が決まって内見したとき、こんなドラマみたいな話があるかよ、と思った。

そのアパートに住んでいて、彼に「どうすんの?」と聞かれるたび、なんて答えるべきだろうか、最もらしい御託を並べてはのらりくらり躱している。
きっとあの時の希くんも「やらないんですか?」と聞かれてこんな気持ちだったんだろう。

だからこそ僕は、あと少しだけ迷っていたいと思った。
できるだけ短い方がいいけれど、大事なのはそういうことじゃなくて、彼はこのアパートで音楽をやめて、そしてそこからまたバンドを始めて、誰かに夢を見せられたんなら、あれだけできると言われた後輩の僕なら、多分できるんだろうと気楽に構えて、迷いながら今を過ごしたい。

一度、本当に自分を見据えるために、4月26日(日)東高円寺二万電圧でのライブをもって、ステージから離れます。

たくさんの人が来てくれたら嬉しい。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

しばらくぶりに文章を書こうと思った。
というのも、前回掲載していただいた記事があまりにも本気だったこともあり、「あれ以上をどうやって…」と、ペンを取るのが億劫だったのだ。

この記事を書いているのは4月11日の夜。
なぜ重い腰が上がったのかと言うと、今日はどうやらVISUNAVI JAPANプロデューサー山内さんの誕生日だからである。(MAMA.のじみーちゃんもね)

先日LINE CUBE SHIBUYAでお会いした際に
「気楽に書いてくださいね、KENさんがこの舞台から去ってないぞって印象のためにうちを使ってください」みたいなことを言ってくださった。
この先どうなるかわからない自分にとって、それすら重いと感じる気持ちが無くは無い一方で、やはり僕は熱い漢には熱いナニカで返したくなる生き物なんだな、と思わされている。

お会いした会場も相まって、希くんのことを記事にさせていただきました。

何やらかしこまって少々ヘビーなことばかり掲載させてしまっているので、次回からはくだらないことでラフに書かせていただこうと思うよ。てか、ラフじゃねぇと書けねぇわ、シェー


KEN

LIVE

◥◣KEN生誕でバンドごっこ

      ワンマンやるってよ!◢◤

2026.4.26(日)東高円寺二万電圧

Open / Start 17:00 / 17:30
ADV ¥3,000 (D代別)

⚫︎Member:Vo.のあか/Gt.KEN /Ba.恋次
⚫︎Support Member:Ba.永山銀/Dr.RiU
⚫︎Special Support:Gt.Tatsuya(月時雨に花束を)

<ツインテール&眼帯キャッシュバック!>
ツインテール、もしくは眼帯装着でご来場されたお客様に2,000円キャッシュバック
もしくはKEN&のあかツーショットチェキプレゼント!🫶

▫️チケット購入URL
https://eplus.jp/sf/detail/4500700001-P0030001

関連リンク

◆Official X https://x.com/room201_ken

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