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【VALHALLA・MIO】パーソナルスペシャルインタビュー
2025年12月5日に正式始動して以降、ヴィジュアル系シーンにおいて斬新な活動スタイルを提示しているVALHALLA。メンバーのパーソナルインタビュー企画、第2弾に登場するのはギタリスト・MIOだ。
音楽は“構造を知ること”から探究してきたMIO。その思考は、VALHALLAの楽曲制作や世界観づくりにも色濃く反映されている。ギタリストとしての在り方や、楽曲制作に対するポリシーを語る彼からは、クールな人柄とは裏腹に内に秘めたる熱い部分も感じられた。さらにはヴィジュアル系シーンへの想い、そして未来への展望を語ってもらう中で見えてきたのは、クリエイターとしての確かな哲学。音楽に留まらず幅広く活躍の場を持つMIOという人物像に、じっくりと迫った。
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興味が湧いたのは、“ギターを弾けるようになりたい”ということよりも、楽曲の構造のほうだったんですよね
────まずは、MIOさんの音楽遍歴から伺っていきたいのですが、音楽に触れるきっかけとなった原体験を教えていただけますか?
MIO 14歳の頃、ラルク アン シエルさんがきっかけでした。初めて買ったCDが、『ark』だったんです。「DIVE TO BLUE」が好きで。僕の父親はドラマーなんですけど、僕がラルクを聴いていたら、ギターを買ってくれて。
────初めてギターを手にしたときはいかがでしたか?
MIO それが、その後まもなくバイトを始めちゃったので、時間が取れずに続かなかったんですよ。最初の頃に、周りの人と何曲かコピーしただけで終わってしまって。物理的に“バンドは無理だな”と思っていたんですけど、その頃からDTMを触っていたんです。
────ほぉ! 早い段階で、音楽制作のほうも。
MIO はい。当時、DTMは「Sonar 2」、Ableton Liveは1か2あたりだったと思います。そのあたりを買って打ち込みをやり始めたんですけど、問題だったのは、曲が出来てもヴォーカルを録る場所がなかったんです。僕自身バイトをしながらの生活だったので、レコーディング環境に恵まれないまま音楽は諦めて上京した感じでしたね。
────しかし、本格的に音楽制作ソフトを揃えるほどに曲作りに興味を持ったきっかけはなんだったんですか?
MIO 始めは、ラルクの楽曲を分解していたんです。分解というか、楽譜を見ながら自分で打ち込んで再現するっていうことをしていて。“この曲は、どうやってできてるんだろう?”って思ったことがきっかけでやり始めたんです。
────それはまた、単純に曲が好きっていうレベルに留まらない、楽曲への探究心がうかがえますね。
MIO そんなことをやっているうちに、ギターのコード感とかプレイ内容が可視化できたことで、本当に“kenさんらしさ”が詰まっているなっていうのがわかったんです。そこで興味が湧いたのは、“ギターを弾けるようになりたい”ということよりも、楽曲の構造のほうだったんですよね。“ラルクみたいな曲を作ってみたい”と思ってDTMで全パートを打ち込んで、オリジナル曲を作ったこともあったんです。ただ、音楽をやる環境が整っているわけではなかったので、音楽の道に進むことはなかったんですけど。
────つまりVALHALLAのバンド活動が、MIOさんにとっては満を持しての音楽活動のスタートだったわけですね。ちなみに、ラルク アン シエル以外にも音楽的な影響を受けたアーティストやバンドはいますか?
MIO vistlipさんですね。「Sara」のMVをきっかけに好きになったんですけど、ちょうど19周年のライヴに伺ったときも演っていて、もう最高でした! 何がいいかって、まず、智さんの歌声ですよね。歌詞もすごく哲学的で好きですし、ギターのリードも分厚いっていう、本当に最高のバンドだと思います。とはいえ、最初の頃は僕もおこちゃまだったんで、楽曲やギターに関する細かいことはよくわかっていなかったですけどね。
────今となってはご自身がギターを弾いて、さらにライヴのステージにも立つようになったからこそ、ファン目線とは違う観点でライヴを観ることも増えたんじゃないですか?
MIO そうですね。vistlipさんのライヴを観ていて、「CRACK&MARBLE CITY」があんなにカッコ良い曲だったんだっていう新たな気づきもあって。もともとよく聴いていた曲だったんですけど、Yuhさんがギターを弾いている姿を見ていて発見はありました。ダイナミックにリードギターを弾く人は、カッコ良いなと。僕、ギターのチョーキングが好きなんです。Yuhさんもほぼ音源どおりに弾きつつ、ギターソロの最後だけチョーキングしたりグリスを入れたりするんですけど、「僕も一緒だ!」と思って観てました(笑)。音源にない音を出すのって、実はすごく好きなんですよ。でも、“とめ・はね・はらえ”をしっかりするタイプのKØU(Vo)には、たまに嫌な顔されますけど(笑)。
────あはは(笑)。ライヴで出てくる“音源にない音”っていう部分は手癖もあるんでしょうけれど、気持ちが乗っているときにこそ出てくるものでもあると思うんですよね。
MIO そうですね。そこはもう、「失敗しようが関係ねぇ! これを弾いてるのは俺だ!」くらいの勢いでいきたいなと思っています。それこそVALHALLAで最近リリースした「Ashra」でも弦をスライドしたり、ずっとタッピングしたり、結構自分の好きなように弾いているところもあります。
自分なりに“歌うギターってなんだろう?”っていうところを考えた上でのアプローチですね
────「Ashra」は、MIOさんの作曲ですけれども。12ヵ月連続リリースの第4弾ということで、どんな構想のもとに出来た曲だったんでしょうか?
MIO 最初にイメージしたのは蝉が羽化して抜け殻が残った感じというか、“変わりたくても変われなかった自分”みたいなイメージでした。しかも何がすごいって、KØUに曲を渡したときにこれを伝えていなかったのに、僕が思っていたコンセプトにズレない歌詞を書いてきたんです。“やるな!”と思って。
────きっとKØUさんも、儚げな空気感を感じ取ったのかもしれませんね。しかも、楽曲の雰囲気を作る上でギターのアプローチも冴え渡っている印象でした。
MIO 曲頭のリードギターのフレーズもそうですけど、ヴォーカルのうしろで漂っているリードギターを入れたかったんです。ヴォーカルの邪魔をしない、もう一つの主旋律というか。それが初めて成功した曲でもありましたね。過去に「Cloud Atlas」でもやりたいと思ったんですけど、そのときはまだ僕の力量が伴っていなかったので、“今度こそ!”と思って、満を持してやってみました。出るところでしっかりカッコ良く弾くのもいいんですけど、自分なりに“歌うギターってなんだろう?”っていうところを考えた上でのアプローチですね。
────VALHALLAが始動してから早半年以上が経過しましたけれど、先ほどの「Ashra」の制作エピソードのようにメンバー同士の呼吸が合う部分も増えてきたと思うんです。実際、ここまでの活動を振り返ってみると、いかがですか?
MIO 今のところ僕はKØUとRAY(Support Gt)との活動にストレスがないので、ただただ楽しくやれています。逆に、よく初心者の僕とここまで足並みを揃えてくれてるなっていう感謝しかないですね。
────前回KØUさんのパーソナルインタビューの際に伺った話だと、MIOさんのバンド活動に対する本気度に感化された部分もあったそうですよ。
MIO ほかのバンドマンさんに比べたら、まだまだ足りないですけどね。僕の場合、どうしてもバンド以外の業務もあるので、ライヴの前日にギターを弾き込んで当日を迎えたり、音源もレコーディングしながらギターソロを作ったり、ちょっとギリギリなところもあるんですけど。ちょうど今は、8月に出る「BORN IS DESPAIR」のギターソロを組んでいるところで。
────これまでのMIOさんの音楽経歴を伺う限り、ギターフレーズを考えたりソロパートを考えたりするのは得意そうですね。
MIO いや、まだギタリストとしては初心者なので、音感がはっきりしていないんですよ。なのでギターの先生に隣にいてもらって、音を確認しながら進めている感じですね。あとは、弾きたいイメージを具現化するための方法とか、こういう奏法で弾きたいっていうのを伝えて、逐一教えてもらいながら形にしています。もちろんまだまだではありますけど、幸いギターを弾く上で指は動くので。
────それもある意味、大きなポテンシャルですよね。初心者というのであれば特に、譜面や奏法の原理が頭でわかっていても、思うように指が動かないものだと思うので。
MIO そこはもう、“しつこく”ですよ(笑)。やれば解決するので。
────意外と最後は根性なんですね(笑)。
MIO (笑)。ただ“どうすればこうなるのか”っていう、まだわからないことが多いので、そこをあと1年で習得するのが今の目標ですね。きっと今回の取材で、みんなの中にある“1年目からこんなに弾けるわけない”っていう疑問が少しは明かされたんじゃないかな。
一つのものをベースにして“統一感を出す”っていうことが好き
────ではここで、バンドをやる上で“なぜヴィジュアル系だったのか”というところにもフォーカスを当てていきたいと思います。MIOさんにとってヴィジュアル系シーンの魅力とはどういうところにあると思っていますか?
MIO まずは、シンプルに演奏技術の高さですね。次に、世界観の提供が可能なところです。音楽面だけじゃなくて、音楽以外の作り込みもできる、ある種のエンターテインメントだと思っています。そこが、自分の肌感にあっていたんです。音楽は人の人生に寄り添えるものだと思っているんですけど、ヴィジュアル系シーンの音楽はそこに特別フィットしやすいというか。ニッチといえばそうなんでしょうけど、より専門性のあるフィットの仕方をしてくれると思うんです。一般的にはファッションで音楽をやっているように見えるかもしれないですけど、決してそうではなくて。
────おっしゃるとおり、世間的には“ヴィジュアル系=音楽を真面目にやっていない”という偏見もゼロではないと思うんですよね。
MIO むしろファッションとは言えないくらい重いものを音楽で表現していると思うし、それに伴う技術もそうだし。僕の中では、そこが好きなところなんですよ。
────世界観という部分で気になっていたのが、MIOさんを取り巻くキーワード……それこそ“VALHALLA”もそうですし“YGGDRASILL”もそうですけれど、北欧神話に興味があったりするのかな、と。
MIO 確かに、好きですね。神話系はコンセプトがはっきりしていて、イメージやデザインがしやすかったというのもあるんですけど。でもよく考えたら、“神話が好き”というよりも、一つのものをベースにして“統一感を出す”っていうことが好きっていうのもありますね。ただ、VALHALLAの楽曲に関して言えば統一感はないんですよ。
────ええ。曲調という意味で言うなれば、バリエーションは豊富だと思います。
MIO まさに、“なんでもあり”なんですよね。でもそこは、貫きたいところで。次に出る「BORN IS DESPAIR」は、僕としてはすごくお気に入りなんです。今、サポートメンバーに先輩方が入ってくれていて、“音楽技術を楽しむ”ということができている影響もあって、結構ロックテイストが強い曲になるんですよ。
────実践から得たものが反映された曲というわけですね。
MIO はい。「音楽の幅を狭めることは避けたい」というのが、KØUの意見でもあって。そこで考えたのが、VALHALLAのライヴを2タイプで展開していくことなんです。1つはスタンダードにロックで勝負する日、もう1つは衣装から世界観を作り込んで勝負する日といった感じですね。コンセプトを絞ってしまうと、いつか先が見えなくなってしまうときがくるっていうKØUの意見には僕も同意だったので、「じゃあ、どっちもやっちゃえばいいじゃん!」という結論に至ったんです。サポートメンバーの方も含めて、チーム全体で世界観を提供するVALHALLAを作っていくことが、今年後半の目標になっていますね。
────こういうところに、MIOさんがいかに物事を効果的に展開していく術に長けているかが垣間見れますね。
MIO 僕としては人気になるとか売れるとかっていうことよりも、僕たちが作ったものを誰かがおもしろがってくれることのほうが嬉しいし、そのほうが大事だと思っているんです。僕自身もヴィジュアル系を名乗って活動している以上、自信を持ってできるものを作って残しておきたいという意向があって。そのために、自分ができる表現は全部やりたいし、やらせてほしいっていうところがありますね。
演奏しているっていうよりも、コミュニケーションを取っている感覚でライヴをやっている
────しかし、先ほどのライヴを2タイプで展開していくというお話もそうですけれど、斬新な発想がVALHALLAの強みでもありますよね。
MIO それこそ接客業の世界へKØUとRAYが来て、そこで彼らに出会ったときに“なぜ彼らがここにきてしまったのか”っていうことを考えたんです。そこで僕なりに思ったことは、音楽業界がアーティストをプロモーションしていく仕組みができていないからなんだろうな、と。だから、音楽的に才能を持っている、音楽をやるべき人間が活躍できるようにするために僕なりに考えていることもあるんです。けど、まずは今のヴィジュアル系シーンで結果を残さないと話にならないので。ゆくゆくはヴィジュアル系バンドがもっと自由に好きなことができて、アーティストの皆さんがもっと伸び伸びと活動ができる、そんな仕組みを完成させていきたいというヴィジョンも、僕の中にはあるんです。
────さすが、“経営者”としての顔も持つMIOさんならではの視野の広さだなと思います。そこには、ご自身がヴィジュアル系バンドとして活動を始めたからこそ見えてきたこともあったと思うんですけれども。
MIO 単純に、ヴィジュアル系シーンが盛り上がり始めているのを最近感じているんですよね。僕はいちヴィジュアル系ファンでもあるので、もっと盛り上がってほしいと思うし、そのために僕ができることがあるのであれば、やらせてほしいと思っているところです。
────シンプルに、今MIOさんがバンド活動の中で楽しいと思える部分はどういったところですか?
MIO やっぱりファンが直接ライヴに足を運んでくれて、感想をもらえるっていう体験ができていることですね。人の人生にいい影響を与えたことが実感できる瞬間でもあるので、本当にありがたいとも思います。だから演奏しているっていうよりも、コミュニケーションを取っている感覚でライヴをやっているところもあって。映像が簡単に出せる時代ではありますけど、ライヴに関しては体験価値が必須だと思うので、こういう時代だからこそライヴは大切にしていきたいとも思いますね。
────今後はフェス形式の大きなイベントへの出演も控えていたり、8月22日にはフルアルバムのリリースも発表されたりもしましたけれど……。
MIO 間に合う気がしません!(笑)でも、着手し始めてはいます。今回のアルバムは、ある意味これまで出してきた楽曲をメインにしたベストアルバムというか、“思い出のアルバム”みたいなものになるのかな、と。楽曲に関しても、これからもっとやりたいことができるようになっていくと思うので、そこに対する心配はしていないですし。むしろ、これからもっと楽しくやっていけると思います。
────そこは楽しみにしていたいところです。それでは最後に、これからのVALHALLAに対する展望を聞かせていただきたいと思います。
MIO どうやったら、日常に刺激やワクワクを伝えられるかというのを常に考えているんですけど、そこにはチームとして作り込んでいく、“チームとしての強さ”が必要だと思っていて。ファンクラブも発足したので、よりファンとのコミュニケーションを図りつつ、日常を含めた総合的な体験型エンターテインメントとして進化していきたいと思っています。そこを楽しんでもらえたら嬉しいですね。正直VALHALLAも、最初はいろんなバンドさんの真似から始まっているところはありましたけど、これからVALHALLAじゃないとできないものが出てくると思うので、ぜひ楽しみにしていてほしいです。
写真 立花奈央子
取材・文 平井綾子
LIVE
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2026年8月11日 LuckyFes'26 O.A出演
2026年8月22日 VALHALLA FIRST ALBUM 『-DOMINION-』 リリース
2026年8月22日 VALHALLA FIRSTALBUM 『-DOMINION-』発売記念ワンマン 高田馬場CLUB PHASE
2026年8月29日 BugLug主催Fes.『バグサミ 2026東京』 Day1出演
関連リンク
◆Official LINK https://lit.link/valhalla77777