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【LM.C】ライヴレポート<LM.C Club Circuit ’26 -𝙕𝙀𝙉->2026年4月26日(日)NAGANO CLUB JUNK BOX

諸法無我。これは仏教において"あらゆる存在には固定的な実体がなく、すべては関係性の中で成り立っている"という考え方を表した言葉であるという。

思えば、このたび4月26日にNAGANO CLUB JUNK BOX公演でファイナルを迎えた[LM.C Club Circuit '26 -ZEN-]のタイトルに含まれるZENとは、つまり禅の概念を示した言葉であったと推察される。そして、振り返れば昨秋に開催された[LM.C Club Circuit '25 -Gothic Mode-]については、当初ファッション的な意味合いやハロウィン時期とも重なっていたツアーであったため、Gothic Modeというタイトルがつけられていたのであろうと早合点していたのだが…、どうやらそれは思い過ごしであったらしい。

禅とゴシック。本来これらはあまりつながりを持った言葉だと思えないものの、両者を並べてみた時に筆者は初めて気付いたことがある。これらはもしや、それぞれに精神性を表わす言葉として提示されたものなのでは?と感じたのだ。

たとえば、ゴシックロックやゴシック建築といった言葉とはまた別に存在するゴシック精神という単語。これは12~15世紀あたりのヨーロッパで、神の存在する高みを目指す動的もしくは上昇志向の思想を指すものとして使われるようになり、ひいてはさまざまな界隈で合理性よりも神秘性や未完成の美を追求する精神性を指す言葉、としても使われるようになったそう。

一方、サンスクリット語のdhyānaを音読して日本の仏教世界では禅那(ぜんな)と呼んだところから生まれた禅という単語は、言葉や文字では表現できない悟りの境地を実践体験し、それを仏教の真髄として心から心へ伝える=以心伝心のさまを意味するのだとか。

西洋発祥のゴシック精神。東洋発祥の禅精神。去年から今年にかけLM.Cがツアータイトルの中にこれらの言葉を織り込んだことには、おそらく理由があるに違いない。4月25日に代官山UNITで行われたセミツアーファイナル公演を観てそう感じた筆者は、終演後に直接mayaへその疑問をぶつけてみた。結果、返ってきたコメントが以下となる。

「今までLM.Cでは特にキーワードを提示するかたちでのツアータイトルって付けてこなかったけど、去年その時が来たなと感じたんですよね。我々にとっては、もはやただのClub Circuitではなくなって来てるというか。確かにGothic ModeもZENもそれぞれ精神性を表している言葉で、前回と今回はいろんなGothic Mode、いろんなZENにあてはまる曲たちを並べてセットリストを組んでいったんです。今年の秋に20周年の節目を迎える前に、それぞれの面にもうちょっと踏み込みながらフォーカスするかたちで、あらためてLM.Cがここまで創ってきた世界を提示しておきたかったっていうことですね。ただ、これはMCとかで説明するほどではないかというか、言葉で説明するのもまたちょっと違うのかなと思ってました」(maya)

なるほど。禅でいう“言葉や文字では表現できない悟りの境地を実践体験”をライヴというかたちで体現するからには、余計な説明はむしろ不要とmayaは思っていたということなのかもしれない。ただ、現時点では[LM.C Club Circuit '25 -Gothic Mode-][LM.C Club Circuit '26 -ZEN-]はともに終了しているため、ここには後日談的なネタ明かしとしてmayaの言葉を記載させてもらうこととしよう。

かくして、翌日の4月26日。LM.CはNAGANO CLUB JUNK BOXにていよいよツアーファイナルを迎え、この場ではそれこそバンド側とオーディエンス側が強固なる以心伝心の絆で結ばれていくことになったのだった。

「ぶちかませ長野!」(maya)

単語の頭文字をピックアップしていくとLM.Cになるタイトルを冠した「LET ME’ CRAZY!!」から始まったライヴは、ステージ上を含めた場内のそこここで我武者羅な様相が展開された「GaMuShaRa」、歌詞をしめくくる〈己の為に〉という1節にmayaの真意が託されているとおぼしき「Egoist」、前のめりな戦闘モードが音からも強く感じられる「Valhalla」と、テンアゲなフルスロットル状態でスタート。

「我々の地元である長野に帰って参りました、LM.Cでございます!今日はツアーファイナルでもあります。そして、今年は秋に活動開始から20周年を迎えることになるわけです。楽しむためのお膳立てはもうすっかり出来ている状態なので、ここからみんなでやっちゃいましょう。Yeah!ブチあげようぜ!!」(maya)


mayaが〈湧きあがるフロア〉を〈湧きあがる地元〉と歌い替えただけでなく、観客らが阿吽の呼吸で“長野!”というコールを合いの手として入れ、ステージスタッフの発するレーザービームが場内を彩った「Chameleon Dance」。良い意味でのパニック状態が巻き起こって場が盛り上がった「Panic Time」。ヒップホップの要素を組み込んだ革新的サウンドと〈性懲りもなく生真面目に ドアをノックし続けるんだ〉というフレーズに、前進を続けてきたLM.Cの姿が重なる「Door!」。と、序盤での畳み掛けぶりも大変素晴らしかったが、このあとに続いた“聴かせる”セクションもまたLM.Cの真髄を感じさせるものになっていたように思う。

もともとはコロナ禍に生まれた楽曲であったとはいえ、リアルタイムに〈誰かのイデオロギー〉によって世界が混乱に陥ってしまっている中で聴く「Campanella」が、怖いくらいに“ふつくしい”終末を描いた歌として響いてきたように思えたのは何も筆者だけではあるまい。かと思うと、恋愛の歌のようでいてLM.Cのことを歌っているようにも感じられる「cosmology」では、真摯な想いの込められた〈そしてずっと 二人離れてしまわないように〉という歌詞と、Aijiの弾くドラマティックなギターソロや、エンディングでのエフェクティヴで深遠なプレイがあまりに秀逸で、気付くと意識はすっかり宇宙まで飛ばされてしまっていた。そのくらい音に惹き込まれてしまっていたわけだ。


しかし、一転してのMCではLM.Cならではの砕けたワチャワチャなトークを堪能することも叶い、ここではmayaの話術によって場内がすっかり和まされることに。

「じゃあ、ちょっとここで先輩に関する小噺をひとつ。さっき楽屋でヘアメイクをしてもらってる時、ツアーファイナルなんで「今回はこんなことあったね」みたいな話で盛り上がるのかなと思ってたら、Aijiさんがなんかスマホをいじって調べてるんですよ。何を調べてるのかなと思って見てみたら“モグラ 可愛い”みたいなことを検索してモグラの動画を観てました(笑)」(maya)

「ちょっと待って、それは話を盛ってるって(苦笑)。いや、あれは別に検索したわけじゃないから。なんかLINEって真ん中のところに動画が流れるじゃん。それをたまたま押しちゃったらモグラの動画で凄く可愛いかった、っていうだけの話だよ!」(Aiji)

「だとしたら、自分で検索したより面白いじゃないですか(笑)。特に観たかったわけじゃない動画だったら飛ばせばいいだけなのに、楽しそうでしたよね??」(maya) 

「いやだって、モグラ出て来たら観ちゃうでしょ(笑)」(Aiji)

「…お後がよろしいようで(笑)。このあと「MOGURA」だったら凄いやりやすい感じですけどね。どうなんでしょう?ってことで続けさせていただきます!!」(maya)

ここで選ばれていたのは、20年前のデビュー当時に発表された楽曲「little Fat Man boy」。Aijiの弾くヘヴィリフが炸裂した「METALLY」を経ての「Galileo」については、今回の[LM.C Club Circuit '26 -ZEN-]であらためて魅力を味わえた実感があり、〈誰かの記憶で描き出したセオリーじゃ 探している答えは見付からない〉という歌詞も今さらながらに強く刺さってきた次第である。そして、この後に続いたのは先ほどの前フリが活きた「MOGURA」(笑)。フロア側からしてもこのタイミングでの「MOGURA」は「待ってました!」感が強かったようで、普段以上にヘッドバンギングの嵐が激しく場内で吹き荒れることとなった。

「ここで伝えておくべきことがあるとすれば。秋にもまたツアーがありますし、その後もいろいろ「20周年をこんなふうに過ごせたら楽しいだろうな」っていうことを考えてますので、引き続きこれからもよろしくお願いします!」(maya)


ピアノフレーズにのせたmayaの独唱と、それにあわせたオーディエンスの盛大なシンガロングから始まった「JUST LIKE THIS!!」。それはツアーファイナルの一夜を飾る1曲であったと同時に、ここから始まってゆく未来へと向けた所信表明にもなっていたような気がしてならない。〈辿り着く場所なんてどこでもいいさ〉→〈辿り着く場所はやっぱ長野地元がいいね!〉と歌われた「PUNKY ♥ HEART」、ちょうど10年前に生み出されてmayaの開眼ぶりが歌詞で刻まれた「The BUDDHA」も含め、この終盤パートでLM.Cと観客たちがみせたハジけぶりは、見方によっては悟りの境地へと達していたと捉えることが出来る。

そうしたうえで、今宵の最後を締めくくったのはLM.Cがこの20年ずっと大切にし続けてきた愛の概念を集約させた楽曲「The LOVE SONG」だ。ゴシック精神のごとく高みを目指す上昇志向の思想と、禅精神のようにかたちのない音楽を用いて伝えるべきことを心から心へ伝える姿勢。その両方が詰め込まれている歌が、この場面で歌いあげられたことの意義はきっと大きい。

「今回のツアーは12本ありましたけど、一瞬で終わりましたね。最高な2026年の春でした。どうもありがとうございました。今年は夏にはまたmayaのバースデーもありますし、秋からもツアーも決まっていて、今アルバムも作ってるんですよ。もうほとんど出来てるんですけど、自分の中ではまだちょっとピースがはまり切ってないというかね。明日からこのツアーのことを思い出しながら、命がけで作ろうかなと思っております。20年続いてきたバンドの底力ってやつをみんなに感じてもらえるような作品を届けますので、ぜひ楽しみにしていてください!」(Aiji)


「ほんと、20周年って素晴らしいことです。まぁ、特にこの5~6年はね。止まるっていう選択肢は浮かばなかったんですけど、結果ここまで続けて来られて良かったなと。これからも活動を繋いでいくのでよろしくお願いします!またみんなで集まって遊びましょう!!」(maya)

ひとつの旅は終わったが、諸法無我の言葉どおりに"あらゆる存在には固定的な実体がなく、すべては関係性の中で成り立っている"のだとしたら。今秋からの[LM.C 20th Anniversary Tour -The Best Shows Ever!!- ]が、彼らと我々にとってまたとない場になっていくことは約束されたも同然だろう。LM.Cの歩みはここからも続いてゆく────。



Text: Yuki Sugie
Photo: Mirai Yamashita (PROGRESS-M)

SET LIST

NO.9
LET ME’ CRAZY!!
GaMuShaRa
Egoist
Valhalla
Chameleon Dance
Panic Time
Door!
Campanella
cosmology
little Fat Man boy
METALLY
Galileo
MOGURA
JUST LIKE THIS!!
PUNKY ❤︎ HEART
Elephant in the Room
OH MY JULIET.
The BUDDHA
The LOVE SONG

LIVE

▪️maya BIRTHDAY LIVE 2026「Buck Moon」
7月30日(木) 神田スクエアホール
open 18:00 / start 18:30

詳細はこちら!
https://www.lovely-mocochang.com/information/2026/04/20260730mayaBD-BuckMoon.php

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▪️LM.C 20th Anniversary Tour -The Best Shows Ever!!-
2026.10.7(水) 埼玉 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
2026.10.11(日) 仙台 MACANA
2026.10.16(金) 柏 PALOOZA
2026.10.17(土) 郡山 CLUB #9
2026.10.27(火) 新横浜 NEW SIDE BEACH!!
2026.11. 3(火/祝) 名古屋 Electric Lady Land
2026.11. 7(土) 熊本 Be.9 V1
2026.11. 8(日) 福岡 DRUM Be-1
2026.11.17(火) 神田 スクエアホール
2026.11.22(日) 岡山 IMAGE
2026.11.23(月/祝) 米子AZTiC laughs
2026.11.29(日) 大阪 ESAKA MUSE
2026.12. 5(土) 広島 LIVE VANQUISH
2026.12. 6(日) 神戸 VARIT.
2026.12.11(金) 神田 スクエアホール

詳細後日発表!

RELEASE

2026.10.21(水)Release
LM.C 20th Anniversary Premium Box『SUPER DUPER ANALOG BOX』
予約購入いただいた方全員を「10/4(日)プレミアム・アニバーサリーイベント」へ無料ご招待

20周年記念アナログプレーヤー+アナログLP2枚組(メンバー厳選20曲/重量盤カラー仕様)+プレミアム・アニバーサリーイベントへ無料ご招待
予約購入受付中!
特設サイトhttps://ps.ponycanyon.co.jp/lmc/20th/

関連リンク

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