【DIV】CHISA(Vo)・satoshi(Dr)インタビュー◆“昨日までの後悔さえ光に変える”────新曲「ラストレインブルー」、DIVが架ける虹の向こうに在るもの

2026年11月22日、渋谷WWW X公演をもってライヴ活動を休止し、充電期間に突入するDIV。その充電期間を前に、9月2日には新曲「ラストレインブルー」をデジタルリリースし、9月25日からは全8会場で「PRE-RECHARGE ONEMAN TOUR」を開催する。彼らはどのような思いを込めて、充電期間前のこのタイミングで新曲を発表するのか?原曲と作詞を手掛けたsatoshi(Dr)と、歌詞のアレンジを担当したCHISA(Vo)にインタビューを敢行。今の本音を飾らずに語ってくれた。
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DIVは“負け犬”だと思っている。それでも、アートで還元していく
────この夏は去年に引き続きDIV主催イベント「夏の行方FES 2026」が開催されましたね。イベントではどんな刺激がありましたか?
CHISA 活動の最初の4年半は、DANGER CRUEの中でも可愛がられる後輩でいようというか、ずっと新人みたいな気持ちで活動していたところがあったんです。だから、これまで自分たちが中心となってイベントを開催した経験が実はあまりなかったんですけど、今回やってみて、もっと早くやればよかったなと思いましたね。
satoshi 本当に。実は、ファイナル公演のSpotify O-EASTに出演してくれたChantyのshota(Dr)は、ずっとDIVのローディーをしてくれてたんですよ。今回のイベントで彼は初めてO-EASTのステージに立ったんですけど、「O-EASTが初めてDIVに出会った場所なんです」ってshotaに言われて、熱いなぁと思いましたね。
CHISA それでいうと、大阪公演に出てくれたビバラッシュのるいまるさん(Vo)が、ファン時代にDIVのライヴを観たのが今回の会場の大阪MUSEだったって話をMCでされていて、時の流れを感じましたね。あとはグラビティの六さん(Vo)も「ワンマンを観に行ったことがあります」って前からよくおっしゃってくれていて。今回、一緒にステージに立ててよかったなと思いました。
satoshi グラビティの六さんとVALHALLAのKØUさん(Vo)は師弟関係にあるらしいですね。六さんが元ローディーだったみたいで、久しぶりに再会できたという話を聞けて、なんだか嬉しかったです。
CHISA VALHALLAは、MIOさん(Gt)のことをネットでよく拝見していたので、対バンするというのは僕も少しファン目線でした(笑)。本当にヴィジュアル系にリスペクトがある方で、話していてすごく楽しかったです。
────舞台裏でもいろんなドラマがあったイベントだったんですね。
satoshi このイベントでは、今まで会ったことのない若手バンドさんと出会おうという目的で、「閃光花火STAGE」というオーディション形式の枠があったんです。参加してくれたバンドさんたちからは、それぞれ強い思いが伝わってきました。それほどの熱意をもって出たいと思っていただけるイベントを、僕らが作れている証明でもあるのかなと思いましたね。
CHISA DIVもそういうオーディションのようなライヴを経てきた経験があるので、気持ちもすごく分かるんですよね。
satoshi 「閃光花火STAGE」に参加してくれたバンドさんには直接伝えられなかったんですけど、「それでも君たちを信じて応援してくれた人がいるんだよ」ということは伝えたいんですよね。動員がどうとか、物販が売れないとか、いろいろ大変なのは分かります。だけど、それでもファンは君たちを応援してくれている。ファンが一生懸命に稼いだお金を君たちに払ってくれていることを、結果的に負けたとしても忘れるなよって。
加えて、今回選ばれたバンドさんは、これからいい曲を出して、いいライヴを見せていかなきゃいけない。“人よりも一歩前に出た”ということを、自分たちの活動をもって示していかなければならない立場になったんです。それは単にO-EASTへの出演権を得たということではなくて、そういう道を自分たちで選んだということなんですよ。
────なかなかこういうことを言ってくれる先輩って今いないのかもしれないですね。
satoshi はっきり言うと、僕は、自分が思い描いていたゴールを基準にすれば、DIVは“負け犬”だと思っているんですよ。負け犬なんて言い方をしたら、きっとマネージメントには怒られるんですけど。僕は、今のDIVの音楽スタイルが良くないとか、演奏が下手だとかは全然思っていない。じゃあ、なぜそう思うかというと、僕はL'Arc〜en〜Cielみたいに、東京ドームでやるバンドになりたかった。そういう意味では、自分は勝者ではない人生を歩んでいます。そんな中で、自分がやれることを今でも頑張ってやっている。ただそれだけなんです。もし、なりたいものになれなかったとしても、人から受け取ってきたものを、今度は自分のアートで還元していく。それをやるのが僕らアーティストの使命だよね、ということを今回出てくれたバンドさんには伝えたいです。
────これは、長年アーティストとして歩んで来られた方だからこその貴重な経験が詰まっている言葉ですね。ぜひ出演バンドさんにも読んでもらえたらいいなと思います。「夏の行方FES 2026」のファイナル公演は、どんな気持ちで臨みましたか?
CHISA ファイナル公演の会場となったSpotify O-EASTには、DIVとしても思い出があって、そこに久しぶりに立てたのは嬉しかったですね。主催なのでいろいろな気持ちがありつつも、やっぱりバンドマンなので、一番かっこいいステージにしたいという気持ちが強くありました。

satoshi 今回は、みんなでDIVの「夏の行方」を歌うGRAND FINALEをやろうということで、移動が必要だったバンドさん以外は、みんな出てくれたんです。最初のバンドさんは出演が12時半だったので、20時まで待ってもらうのは申し訳ないなと思いつつも、「キッズの頃に聴いていたから、ワンフレーズでも歌いたい!」といった声もいただいて。CHISAさんに歌割りを考えてもらって皆さんにお伝えしたところ、皆さん非常に楽しみにしてくれていて、実際にあの景色を一緒に作れたことが嬉しかったですね。
美しい別れの形を描いた新曲「ラストレインブルー」
────「夏の行方FES 2026」では、satoshiさんが原曲と作詞を手掛けた新曲「ラストレインブルー」も先行披露されているんですよね。satoshiさんの楽曲がシングルの表題曲になるのは初めてだそうですが、なぜ今のタイミングだったんでしょう?
satoshi 解散以降、それぞれの活動をする中で、僕がメインで作曲するプロジェクトなど、いろいろな経験を積ませていただいて、成長の証しをDIVに還元できるようになったのが今なんです。今は80曲くらいストックがあるんですけど、2016年の解散以前は鼻歌程度のものをデモ化して、CHISAさんや将吾さんにお願いして形にしてもらう感じで、今ほど作曲ができなかったんですよ。
────そうだったんですね。そこから80曲も作れるようになったとは、相当の努力をされたんでしょうね。
satoshi それで、ストックの中から何曲かメンバーに持っていったんですけど、バリエーションの一つとして出した中の「ラストレインブルー」をCHISAさんが気に入ってくれて。僕としては、実はDIV向けに作ったわけじゃなくて、単純に自分の好きを突き詰めて作った曲だったので、まさか選ばれるとは思ってなかったんです。結果的には、楽曲の内容としても、自分の成長を見せられたという意味でも、良いタイミングになったと思います。
CHISA 6〜7曲ぐらいデモをもらって、その中からどれがいいか選んだんですよね。僕としては、satoshiくんの楽曲で行くのであれば、曲の良さを活かすために大掛かりなアレンジをしなくてもいい曲を選びたかったという思いがあります。あとは“今メンバーの気持ちを嘘偽りなく自然に乗せられる曲ってどれなんだろう?”と考えたときに、充電期間を控える中での自分たちのメッセージとして残すのにふさわしい曲だと感じたんです。
────satoshiさんのXで「転生王女と天才令嬢の魔法革命」という作品を観て「ラストレインブルー」を制作したと拝見しました。アニメからインスピレーションを受けて作った曲というのはちょっと意外でしたね。
satoshi 僕は自分の中の遊びで、アニメをワンクール観たら一曲作るマイルールがあるんです。そうやって作曲したのは20曲くらいあるんですけど、「ラストレインブルー」に関しては主題歌を聴いてアニメを観て、自分なりの感想を音楽で表現しました。作中にあった“仲違いしても、別れる時は仲直りして別れる”というストーリーがとくに印象的で、これはこれで美しい別れの形だなと感じて、歌詞の世界観にも反映しました。
────この曲はいつ頃作ったものなんですか?
satoshi 去年の11月ぐらいですね。レコーディングしたのは……CHISAさん、何月ぐらいだっけ?
CHISA 春くらいかな?
satoshi これを作った頃は、DIVが充電期間に入ることは決まってなかったんです。だから、最初は思うがままに書いて形にして、その後、DIVが充電期間に入るという話になったので、今のバンドの状況にも重なる形にするために、少し歌詞を書き直しました。そこからさらに、DIVがリリースするにふさわしい形へ、CHISAさんがアレンジしてくれた感じです。
────CHISAさんはどういった意図で歌詞をアレンジしましたか?
CHISA あんまり大掛かりに歌詞の意味合いは変えたくはなかったんですけど、このタイミングでDIVがリリースする曲なので、メンバーの気持ちと歌詞のニュアンスが乖離しないように整えました。例えば、“別れた人とのメールを帰り道に見返している”といった具体的すぎる描写は、バンドの気持ちというよりは一人の主人公の物語っぽくなってしまうので、そういった部分を調整しました。
あとは、最後のほうに「失くしたものの数だけ優しくなれるから」という一節があるんですけど、最初は“強くなれるから”だったんです。でも、充電期間はいろんなことを考えて一番いい選択としてバンドが出した結論なので「これって果たして“強い”のかな?」みたいな疑問を抱いて、そこを“優しく”に変えたりとか。
────細かなニュアンスまでこだわったんですね。
CHISA 僕としては、本当に強い人こそ人に優しくなれるんじゃないかと思っていて。人って人生経験を積んで強さを身に付けるほど、相手の痛みを解像度高く受け取るのが難しくなるじゃないですか。例えば、小さい子が泣いているとき、その子にとっては人生最大の挫折かもしれないのに、大人の目線で「大したことない」と片付けてしまう。だけど、痛みに鈍感になることだけが強さではなく、同じ目線で「痛いよね」と寄り添うことこそが、優しさであり本当の強さなんじゃないかなと思うんです。
────なるほど。本作の歌詞は雨の日の情景が浮かぶものでありつつ、受け取る人が想像する余白もあって素敵ですよね。先行して公開されているMVは、satoshiさんが監督・編集を担当されたとのことですが、そもそも映像を手がけるようになったきっかけは何だったんでしょう?
satoshi 数年前のコロナ禍では“バンド業界はもう回復しない”という空気があったんです。当時、事務所に近況報告をする機会があったんですけど、そのときに「ライヴ産業はなくなる可能性があるし、おもしろいからYouTubeをやってみろ」と急に言われて、素直にやってみたんです。それが最初のきっかけですね。初めの頃は家にあったホームビデオで撮影して、Photoshopの機能で動画を編集してたんです。当時は、カメラのレンズの使い分けとかも分からなかったので、手探りでした。
────まさかのPhotoshopで(笑)。そうして再結成後には映像も手がけるようになって、今回のMVはどんなイメージで制作されましたか?
satoshi 雨が降っているところから、どんどん晴れていく風景をイメージして作りました。大きく言うなら、黒と白、光と闇、雨と晴れ、みたいな対照的なものですね。最初のシーンでは雨が降っていて、後悔を滲ませるような言葉が出てくるんですけど、最後のサビになると「夜を越えてこの胸の雨も晴らしてく」といった言葉になってくるので、黒い衣装から白い衣装に切り替わることで晴れを表現しています。滲んだ涙も連れて行ってもらわないといけないので(笑)。ちなみに、あの白い衣装は僕らが再結成したときのライヴの衣装なんです。あの衣装でステージに戻ってきて、同じ衣装で空に帰っていくというストーリーになっています。

無理に前向きな物語にしなくてもいい
────9月2日のデジタルリリースも楽しみですね。9月末からは、全8会場での「PRE-RECHARGE ONEMAN TOUR」が控えています。このツアータイトルに込めた思いを聞かせてください。
CHISA 本当にそのままではあるんですが、充電期間になる前の最後のワンマンという意味ですね。そもそもツアータイトル以前に、今のこの感じを何と呼ぶかは迷った部分で、活動休止と言ってもいいし、違う表現の仕方もあると思うんですけど、充電期間が一番しっくりきたんですよね。
satoshi 僕らは再結成以降、新たに6曲をリリースして、「夏の行方FES」というイベントを立ち上げて、自分たちでやりたいことを設計して実現させられるバンドだということを証明できたと思ってます。ですが、その中で「DIVはこれから毎年新曲を出して、フェスをやるんでしょ?」という空気が漂っているとも感じていて、“それはDIVとして本当にやりたいことなのか?”というのを、あえて立ち止まって考える時間が必要だと思ったんです。今後の活動や再開時期を決めるためではなく、今の段階で先のことを決めずに、DIVとして本当に求めているものを、それぞれが見つめ直す時間が必要だという意味で、充電期間という言葉になりました。

CHISA さっきコロナ禍の話がありましたけど、コロナ禍でライヴができない状況の中でDIV結成10周年を迎えて、そのときに自分の居場所がないってすごくつらいことなんだなと感じたんですね。それで、DIVが解散したときファンもこんな気持ちになったのかなと思ったんです。そこから「またやろうよ」となったのが再結成のきっかけで、活動の詳細まで話し合ったうえで復活したわけではなかったので、このまま進んで行っていいのだろうか?という疑問は、ずっと心のどこかにありました。皆さんが受け入れてくれて、もっと会いたいと思い続けてくれたおかげでここまで続けてこられたんですけど。
メンバーそれぞれの活動がある中で復活した背景もあり、一度立ち止まって、それぞれがDIV以外の時間を持ちながら、今後のことをあえて決めずに過ごす期間が必要だという結論に至りました。とはいえ「夏の行方FES」でも、バンドが始まってから一番いいライヴができていると思っているので、充電期間前の最後のワンマンも、過去一番のいいライヴを見せるつもりです。
────すごく前向きな決断であることが伝わりました。今回のツアーでは各公演で旧衣装を着用して、その衣装にちなんだセットリストを展開するそうですね。
satoshi 正直なところ、ファンサービス的な意味で旧衣装を着るというよりは、当時の衣装を纏ってステージに立つことで、もう一度、当時の感性により高い解像度で向き合いたいという思いがあって、今回のコンセプトになったんです。当時の自分たちは、その音楽、その衣装がかっこいいと思ってやっていたので、その感性に再度アクセスしたいと思っています。
CHISA 当時皆さんに見ていただく機会が少なかった衣装もありますし、その当時に出会っていなかったり、まだ学生でライヴに行けなかったというファンの方もいたりするので、そういう方にとっては生で見られるいい機会なのかなとも思っています。
────ツアーファイナルの11月22日、渋谷WWW X公演が充電期間前の最後のライヴになるということで、バンドにとってどんな日にしたいですか?
CHISA 過去一番のいいライヴを皆さんの記憶に焼き付けて充電期間に入りたいと思っているんですが、図らずしも何か新しい気持ちや発見がありそうだなという予感もあって、そこが楽しみですね。気持ちの面では「ラストレインブルー」の歌詞にそのまま託したんですけど、「夏の行方FES」を回る中でも“ファンの皆さんが、僕らが思っていたよりも明るく捉えてくれているんだな”とか、いろいろな新しい発見があったので、ツアーファイナルで得られるものにも期待しています。
satoshi ファイナルは無理に前向きな物語にしなくてもいいのかなと思っています。11月22日以降も、人によっては気持ちの中に雨が降ったままでも仕方ないと思うんです。その寂しさとか、別れが惜しいという気持ちも全部含めて、DIVの作ってきた音楽をリアリティのあるものとして伝えて、これまで過ごしてきた日々や作ったものたちを証明したいと思っています。
取材・文:Miyu
RELEASE

2026年9月2日 Digital Release
New Single 「ラストレインブルー」
■Download & Streaming
https://div.lnk.to/LastRainBlue
LIVE

DIV「PRE-RECHARGE ONEMAN TOUR」
2026年9月25日(金)西川口Hearts
2026年9月26日(土)柏ThumbUp
2026年10月3日(土)大阪RUIDO
2026年10月4日(日)名古屋ell.FITS ALL
2026年10月17日(土)福岡INSA
2026年10月18日(日)福岡INSA
2026年11月2日(月)川崎セルビアンナイト
2026年11月8日(日)六本木 CLUB EDGE【DIV公式FC「DIV Premium Club」会員限定公演】
■DIV Premium Club
https://fanicon.net/fancommunities/5327
■一般発売(9月25日〜11月2日公演)
前売り:6,000円
2026年8月29日(土)10:00~
https://div-official.zaiko.io/
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-FINAL-
2026年11月22日(日)渋谷WWW X
■一般先行
料金:6,500円
2026年9月18日(金)21:00~10月4日(日)23:59
■一般発売
前売り:6,500円
2026年10月17日(土)10:00~
https://div-official.zaiko.io/
関連リンク
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