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【nurié・染谷悠太(Dr)】「”nuriéはもったいないバンドだ“っていう言葉も死ぬほど聞かされました。」未来へ向かうからこそ振り返る過去。7月29日Veats SHIBUYAワンマン、実りの季節へ。
彼なりの幸せの正解もnuriéを続けることでいずれ解るんじゃないかな
────Veatsのワンマンは尺もあるし当然これまでの曲が入ってくる。そこにはアルバムの曲も入ってくる予定ですか?
染谷:入ってきますね。先月から先行配信でやってる曲がアルバムに入るんですけど、あの曲たちをやっていくので。今まだ出てない曲たちもセットリストに組み込んでいったら、すごいわかりやすいもんになる気がしてますね。集大成というよりも、次のnuriéを見せたい気持ちの方が割と強い。集大成なセットリストにはなるんでしょうけど、メンバー全員が見てるのはもう6年目以降のことなんで、これからnuriéがどういうバンドになるかっていうのがめちゃくちゃ伝わるんじゃないかな。
────なるほど。ところで最近はアンケート施策もあって、ファンの方の声がよりリアルにバンドに届いていると思いますが、その声がもたらしたものってどんなことがありますか?
染谷:えーっとね、お客さんってこういうものを求めてるんやっていうのが結構わかりやすいかなアンケートは。これはあくまで例えばですけど、メンバーコールをもっとしたいとか。
────ほう!確かに自分たちからメンバーコールもっと入れようぜって打ち合わせするバンドじゃないですもんね。これは一例ですけど、共に戦ってきたファンの方が新しい武器を与えてくれてる。
染谷:そうですね。僕らってやりたい世界観だけ提示して、日によってはMCもせずに終わることもあるので。こういう考えもあるんやなって気づかせてくれるって感じですね。
────でもライヴ運び変わりましたよね。最近すごいアグレッシブで。
染谷:変わりましたね。
────龍太朗さんも言葉を伝えよう!伝えなきゃ!って気持ちが強かったと思うんですけど、最近やけに等身大いうか。飾らない言葉が腑に落ちたんですよね。
染谷:考え方が変わったり、悩んだりしている結果がステージに反映されてますよね。今はすごく良い方向に向かっている気はしますね。
────彩人さんも最近ジョギングを始めたりとわかりやすい変化が見えます。メンバーについても伺いたいのですが、染谷悠太さんから見てギターの廣瀬彩人さんはどんな存在ですか?
染谷:彼に関して言うと、やはり大角龍太朗を立てようとして、引っ込み過ぎているなと思ってました。前のバンドの時とかすごい激しいパフォーマンスをしてたのに、nuriéになってからそういうことをしなくなってて、その辺りが最近再び変わってきてます。あと、人間でいうと柔軟な考えが出来る人。バンドとして進みたい方向性が変わってもちゃんとそこに合わせて曲も作ってくれるし、そういう動きをしてくれる、すごい器用なんですよね。音楽に関して何でも作れてしまうし、何なら考え方も変えられる。ただ、逆にそうすることによって彩人くんの意見ってどれなんやろうっていう時期もあった。これ僕も彩人くんと似てるから分かるんですけど、ステージに上がる自分という人格が見えなくなる時があるんですよ。僕も結構昔にあったんです。彩人くんは割と最近そうなっちゃってたと思うんですけど、それが全くなくなったんで、今の彩人くんもうなんかすごいですよ。無敵モードみたいな、マリオカートでスター手にした状態(笑)
────勢いありますよね。あと、明るくなった気がしませんか?
染谷:いや、なってますね。それは、周りの空気がそうさせてくれてるんじゃないかなと思います。関わる人が増えたし。例えばMAMA.とかCHAQLA.のメンバーにはグイグイ話しかけてくるタイプの人がいるじゃないですか?
────確かに、ライバルが良い方向に作用してくれた部分もあるかも知れないですね。
染谷:めっちゃあると思います。
────そして、ヴォーカリストですが。
染谷:大角龍太朗ですか?いっつも悩んでますよね、彼。僕、彼と出会ってもう10年なんですよ。10年間ずっと悩み続けてる人。悩むことによって進化していくタイプなんですけど、最近思うんです。じゃあ、彼はいつ幸せになるんだろうって。どこにたどり着いたら彼は自分のことを幸せと言えるんだろうみたいな。バンドが大きくなって売れたら幸せになるのかって言ったら、多分彼は違う気もするので。
────自分が幸せになったらダメなタイプのヴォーカリストでもある。
染谷:でも彼って、楽しいこととか笑うことがめっちゃ好きじゃないですか。そういう楽しさとか幸せを本当はすっごい求めてるはずで、それを追い求めてるから悩んでるんでしょうね。じゃあどこに行けば幸せなんだろうっていうのは、まだ本人も答えがないはずなんですよ。nuriéのヴォーカリストで在ることで幸せから自分を遠ざけているんだとしたら、彼なりの幸せの正解もnuriéを続けることでいずれ解るんじゃないかなと思う。結局、nuriéって大角があってこそのバンドなんで。
────バンドとして遠回りや回り道をしていたこともあるけれど、そう考えるとやっぱり中心にヴォーカルがいるんですよね。ヴォーカルが迷ってるってとバンドも一緒に迷う。でもそれはヴォーカルが中心にいるからブレてないってことなんですね。迷ってはいるけど、ブレてはいない。
染谷:バンドとしては全然ブレてないですね。ヴォーカルが迷ったら僕らも迷うし。
────彼のスタイルが確かになってきたといいますか、手の届かないスターじゃなくて…
染谷:そうですね。それは等身大を見せてるから手の届くカリスマになってるんやと思う。努力してるとこととか地道なことで。
────今。龍太朗さんに一声かけるとしたらなんて言います。
染谷:これからも一緒に頑張ろうなとしか言えないですね(笑)大角が迷っててどこに行ったらいいかわからんってなったら、懐中電灯ぐらいの光照らしてあげるのが僕の役目なんですよ、10年間ずっと彼のことを見てますから。太陽みたいな光は照らせないけど。それが僕の役目だし居場所だと思います。
────紆余曲折を繰り返し、たどり着いた現在地ですけど、ここから先も道は続くわけで、その分岐点になるなるのがVeats Shibuyaワンマンです。
染谷:もちろん、今いてくれてるお客さんに対する感謝も伝えたい1日です。この5年間最初はすごく調子良く見えてたと思うんですけど、事故があって悲しませてしまったし、復帰してからの動き方とかも、今だから言えるけど、nuriéってどこ行くんやろうなみたいな心配もかけた。その時期に離れていってしまった方がいるのも肌で感じてきたので。 6年目からはもうそれは絶対ないよっていうの姿勢を見せてあげれるようなライヴにしたいなっていうのは強く思ってます。
────ここに来ての急覚醒っぷりも体感しに足を運んでほしいですよね。
染谷:今までのnuriéとこれからのnuriéが両方見えるライヴになるっていうのは間違いないと思うので、楽しみにして来てほしいです。感謝を伝えられるのはライヴしかないので。
取材・文:山内秀一
写真:narita
nurié 5th Anniversary ONEMAN 「5 years, 5colors」 2024年7月29日(月) Veats SHIBUYA OPEN 18:30 / START 19:00 ADV 4,500 / DOOR ¥5,000 ◎一般発売中 https://t.livepocket.jp/e/etnn3
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