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【XANVALA】◆NEW SINGLE「CULTURE」リリースインタビュー◆
ヴィジュアル系シーンを牽引していく若手有力バンド XANVALA 。 彼らの最新曲「 CULTURE 」について、そしていよいよ迎える “ THE CULTURE ” ツアーのグランドファイナル公演 “ XANVALA TOUR 2023-2024「THE CULTURE」 GRAND FINAL ” について、メンバーそれぞれの想いを訊く。
────先日解禁された新曲とワンマンツアーのタイトルには、共に“CULTURE”という言葉が用いられていますね。まずは、一連の活動のなかでXANVALAがこの言葉にどういった意図を持っているのか、そこからうかがってもいいでしょうか?
70.:ワンマンツアーに“THE CULTURE”というタイトルをつけたのは自分なんですけど、少し遡りますが2022年に“ASK”という“自分たちを探すツアー”を、その後に“ANS”という“自分たちを見つけるツアー”を行ったなかで、“自分たちはヴィジュアル系という文化をどう表現していきたいのか?”っていうことがちょっとだけ形になったんです。そこで今回は、“XANVALAの文化を構築するツアー”という意味でつけたタイトルだったんですよ。今回の新曲「CULTURE」も、“XANVALAはこれをやりたいんだ”っていう名刺になるような曲が出来たと思うんです。
────まさに、“THE CULTURE”ツアーの軸に据えていたことの答えでもあるということですね。
70.:そういうことです。まさしくヴィジュアル系カルチャーのなかで築いてきた“XANVALAらしさ”を総まとめにしたような楽曲だからこそ、爆発力もあるし納得のいく曲ができたと思います。
────宗馬さんが「CULTURE」の原曲を作曲されていた段階では、どんなイメージがあったんでしょうか?
宗馬:はじめから「XANVALAらしい曲にしよう」と思ってました。8ビートでまっすぐ進んでいくような曲調で、前に進む勇気をもらえるような曲にしようと思ってました。
Yuhma:楽曲に対する僕のファーストインパクトとしても、スピード感があって乗りやすい、XANVALAが曲作りにおいて核としているキャッチーさもあって、めちゃくちゃいいなと思いました。アップテンポなロックで、XANVALAを加速させる曲ができたなと。
70.:そういう曲の歌詞に、“文化”から派生した巽の考え方やルーツがオマージュとして表れてるのもいいなと思うんですよね。ま、「すごいのぶっこんできたな」とは思いましたけど(笑)。
巽:最新の自分のことを書きたかったっていうのがいちばんにありつつ、“CULTURE”ということで音楽に対する俺なりのラブソングにしようっていうテーマは決まっていたんです。そこにプラスアルファできればいいなと思って、自分のルーツのなかでも未だにたくさんの人に愛されていて、もちろん自分自身も大好きなアーティストの言葉を入れようと思ったんです。
────巽さんにとっての音楽的ヒーローということだと思うんですけれど、歌詞にもある“一瞬のスパーク”でピンときた偉大なロックスターがおひとり……。
巽:そう、秒でわかるでしょうね。今まで公言してこなかったんですけど、俺の実家の自分の部屋にいちばんデカいポスターが貼ってある方なんです。
────なのに公言していないなんて! ズバリ、hideさんですよね?
巽:はい。いや……俺なんかがおこがましいかなとか思っちゃって、今まで言ってなかったんですよ。でも、実はめちゃくちゃ尊敬してるんです。結構、派手なヴィジュアルやギターの模様がフィーチャーされがちだと思うんですけど、俺はhideさんの言葉とか歌詞がすごく好きなんです。意識しないと通り過ぎちゃうような言葉でもhideさんが言うと印象が変わったり、深読みしたくなったりする言葉を使うんですよね。そのなかでも、俺のなかに残ってる言葉を今回は歌詞に組み込みました。
宗馬:現実の世界の話を前面に出しているような歌詞は今までなかった気がするので斬新だなと思いました。今回のCDジャケットやイメージカラーがピンク色なのも、今話していた巽のルーツを反映してのことなんです。
────なるほど、hideさんのシンボルカラーということだったんですね。
巽:歌うときも、自分が好きだった言葉の部分はちょっと力が入りましたね。やっぱり、「好きなものはずっと好きなんだな」と思って、なんとなく熱い気持ちになりました。
────歌もそうですし、楽器隊のアプローチとしても熱い気持ちを掻き立てる仕上がりになっていると思います。
70.:俺の場合、いいタイミングで自分がこれまでやってきたバンドの復活ライブがあって、改めて今まで自分が作ってきたフレーズを見直せる機会があったんです。それを経て「CULTURE」のレコーディングができたのもあって、「俺、こんなこともできるんだ!?」って思いだせたんですよね。最近はライヴで動きながら弾けるフレーズを重視して考えてたんですけど、「もっと弾きたいな」と思って、自分が積み重ねてきた文化を見直して作ったフレーズを入れられたと思います。
宗馬:僕の作ったデモから、ベースはかなりアレンジしてくれましたね。それもあって、Aメロはギターとベースの3つのメロディがそれぞれ鳴っているみたいになったのがすごくよかったです。
────それぞれのプレイが粒立ちしているなかでも、時折ギターがユニゾンするのも熱いですよね。
宗馬:そういうところは、ギタリストがグルーヴを作っていかないとなって思ってるんですよ。あと、XANVALAはほぼシンセを使わないバンドなので、ギターソロの部分でエフェクターをかけてシンセっぽい雰囲気のフレーズを弾いているんです。これもずっとやりたかったことだったので、できてよかった。今後、間違いなくXANVALAの代表曲になり得る曲だと思うし、ライヴでもたくさん聴ける機会があると思うので楽しみにしていてほしいですね。
────宗馬さんから“XANVALAらしさの要は8ビート”というお話がありましたけれど、知哉さんはいかがでしたか?
知哉:「CULTURE」に限らずではあるんですけど、わりとシンプルなフレーズというかシンプルなビートのときこそ、しっかりと土台を作ったうえで遊べるところは遊ぶっていう感じですね。僕のドラマーとしての信念でもあるんですけど、土台がしっかりしていないと上に乗ってくるものがグラついてしまうので、土台固めは自分の役目だと思っているんです。ただ、自分のなかでレコーディングの段階ではまだ完成していなくて、ライブで磨きをかけていくなかで曲が完成すると思うんです。まずは音源では忠実に、ライヴを繰り返していくなかで体に染みついてきたら遊んでみようかと思っているところです。
────6月11日のZepp Shinjuku(TOKYO)公演では聴けるはずですから、楽しみにしています。なにより、“THE CULTURE”ツアーがいい形で回れたからこそ新曲「CULTURE」が生まれたと思うんですけれど、実際ツアーはいかがでしたか?
70.:とくに3月からの“-INITIALIZE-”のターンから各地観にきてくれるお客さんも増えて、自分たちが求められてることを目の当たりにできたんですよ。最初に言ったように、自分たちの文化を構築しようという意味合いで回っていたツアー中に、XANVALAが作る音楽や文化の形を求めてくれてることがわかって、うれしかったです。
宗馬:言ってしまえば、ヴィジュアル系というひとつの“文化”のなかでの斬新なアイデアって、どんどん限られてきちゃうと思うんですよね。それでも自分たちが自信を持って、「これがかっこいい」と思えることができていると思うし、それが過去を超えていけるっていうのは自分たちからしてもかっこいいと思うんです。
知哉:XANVALAは、“ヴィジュアル系だから”っていう型にとらわれることなく、今あるジャンルの固定概念を超えるバンドや音楽になりつつあるんじゃないかって最近思い始めたんですよね。その在り方が、XANVALAという文化だと思うんです。
Yuhma:バンドの状況も、さらに結果としても日々更新中でして、気分は上々でございます。
────気分上々となると、Yuhmaさんがステージでギターを弾いているときとそうでないときの割合はいかに……?
Yuhma:あはは!(笑)テンションが上がってくるとギターそっちのけで踊ってるのも僕の個性ではあるんですけど、今回はわりと弾いてるんですよ。というのも、今回のツアーは僕のなかで音作り強化期間でもありまして。やっぱり、ツアーファイナルで大きいキャパシティの会場に初挑戦することになるので、環境も違えば音の出し方も変わるはずですから、そこに向けて取り組んでる感じではありますね。
────先を見据えたパフォーマンスの向上ですね、さすがです!
Yuhma:あとは、今回の衣装で僕が帽子を被ってるっていうのもあって、ある意味動きに制限が出てくるぶん、立ち振る舞いとかオーラの部分で僕自身の存在感を大きく見せることも意識しているんです。これも大きな会場でライヴをやることを視野に入れてのことで、わかりやすい動き以外のところでの成長をいろいろ模索中なところはあります。
────知哉さんはメンバーの姿も見渡せるベストポジションにいるわけですけれど、今ツアー中のメンバーの様子はどう映っていますか?
知哉:いい意味で、落ち着いてると思います。変に緊張したりテンパったりすることも少なくて、激しさや熱量はあるんですけど冷静にやれてると思うし、それもあって以前にも増してバンドがまとまってる感じがしますね。各地で動員が増えていることもあって熱量が上がってるので、それこそ予定にない曲をやったり1曲増やしたり、やりたい放題やってるんですけどね(笑)。松山では「CREEPER」を3回やったんですけど、それくらいメンバーも「お客さんの熱に応えなきゃ」っていう、いい相乗効果かなと。
70.:ツアー中、メンバーのよかった部分をどんどんピックアップできたんですよ。もちろん悪かったところは反省しつつではあるんですけど、わりとウチはメンバーみんなで褒め合う体制なんで(笑)。巽も、その場その場で「いいこと言ってるな」って思えるMCをしていて、俺もそうだし、ギターふたりも頷きながら聞いてるんです。ヴォーカリストとしてちゃんと言いたいことを伝えるMCができていることは必要な武器だと思うし、直接伝える言葉っていうのは、ライヴにおいて大事な要素だと思うので。
巽:最近は、ライヴ中に自然と言葉が出てきますね。ツアー中で記憶に残ってるのは、郡山でのライヴのときに、ちょっと喉の調子が悪くて声が出なかったんです。実は、1年前に回ったツアーの郡山公演でも悔しい思いをしたことがあったんですけど、今回はMCで「今日、俺は声が出ない。でも、あのときとは違って確実に楽しませる自信があるから、ついてこい」って言ったんですよ。あれは、メンバーからも「よかった」って言ってもらえて。
────ネガティブなところも包み隠さず示したうえで今自分がどう思っているのかを示すことができたのは、巽さんの心が強くなった証拠かもしれません。
巽:自分が本当に思ったことを言えるようになったからこそ、人間味は出せるようになったと思いますね。正直、1年じゃ人間そんなに変わらないんですよ。弱い部分は、弱いまま。それを隠して「弱さが完全になくなった」なんて言ったら、それこそ嘘じゃないですか。それでも今回の“THE CULTURE”ツアー中に得たものはあったし、ちゃんと変われたと実感できた部分もあるので、それは“会場限定CD”の曲に歌詞として書いています。
────それが、Zepp Shinjuku(TOKYO)公演で配布される新曲ですね。こうした一連の活動でXANVALAの文化を“作る”という部分に着目してきましたけれど、「CULTURE」の歌詞には“破壊 / Destruction”という言葉もありますよね?
巽:これもまた、俺が感銘を受けた言葉のひとつなんです。a flood of circleの「I'M FREE」という、“本気で作ることは本気で壊すことと同じだ”と歌っている曲があって。好きなものを繋いでいくことも大事だと思うんですけど、ただ繋いでいくだけではだんだん死んでいくだけなんじゃないかと思うんです。まだ俺自身が気づきの段階ではあるんですけど、この「CULTURE」という曲を背負ってライヴをしていくなかで、壊す勇気があればまた変わってくるというか、新しい火をつけないといけない気がしてるんですよ。それは、ヴィジュアル系に限ったことではなく、音楽全体に対して。
────それは、今後のバイタリティのひとつになるかもしれないですね。それでは、目前に控えた“THE CULTURE”ツアーのグランドファイナル、Zepp Shinjuku(TOKYO)公演への意気込みをお願いします!
知哉:XANVALA史上、いちばん大きな目標の場所でもあるので、ぜひ直接観てほしいですね。Zeppでしかできないことがたくさんあると思うし、今までにない新しいXANVALAを見せられると思うので、楽しみにしていてほしいです。
宗馬:今、Zeppでやることがベストだったんだろうとは思うんですけど、「やっときたな」という感覚もあって、なんならもっと早くやりたかったぐらいではあるんです。とにかく楽しみだし、ここを必ず成功させて次につなげたいですね。まだまだ、大きな会場を目指していきたいので。
Yuhma:やっぱり、「まだまだこんなもんじゃない」っていうのは、メンバーみんな思ってることだと思うんです。僕らが目指す(日本)武道館へのプロセスとして、「やっとZeppまできたんだな」っていうところでうれしい気持ちはありますけど、それ以上に「ここから何倍も頑張らないと」っていう気持ちも強くて。お客さんからも「XANVALAは大きい会場が絶対に似合う」と言ってもらえるようになったり、夢のレベルだったZeppに立てたりっていうのは、自分たちがやってきた活動が多くの人に認められた結果だと思うので、Zeppで物怖じしないライヴができる自信はありますね。ここで僕らのリミッターを解除した姿を見せて成功させて、どんどん駆け上がっていきたいです。
70.:人生初のZeppなので、1000人以上のキャパシティのステージへ立つにはどういうアーティストが相応しいのかって、すごく考えてるんですよ。
────70.さんのなかには、どんなアーティスト像があるんですか?
70.:ステージと客席までの距離に関係なく、バンドの熱量を届けられる人ですね。そのためにメンバー一丸となって、しかもバンドの独りよがりではなく、「(ファンの)君たちのおかげでここに立てているんだよ」っていうことが伝わる日にしたいですね。この日は新衣装のお披露目もあるんですけど、自分のやってきたことを100パーセントに近い形で活かせる衣装になっているので、どんな見せ方をするのかも楽しみにしていてほしいです。
巽:集大成というと、「当たり前じゃん」って思っちゃうんですよね。もちろんそういう日であるべきなんですけど、たぶん予測できないような、その日にしか起きないようなことが起こると思うんです。ツアー中も、各地にきてくれたオーディエンスがひとりでも欠けたら起こり得なかった熱を感じられたので、それをZeppでも感じられることを俺自身が楽しみにしてるところがあって。月並みですけど、予定調和なモノばかりじゃないのがライヴじゃないですか。その場で起こったことにどう対応して、どんな言葉が出てくるのか、その日にしかないことを一緒に楽しみたいですね。
────それでは最後に、今回「Visunavi Magazine」の裏表紙・巻末特集を飾ることになりますので、VISUNAVI Japanへメッセージをお願いします。
70.:いつもお世話になっています。こうした雑誌があることでシーンが盛り上がると思いますし、そこにXANVALAが載ることができて、さらに裏表紙にしていただけたことが本当にうれしいです。これからも、よろしくお願いします。
巽:自分自身もVISUNAVIの記事やSNSの投稿を普段から見ているんですけど、そうやって発信し続けていることって大事だと思うんです。かなりシーンを支えている存在だと思うので、これからもよろしくお願いします。いつもありがとうございます。
取材・文;平井 綾子
RELEASE
★DIGITAL RELEASE
「CULTURE」
2024.6.5 Release

■XANVALA TOUR 2023-2024 "THE CULTURE" GRAND FINAL 2024年6月11日(火)Zepp Shinuku OPEN18:00 / START19:00 (21:00終演予定) 前売¥5,000 / 当日¥5,500 / ピクチャーチケット ¥3,000 ※D代別 ※会場限定シングル配布あり ★チケット: [受付URL] イープラス: https://eplus.jp/xanvala/ ぴあ : https://w.pia.jp/t/xanvala/ ローソン : https://l-tike.com/xanvala/ ※転売防止のため、整理番号のスタートはランダムになっています。 ■ピクチャーチケット LIVE会場・オンラインショップにて発売中! https://starwave.official.ec/items/79411130
関連リンク
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