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【まみれた】隆世、脱退────。その理由と4人の本音に迫る独占インタビュー公開。

隆世、脱退。
2025年にまみれたを再び集結させた張本人はどうしてこの決断に至ったのか。
残されたメンバーもそれぞれに想いを抱きながら、必死にひとつの答えにたどり着こうとしている。
“大好きだから別れたかった” 生きていればこんなことがあるだろう。
大切なものを大切にし続けるために至った結論。
嘘をつけないのは、愛しているからにほかならない。

東京キネマ倶楽部ワンマンの成功からわずか40時間後に敢行した独占インタビュー。
4人の今はここにある。今を越えろ。



◆   ◆   ◆


隆世が帰ってくる場所を守り続けるしかない



────東京キネマ倶楽部でのワンマン<まみれた単独公演「人の皮素トリップ劇場」>から一夜明けインタビューです。相変わらずむちゃくちゃだったけど、起承転結のある会心のライヴだったんじゃないですか?

かる。 楽しかったです。ありがとうございます。

隆世 人生で初めてぐらいの量の汗をかいて、もう真っ白でしたね。ダブルアンコールの終わり際に「もう無理だよ!」って叫びながらピックを投げました。あれ以上は弾けない。出し切りましたね。

 俺もマジで死ぬかと思いました。キネマ俱楽部では、アンコール呼ばれたら全部出ようって決めてたんですよ。お客さんに、もう呼びたくありませんって思わせるぐらいまで出続けてやろうって。とはいえ、袖では全員が「もう無理!」ってなりながらアンコールの声を聴いてました。

────アンコールで呼ばれる限り出ようっていうのはどうして?

 隆世も大きな会場でのワンマンは最後だし、中途半端なことはしたくなかったんですよ。 なんか負けた気持ちになるじゃないですか。

────CO2を吹き散らす特効もありましたけど、ああいう演出は初めて?

隆世 前にO-WESTでやったことあるんじゃない?

 そっか。でも、その時は設置型のCO2だったんですけど、今回は撃つタイプのやつに全振りしました。


────水は吹いたら怒られるかもしれないけど、煙なら関係ないですもんね。と、言いつつ、“イイヨ・ダメヨうちわ”を配布して水もガンガン吹いてましたが。

 ああいう銃みたいに撃つタイプってかっこいいなと思って、テンション上がりましたね。森田はどうだった?

森田 血がでました。

────血?

 なんかコイツ足の裏から血出してたんですよ。

森田 私もみんなと同じく過去最高に出し切ったライヴで楽しかったんですけど、あまりに楽しすぎて。足の裏がベタベタするなと思ったら、血が出てました。巧く叩けたか?とかは正直まだ振り返れてないんですけど、とにかく無我夢中。全部が全部楽しかったからそう思えるんでしょうね。

────かる。さんはCO2持たされそうになって逃げ回ってる姿が印象的でした。

かる。 ドラム、ギターと来て、流れ的に絶対に伐さんがベースを奪いにくるなと思ってたんで、そうなったら踊り場のステージに逃げて追いかけっこしようって決めてました。

 あれ決めてたの?

かる。 そう。本当は一緒にツーステップとかもやりたかったんですけど、忘れてました。

 掌で転がされてたわけですね。

かる。 楽しすぎてしんどかったです。

▲伐(Vo)


────ライヴ全体の印象もまさにそれで。楽しませることと、楽しむことを大事にしているように感じたんですよ。それは隆世さんのことも意識していたのかなって。

 隆世は別に辞めたくて辞めるわけじゃないんですよ。音楽を聴くと、テンションがダメになってしまうっていうだけなんで、まみれたが楽しいライヴをしたら回復してくれるんじゃないかって思ってたところはありますね。俺は出る前に、どうにか隆世を回復させようと願ってステージに上がりました。

隆世 本当ならもうライヴもやってないと思うけど、このメンバーだからまだやれてるんだなって感じましたね。

────すでにお話にもあるように11月20日に池袋BlackHoleで開催される<まみれた隆世脱退単独公演>で、隆世さんが脱退することが決まりました。事の発端から教えてください。

隆世 ありのままを言うと、今、音楽に対してモチベーションを持つことができないんです。どんなきっかけだったかは覚えていないんですけど、昨年末から年明けぐらいの間にそういう状態になってしまって。気がついたら、何をするにも集中力が欠けるんですよ。自分でも理解できなかったんだけど、途中から音楽を聴くことすら無理になって。

▲隆世(Gt)


────なんの前触れもなく?

隆世 そうですね。ちょうどその時期にレコーディングが重なっていたので、練習しなきゃとは思うんだけど、持続できない。続けられないんです。音楽全体が不協和音みたいに感じちゃって。それは趣味で聴く音楽も、勉強のために聴くものも全部。そこで精神的にヤバいなと思ったんですけど、レコーディングのクオリティには達していないし、先のスケジュールはどんどん決まっていくしで、次第に心が追い詰められたんです。我慢するのは得意な方なんで、活動自体は自分を誤魔化しながら続けられなくもないんでしょうけど、この気持ちが消えないと、1人だけ歩みが遅くなるし、成長もしない。まみれたが今後どういうふうに進化していくかっていうビジョンもあるから、辞めるべきじゃないことを頭では理解しているんですけど、どうしても心がついていかなくなったんです。

────そのあたりから、脱退を視野にいれていたと。

隆世 音楽を始めてから一度も音楽から離れたことがなかったけど、そうしないとまみれたの歩みを止めてしまうなって危機感を覚えましたね。ただ、音楽をすることと、ライヴをすることは別物だって自分に無理やり言い聞かせて、ステージに立ち続けてはいました。来てくれてるお客さんに対して、本当はやりたくねえんだよみたいなところを見せるのは違うなって思うし。とは言え、この状態が続くことはメンバーの今後を考えてもプラスにはならないし、自分にとってもマイナスだって考えだすようになっていきましたね。

────脱退を発表するまでの期間、隆世さん自身も自分の気持ちとどう折り合いをつけるか葛藤しているのかが、ステージから漂ってました。

隆世 それこそ6月の「KHIMAIRA」とかは、それが色濃く出ちゃった時期ですね。

────うん。すごく苦しそうだった。

隆世 ただ、終わりの日が決まったことで、終活じゃないですけど、気持ちが再び固まってきた気がします。その状態でキネマ俱楽部に立てたことは本当によかった。

────7月の頭かな。いつものごとく伐さんから急に電話がかかってきて。「今からドライブいきましょうよ!」って夜中3時に(笑)。それで誰と一緒にいるんだろうと思ったら、「隆世と鷹乃助(CHAQLA.)も一緒にいます!」って。

森田 あはははは!

 だから、本当に仲が悪くて抜けるとかじゃないんですよ。ただ、音楽が嫌いになっちゃう気持ちもわかるんです。俺もまみれたが一度解散してから数年間、そういう時期が続いていたし。なんなら、ぶえを結成した初期も正直そういう気持ちでした。3カ月間くらいドラムの凰凱(ex.ぶえ)が毎日のようにうちに来てくれて、一緒にバンドやるって言った手前頑張らなくちゃなって感じだったんです。俺はまみれたが終わったあとに、大好きな蜉蝣、MUCC、メリー、人格ラヂオすら聴けなくなった経験があるから、今では自分の心の立て直し方を解ってるけど、隆世にそれは無理だと思う。あと、一度辞めるってことが心を復活させるための条件でもあると思うんで、こういう結論に至りました。無理やり続けさせて隆世が自殺なんかしちゃったら、そんなに悲しいことはないじゃないですか。でも、心の問題ってそういうことが全然起こり得る。だから、俺たちは隆世が帰ってくる場所を守り続けるしかないなって思ってます。

────そもそも、まみれたって一度解散したのに、ほかならぬ隆世さんの声がけがきっかけで再集結したわけですしね。

 そう。奇跡ってあるんだなって知ってるんで。隆世の病気が治るまで、まみれたを守っていけば、またいつか一緒にやれるかもしれない。そんな気持ちです。

────病気の診断はされてるんですか?

隆世 メンタルクリニックに通って、薬はもらってます。先生からは「鬱っぽいですね」って言われてるんで、そうなんじゃないかな。

────これは書いても大丈夫?

隆世 僕のイメージとかは気にしないでいいですよ。まみれたにとってマイナスにならないなら隠すことはないんで。

────わかりました。ところでメンバーは、様子がおかしいことには気がついてた?

森田 年末にレコーディングをしている時に、どうしたらいいんだろうって表情で元気がないなとは思ってました。その時期は、隆世も私もレコーディングでだいぶ苦戦していたので、お互い乗り越えられるように頑張ろうぜ!って気持ちだったんですけど、そこまで深刻になっていたとは正直思わなかったですね。

かる。 レコーディングが上手くいかないことなんて誰にでもあるし、それでもみんなで話をして、一緒にご飯食べて頑張るのがバンドだと思うんですよ。まみれたを復活させようって一番最初に言ってくれたのは隆世さんだし、脱退は想像もしてませんでした。

▲かる。(Ba)


────伐さんはどうでしょう?

 ん-…なんか、ずっとおかしかったんですよ。ハッキリ言って、シャバくなってた。お前さすがにどうした?って思うようなことが多くて。

────それはスランプって言葉じゃ説明できないレベルで?

 そうです。それで俺は怒ったんですよ。どうしたの?お前なんなんだよ、もっとやろうぜ!みたいに。あまりにこれまでの隆世じゃ考えられないようなことが多くて。だから、そういう状況を知っていればもっと寄り添ってあげられたのかなと思う。

────具体的にはどんなことがありました?

 プライベートなことなんですけど、一緒にバイクを見に行く日があったんですよ。そんなの普通テンション上がるじゃないですか?でも、いざ集合時間を伝えたら、「体調悪いし、ダルいから行かねえわ」って言われて。あんなことってそれまでじゃ考えられなかったし、隆世ってそんなヤツじゃないんですよ。悪口じゃないですけど、コイツってマジでバカなんで。本来なら、体調悪いけど行く!って感じなんです。そういう楽しいことに本気を出せなくなっちゃってる隆世を見るのがすごい耐えられなかったですね。

────隆世さん的には、自分の中で抱えてるモヤモヤを口に出せないもどかしさもあったんですよね?

隆世 いや、その頃はまだその自覚すらなかったんですよ。そこから徐々に違和感に気がついて、まずは伐に状況を伝えたんです。

 2人で車に乗ってたときに。

隆世 機材とか楽器とか、音楽に関わるすべてを自分の元から消したいってことまで話したよね。

 そう言われても、俺の中には隆世をどうにかしたいって気持ちしかなかった。じゃあ、どうしたら隆世がいてくれるのかを考えましたね。俺がギターを練習して、レコーディングでは隆世の部分も弾くから、理論だけ教えてほしいとも言ったし、ライヴだけ来てくれればそれでいいと思ってた。それで、もう一回考え直してほしいとは言いましたね。

森田 それからしばらくして、みんなでお店に集まるんです。

かる。 テーブル席が空いていなかったので、4人で横一列に並びました。

────率直におふたりはどう思った?本心を聞いたときに。

かる。 伐さんも言ったように、もっと寄り添ってあげられれば良かったなって思いました。あの時期はワンマンや音源の発表もたくさん控えていて、それをしっかりやりたかったんです。生活のほとんどをまみれたのために使っていたし、そういったタイミングで周りの環境や心境に気がつく余裕がなかった。だから、隆世さんに元気がないってことを、もっとわかってあげられたら良かったなって思ってますし、それはのちに本人にも伝えた気がします。

────止めるのは難しいかもなって思いましたか?

かる。 僕は思いましたね。自分も心が強い方じゃないんで、隆世さんの表情とか言葉遣いを見ると、なんとなくわかるというか。それでも一緒にやってくれたら嬉しいんですけど、これから先、余計にしんどくなるのはわかりきっていたので。一緒に続けていきたい気持ちはすごく強いけど、引き止めることはできなかったですね。

森田 私はかる。さんとは真逆でめちゃくちゃ引き止めました。私はまみれたが復活した時にブランクがあった分、みんなについていけなくてツラい時期を経験しているので、隆世もそういうスランプなのかなって。だったら、一緒に練習すれば解決するのかもって思ったんです。でも、例えば、まみれたが大きくなって来月武道館でライヴするってなっても、嬉しさも感じずに音楽が嫌になっちゃうかもって言われた時に、問題の大きさに気がつきました。私がまみれた再始動時に感じたような技術的な話じゃないんだなって。

▲森田(Dr)


隆世 辞めるべきじゃないなっていうのはずっと思ってるんですよ。だから、続けられるなら続けたいけど、自分は止まったままだし、この苦しさからも抜け出せない。まみれたは近い将来で武道館をやるバンドだって思ってますけど、今の自分は武道館や未来がどうとかじゃなくて、音楽自体をやれない。

────音楽がイヤになったけど、まみれたを嫌いになったんじゃなくてよかったのかも。そう言っていいのかわからないけど。

 隆世がまみれたを嫌いになることはないと思います。俺はこの前の“大佑祭り!!”の「絶望にサヨナラ」を聴いて頑張ろうと決めたので、後ろは向きません。

────先日のキネマ倶楽部では「気持ち良いまま死にたい」って発言もありましたけど、そのあたりは?

 もちろんあの瞬間に死ねれば、隆世とやってきたまみれたは永遠になるし、そういう想いもあっての発言です。でも、そんな無責任なことは許されないじゃないですか。俺自身もやりたいことがまだまだいっぱいあるし。でも、ああいう感情になったことは間違いないです。

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