【KISAKI】ライヴレポート<KISAKI生誕半世紀記念祭「BEYOND THE KINGDOM -Fest of Excellence-」>◆東京の地へ、熱狂を巻き起こす神(KISAKI)が降臨!KISAKI生誕半世紀追加公演 2026.10.24 東京BLAZE GOTANDA、VISUNAVI Japan独占完全レポート。

2026年3月15日に大阪BIG CATで行われた、KISAKI生誕半世紀記念祭「BEYOND THE KINGDOM -Fest of Excellence-」。その追加公演として東京で行われたのが、10月24日に東京BLAZE GOTANDAで開催されたKISAKI 生誕半世紀追加公演「BEYOND THE KINGDOM -Final Masquerade-」だった。栄えある舞台に登場したのが、NETH PRIERE CAIN/Phobia/椎名ひかり/ClearVeil/THE BEETHOVEN/NEGA/defspiral/KISAKI PROJECT feat.ryo(出演順)。SOLD OUTし満員の観客の熱狂に包まれた、一夜の共演ならぬ狂宴の模様をここに刻みたい。
◆ ◆ ◆
1.NETH PRIERE CAIN
美しくもシンフォニックな音色が流れ出す。祈るように語る樹の言葉。異境の世界へと招き入れる「さぁ舞踏会を始めましょう」の声を合図に、NETH PRIERE CAINのライブは『カトレア』から華やかに幕を開けた。軽やかにステップを踏みながら、「ここにいる全員で一つになっていきましょう」という言葉にふさわしい、美しくも浪漫に満ちた世界が目の前に描き出されていく。麗しくも壮麗な世界の中から届く魔性の誘い。それこそが、狂気へと導く幕開けだった。
「俺たちの生きざまを受け取ってください」の声を合図に、NETH PRIERE CAINは『PENTAGRAM』を荒々しく叩き付け、観客たちを魔性の世界の虜にしていく。激しさと儚い美しさが交錯しながら襲いかかる。荒々しく躍動する演奏が理性の鎖を引きちぎり、感情を叩き壊す。だから、観客たちも激しく身体を折り畳み、NETH PRIERE CAINが作り出す興奮の儀式に身を委ねていた。これぞ儀式だ。熱狂と陶酔に溺れる恍惚の儀式だ。




次にNETH PRIERE CAINが歌ったのが、Phantasmagoriaのカバー曲『NEO ARK』だ。樹自身がUNDER CODE PRODUCTIONの音楽に影響を受けてきた表現者ということもあって、彼らなりのリスペクトを込め、KISAKIに最高の敬意を表して『NEO ARK』を歌い、演奏していた。まるで、あの頃がよみがえるようだ。凄まじい勢いで叩きつけるブラストビートの衝撃に、熱狂に身を委ねて溺れたい。まさに、あの頃の空気がNETH PRIERE CAINによって再現されていた。いや、また新たな息吹をもって、この空間に解き放たれていた。尊敬を胸に捧げたカバーは、時空を歪ませる衝撃をもって、この場に熱狂の宴を作り上げていた。樹と観客たちとの拳と折り畳みの応酬が、とにかく凄まじかった。

続く『狂進曲-invisible scar-』でもNETH PRIERE CAINは、熱狂し、感情に火がついた観客たちへ演奏のハンマーを叩きつける勢いで振り下ろし、この場に、熱情した者同士が感情をぶつけ合う光景を描き出していった。美しく、激しく、何よりも高貴で攻撃的な煽り方に、観客たちは、ただただ騒ぎ狂っていた。その暗黒の舞踏会は、KISAKIの意志を継承する姿そのものだ。
最後に叩きつけた『BAPHOMET』の頃には、彼らは、フロア中の人たちを暴れ狂う世界へと引き入れ、この場を華やかな狂気に満ちた世界へと染め上げ、熱狂の花が咲き誇る景色を作り上げていった。NETH PRIERE CAIN、まさにKISAKIのイズムを継承するにふさわしい音楽性とパフォーマンスを見せ、観客たちを熱狂の虜にしていった。
最後に樹が口にした「祈りを」という言葉に合わせ、彼らに向けて、誰もが両手をきつく結び、祈りを捧げていた。
-SET LIST-
『「カトレア」』
『PENTAGRAM』
『NEO ARK』(Phantasmagoria)
『狂進曲-invisible scar-』
『BAPHOMET』
2.Phobia
厳かな音色が流れる場内。その音を切り裂くようにドラムが鳴り出すのを合図に、Phobiaのライブが一気に牙を剥いた。彼らは、冒頭に奏でた『「Vi」×2 Section』を通して、狂気を抱いた古のヴィジュアル系の香りを、ヒリヒリとした歌と演奏にして伝えてきた。感情が破裂し、心が壊れそうになるほどの狂気が、彼らの歌と演奏を通して次々と胸に突き刺さる。神経を破壊していくその衝撃が、とても心地よい。
止まることなく響き続けるベース音へ導かれるように、Phobiaは『白いシリコン』に乗せて、さらに狂った牙を剥き出にして襲いかかった。頽廃と悲痛と狂気、そして恍惚とした魂が、ダークな音をまとって襲いかかる。KISUIのヒステリックな声と動きが、とても艶めかしい。


勢いを上げるようにPhobiaは、感情を剥きだしにして『仮面舞踏会~リテイク~バージョン』を激しく、荒々しく叩きつけ、観客たちの意識をグサグサに刺していった。大胆かつ独創的な動きを見せながら、狂ったように歌うKISUI。源依織の狂気を帯びたギターの旋律が、スリリングな空気に、さらにヒステリカルな緊張感を与えていく。この場に、狂い咲く世界を描き出すPhobia。フロアでは、その衝撃に身体が凍りついたように見入っている人たちも大勢いた。


「ここから弾けていこうぜ、いいですか。お前らまだ騒げるよな」と煽るKISUI。「かかってこい」の言葉を合図に、Phobiaは重厚でダークな、荒々しい音を激しく叩きつけるように『√情緒不安定÷降圧剤/血流量=君に』をぶつけてきた。重く激しく荒れ狂う音に乗せて、ときに狂ったような声を上げ、感情の螺子をぶっ壊して歌うKISUIが、凍てついた観客たちに、衝撃的な声の礫を次々と投げ続ける。フロアでも暴れ騒ぐ人たちはいたが、誰もが、今の時代には感じ得ない音の衝撃に、ただただ圧倒されていた。
さらにヒステリックに、ギザギザとした刃で一人ひとりの感情を削ぎ落とすように、Phobiaは『囀ル冥途 -Self-Discipline-』を通して攻めてきた。その衝撃に飲み込まれたのか、高く拳を突き上げ、身体を揺さぶって歌うKISUIと一緒に、大勢の人たちが,感情の螺子を壊して狂い出していた。
さらに激しく加速し、攻撃性を増した演奏を叩きつけた『ビン詰めのグロテスクなリドラー』でもPhobiaは、独自の世界観を貫きながら、意識をグサグサに切り裂くギロチンのような音の衝撃で、観客たちを熱狂の奈落へ叩き落としていった。その独奏的な世界観は,まさに唯一無二だった。
-SET LIST-
『「Vi」×2 Section』
『白いシリコン』
『仮面舞踏会~リテイク~バージョン』
『√情緒不安定÷降圧剤/血流量=君に』
『囀ル冥途 -Self-Discipline-』 』
『ビン詰めのグロテスクなリドラー』
3.椎名ひかり

大阪公演に続き、唯一、2公演連続で出演したのが椎名ひかりだった。「ねぇ、僕の愛を…試してるんだよね」という声が、SEに乗せて響いた。ヴィジュアル系という枠を逸脱した存在に見られがちだが、彼女は誰よりも、ヴィジュアル系という音楽やスタイルを愛している。
その姿勢とスタイルを示すように、読経と「下手にモッシュ」の声を合図に、椎名ひかりが『餞タ夢ケ』をぶつけたとたん、観客たちが左右にモッシュを始めれば、「揺らせ」の言葉に従い。身体を折り畳み出す。まるで狂気と呪いを孕んだ童歌のような楽曲に乗せ、ときにヒステリカルに叫び、グロウルしながら、椎名ひかりは呪いを満載して疾走するデスでダークな楽曲を通して、観客たちの意識を壊し、揺さぶり、熱狂の渦へと巻き込んでいった。「餞タ夢ケ」と、狂ったように何度も叫ぶ姿も印象的だ。
悲痛で、重厚で、しかも、感情を両の手でぐちゃぐちゃに掻き回すような衝撃をもって、椎名ひかりは『羅刹遊戯』を荒々しく叩きつけた。フロアの前方では、彼女と一緒に猛り狂う人たちの姿が…。体感的な狂気はもちろん、精神を破壊し、闇と病みへと突き落とすその世界観に、今は素直に溺れ、彼女と一緒に暴走する狂気のランデブーを続けていたい。
曲を重ねるごとにゴシックでダークな奈落の世界へと、椎名ひかりは誘い出す。和でゴシックな衝撃を叩きつける『君 保留中 僕。』でも、猛り狂う和ゴスロックな演奏の上で、椎名ひかりは闇の感情を剥き出しにし、今にもフロアへ飛び込まんばかりの姿勢で、ヒステリカルな声を上げ、観客たちを絶望という恍惚の世界へぐいぐい引き込んでいった。みんな好きだろ、こういう病んで膿んだ痛々しい感情が。その権化なんだよ、椎名ひかりは。だから、KISAKIが彼女を支持し続けているんだよ。
次に椎名ひかりが歌ったのが、KISAKIのバンド活動30周年記念アルバムにも収録された『Mind Collapse』だった。頽廃と絢爛という相反する香りが入り交じる、ゴスでダークでミドルメロウな楽曲だ。椎名ひかりは身体に神を降臨させ、この場にいる人たちがひれ伏すように朗々と歌い上げていた。いつもはヒステリカルな叫びを上げて歌う椎名ひかりだが、この曲では、感情の内側で蠢く思いを痛々しい声に乗せ、吐き捨てるように歌っていた。どんどん破壊力を増していく展開も、KISAKIの楽曲らしい。
最後に椎名ひかりは、感情破滅型デジロックナンバーの『魔界女子☆恋モード』を豪快に叩きつけ、この場を、華激な熱狂の宴に染め上げていった。攻撃的なオケヒの音と唸る轟音の洗礼を浴びながら、狂気の先導者になった椎名ひかりがフロアに熱情に満ちた狂気を降り注ぐ。彼女は触れた人たちの意識も感覚も狂わせ、フロアに逆ダイする光景を作り上げ、ヴィジュアル系らしい熱狂の振りが乱れ咲く、狂乱の宴を描き上げていった.
-SET LIST-
『餞タ夢ケ』
『羅刹遊戯』
『君 保留中 僕。』
『Mind Collapse』(KISAKI)
『魔界女子☆恋モード』
4.ClearVeil
かつてUNDER CODE PRODUCTIONに所属し、KISAKIのもとで活動の歩みを重ねてきたClearVeil。攻撃的なSEに乗せて登場したメンバーたちは、ド頭から『The future of despair』を通して破壊的な演奏を叩きつけ、フロア中に拳が突き上がり、荒ぶる声が上がる光景を作り出した。手バンをしたり、尖の叫びに合わせてヘドバンをするなど、「これだよな」という懐かしいノリの景色がそこには生まれていた。激しく叩きつける演奏とビートに合わせて身体を折り畳み、胸を揺さぶるエモい歌に合わせて、みんなで咲き乱れる。そのやりとりを通して、意識が2010年代に巻き戻っていた。

尖の煽りに続き、重低音の効いたラウドな演奏が炸裂した。ClearVeilは『ガーネット』を通して、 この場に、互いに感情を剥き出しにしてぶつけ合い、戦い合う光景を作り上げていった。全力で気合と気合を戦わせあう。まさにKISAKIの精神が、そのまま熱狂となって目の前に広がっていた。これだよな、UNDER CODE PRODUCTIONのイズムって。


『御伽一夜』でも彼らは、全身をギザギザの刃でザクザクと切り裂き、抉るような衝撃をもって、観客たちを狂わせていった。尖のエモーショナルな歌と轟音の洗礼に感情を荒らげた観客たちが、手バンやヘドバンをし、身体を折り畳み、ときに身体をぶつけあいながら、熱狂に溺れていった。叩き出すビートに合わせて手バンをするたびに、意識が熱く花咲いていく。だから、もっともっと狂わせてほしい。


「上に飛べ」の言葉に合わせて、大勢の観客たちが『A.R.S』の演奏に乗せて、上、上へと跳ね出した。感情を豪快に突き動かすClearVeil流のロックンロールの衝撃が、理性をぶっ壊す。今は豪快に響き渡る演奏に乗せて、上へ、上へと跳ね続ければいい。今までの中で一番会場を揺らす衝撃を、ClearVeilは与えていった。そのうえで…。
最後に彼らは、これまで以上に激しく重い衝撃を、爆走した『riot girl』の演奏に乗せてぶっ込んできた。まさに「殺るか、殺されるか」の気持ちで、メンバーも観客たちも、全身全霊で燃え盛る魂をぶつけ合っていた。猛り狂ったこの世界こそ、KISAKIとUNDER CODE PRODUCTIONの精神を継承した、熱狂に身を捧げたライブらしい姿だ。
-SET LIST-
『The future of despair』
『ガーネット』
『御伽一夜』
『A.R.S』
『riot girl』
5.THE BEETHOVEN
破壊性満載のSEに乗せて、THE BEETHOVENのメンバーがステージに登場した。ライブは、この場に最初から熱狂どころか激情した景色を描き出すように、THE BEETHOVEN流の豪快なロックンロールナンバーの『Angel』から幕を開けた。豪快な音をぶっ放して爆走する演奏だ。その上で響き渡るマコトのエモい歌声が、感情の螺子を嬉しく狂わせ、気持ちや身体を騒がせる。だから今は、ただただ手バンをし、頭を振り乱して、熱狂に溺れてしまえば、それでいい。
続く『メドゥーサ』でもTHE BEETHOVENは、さらに重厚さと荒々しさを増しながら、身体を大胆に揺さぶる音の衝撃をぶつけてきた。雄々しいロックンロールの演奏の上で、マコトが熱狂を生み出す指揮者となり、福助。とミネムラアキノリ、2人のギター陣が寄り添いながら、ノイジーな音の衝撃を突きつけていった。THE BEETHOVENが繰り出す豪快なダンスロックというべきロックンロールの魔法にかかりながら、このままずっと熱狂に溺れ続けていたい。



s 破壊的な音を合図に、ヒステリカルでノイジーでありながら、胸をチクチクと痛く刺激するように『奏想曲』が流れ出した。とても感情豊かな歌声の毛布で、マコトが観客たちの身体を包み込む。その背景では、身体を疼かせるように歪みを上げたエモーショナルな演奏が熱情に満ちたダンスを躍ろうよと誘いかけていた。意識を揺さぶるマーチング調の演奏が、胸をドキドキと騒がせ、身体を刺激すれば、甘くエモい歌の衝撃で、ハートをメロメロにしていく。まるで感情を熱く混濁させる甘い狂奏曲のような演奏が、とにかく胸に心地よかった。


ここからTHE BEETHOVENは、さらに攻撃性を一段階引き上げて、観客たちを轟音渦巻く熱狂の景色に連れ出した。エモい衝撃を満載した『FACT』が繰り出す激熱なロックンロールの衝撃に、誰もが身体を揺らし、うっとりと溺れていた。THE BEETHOVEN、本当に多彩なロックンロールの魔法をかけていく連中だ。一度燃え盛った感情は、彼らの歌と演奏にグイグイと引っ張られるままに、興奮という熱を上げ続けていた。
だからTHE BEETHOVENは、最後に叩きつけた『LAZY LADY』でも、あくまでもTHE BEETHOVENらしい、超絶開放的でポップなロックチューンを通してぶっ飛んだ衝撃を与え、観客たちの顔をにやけさせ、無邪気な少女や少年のような気持ちに戻していった。そのうえで、心地よく跳ねる、メロディアスでエモいロックナンバーに乗せて、ずっと躍らせていった。クラップを鳴らし、身体を揺らし、ハートを熱くとろけさせる甘い熱狂が渦巻く世界に、THE BEETHOVENはずっと連れ出してくれた。
-SET LIST-
『Angel』
『メドゥーサ』
『奏想曲』
『FACT』
『LAZY LADY』
6.NEGA
UNDER CODE PRODUCTIONの中核を成すバンドとして活動を続けてきたのが、NEGAだ。KISAKIが誘うたびに復活してくれるのも嬉しいじゃないか。
最初から熱狂と絶叫の渦巻く世界が、そこにはあった。重厚な、とにかくヘヴィネスでダークでラウドな音を、『鬱』を通して豪快に、豪速で叩き付けてNEGAの演奏が始まるや、フロアは絶叫とヘドバン、身体を激しく折り畳み、モッシュする熱狂の景色に一瞬で染まった。理性など最初から投げ捨て、本能のままに暴れ狂う獣と化した観客たちが、NEGAの繰り出す重々しい音に全身で喰らいついていた。その様を見た儿が、身体を前のめりにして煽っていた。


続く、印象深い歌から始まった『Soul cry』でも、全身を鉄槌で思いきり殴るような音を楽器陣が高速で叩きつけ、観客たちの理性をどんどん破壊していった。荒々しくもエモい声を投げかけ、観客たちの意識を混濁させる儿。ときにメロウな旋律を野太く歪んだ音で繰り出すギターのSAN。リズム隊の2人が放つ、奈落へ突き落とすような重い音の衝撃も、身体と気持ちをずっと奮い立たせていた。
すべてを破壊し尽くす暴走マシーンと化したNEGAは、続く『muddy cult』でも観客たちに、これまで以上に身体を大きく折り畳ませ、激しく頭を振り乱らせ、その身を高く、とにかく高く跳ねさせていった。豪快な音に乗せて儿が叫び、歌うたびに、フロアの人波が大きく揺れ、儿の狂い立つ心情と重なるように、大勢の人たちが絶叫していた。凄まじい、とにかく凄まじい演奏の衝撃が、全身を熱狂という拳で殴り続けていた。


美しくも儚い音色を響かせる同期の音に乗せて、儿が慟哭するように『WEIGHT OF THE LIFE』を歌い出した…のも束の間、これまで以上にあらゆる面で攻撃性を増した演奏をNEGAは叩きつけ、ステージという対岸に向けて人の波が押し寄せる光景を作り上げていった。この場にいる人たちを、暴れ狂うカオスな景色の中へNEGAは連れていく。それこそが、KISAKIの大好きなNEGAらしい姿だ。破壊力を増すたびに、身体も激しく揺さぶられる。そして…。
最後にNEGAは、『NIGHTMARE』を通して、これまで以上にヘヴィな音の衝撃を叩きつけた。心に響く歌や演奏もしっかりと聴かせながら。でも、破壊力に満ちた音で、観客たちを深く、深く奈落へと落としていく。まさにNEGAらしい姿を、これでもかと突きつけたライブを見せてくれた。いつ、どんなときに触れようと、やはりNEGAはNEGAでしかない。
-SET LIST-
『鬱』
『Soul cry』
『muddy cult』
『WEIGHT OF THE LIFE』
『NIGHTMARE』
7.defspiral
トリ前を飾ってdefspiralが登場した。それは、衝撃という言葉が一番ふさわしいだろう。彼らが『VIVA LA VIDA』を豪快に、懐の深い演奏をもって叩きつけた瞬間、魂が奮い立った。豪快な演奏だ、とにかく豪快と言いたくなる演奏だ。TAKAの懐の深い、雄々しい歌声に抱きしめられていると、それだけで暴れ狂いたくなる。だから、フロアからも多くの拳が突き上がっていた。
全身をハンマーで殴ったような衝撃を与える、重々しく唸る豪快なロックンロールの演奏に乗せて『BLACK
BIRD』が飛び出した。身体も意識も豪快に、強引に振り回す歌と演奏の衝撃に嬉しく振り回されるまま、気持ちが求めるままに狂ってしまえばいい。一音一打、一つひとつの言葉、それを響かせる歌声が、意識をぶっ壊し、ただただ暴れ騒ぐ熱狂の祭り人に変えていく。感じるままに身体が動き、声が上がる。それこそが、ライブの醍醐味だ。


続く『ELECTRIC NIGHTMARE』は、凄まじい高速ビートを叩きつけ、そこから豪快に唸る音が轟き渡る、彼ららしい懐の深い、攻撃力を満載した楽曲だ。どっしりと構えながらも、けっして攻める姿勢を忘れない、荒々しい演奏を繰り出していた。だから、ずっと拳を突き上げて、声を張り上げていたい。defspiralが届ける演奏に身を委ねていれば、それだけで彼らが熱狂と興奮と恍惚の世界へ連れ出してくれる。それが嬉しいじゃない。


「しぶとく生き抜いてやろうぜ」。続く『銀河航路』は、再会をテーマにした、こちらも豪快なロックンロールナンバーだ。defspiralとKISAKIは、本当に長い付き合いだ。しかも今宵は、KISAKIを祝う日。こんな夜だからこそ、互いに繋がりあえている喜びを分かち合うように、defspiralはこの曲を演奏していたのだろう。懐の深い声で、何もかも抱きしめるように歌うTAKAの声に、ずっと抱きしめられていたい。同じく、懐が深く、雄大で勇壮な演奏にずっと身を委ね、熱狂していたい。何より、この喜びのひとときにずっと熱を抱いたまま浸っていたい。だって、今夜、彼らに出会えたのだから…。
defspiralは最後に『流星』を、煌めいた音も加えながら、これまでの中で一番激しく、荒々しい演奏にして届けてくれた。胸を揺さぶる思いを詰め込んだエモーショナルな歌に触れていると、気持ちが熱く高揚する。だから感情が奮い立つままに拳を振り上げ、身体を大きく揺らして熱狂に溺れていたかった。聞こえるよ、彼らが誘いかけ、未来へと連れていってくれる音が。それを、胸にずっと抱きしめていたかった。
-SET LIST-
『VIVA LA VIDA』
『BLACK BIRD』
『ELECTRIC NIGHTMARE』
『銀河航路』
『流星』
8.KISAKI PROJECT feat.ryo
主役のKISAKIが、盟友のryoをヴォーカリストに迎えたKISAKI PROJECTとしてヘッドライナーとしてステージに降臨した。客席は待ち待つわびたオーディエンスで鮨詰め状態で期待度を痛感する「。幻想的なSEから始まる美しく、でも、物悲しく流れだした音色。その音が次第に壮麗な響きになって広がり出す。それに合わせるように、この世が夢という異世界へと変わっていく。次第に壮麗さを増していく音色。KISAKIは厳かな調べを耳にしながら、超満員の人が詰めかけ、期待の熱気に満ちたフロアをじっと見つめながら、思いに浸っていた。彼の胸の内には、どんな思いの景色が去来していたのか。その調べはさらに…。

在りし日の記憶を取り戻すように。忘れたくない思いを、旋律という絵筆を通して胸に綴るように、ryoが、荘厳で麗美な演奏に乗せて『記憶~After Confession~』を歌い出した。一つひとつの言葉に記憶や想い出を焼きつけて歌うその声が、厳かで麗しい演奏に乗せて、観客たち一人ひとりの心にも、胸を痛く揺さぶるさまざまな景色や物語を綴れ織っていた。彼の思いを、側で寄り添いながら奏でる音で支えるKISAKI。感情的な歌声や演奏に、ピリッッとした刺激を与える森谷亮太のタイトなドラム演奏があるからこそ、HIZAKIの刻むギターの音色と、Kohei Iyodaの奏でる感情豊かな旋律が、『記憶~After Confession~』を美しく際立たせていた。KISAKIのうねるベースの音に合わせて、次第に演奏が唸り出すとはいえ、触れたら壊れそうなほどに繊細でありながら、確かな存在感をこの場に。何より、一人ひとりの心のページに刻むように、彼らは哀切な物語を、大切に歌い奏でていた。。Kohei Iyodaの弾く、むせび泣くギターの旋律も、瞼を濡らしていった。




悲しみを振り切り、涙を乗り越えて、ここから高く羽ばたこうと、KISAKI PROJECTは荒々しく躍動する、スケールの大きな演奏の翼を広げて、この場に『沈黙の羽根』を羽ばたかせた。気持ちを揺さぶる力強いビートを叩き出す森谷亮太の攻めた演奏に背中を押されるように、HIZAKIもKohei Iyodaも、躍動する音を掻き鳴らし、胸を熱く揺さぶる旋律を響かせる。愛しい人へ思いを投げかけるように、雄々しい声で歌うryo。その姿に寄り添うように前に出てKISAKIも演奏していた。KISAKIとKohei Iyodaが顔を見合わせて演奏を行えば、ryoとHIZAKIも寄り添いあう。森谷亮太の叩く、しなるビートの上で、高速で美しくも彩り豊かな旋律を繰り出すHIZAKIのギターがドラマを描きだす。それを受けてKohei Iyodaも荒々しくも胸を揺さぶる旋律を響かせていた。重厚ながらも躍動するKISAKIのベースの旋律を支えに彼らは、切なさと儚さ、その対極にある熱情に満ちた思いを、美しく、激しく、ドラマチックに彩りながら、この場に解き放っていった。
イントロが流れた瞬間、胸がキュッと鳴った。ここで『勿忘草』を、しかも今宵はryoの歌声を通して聴けたことが素直に嬉しかった。涙の粒が落ちるように響く美しく透明感のある演奏に乗せて、この曲でもryoは、言葉の一つひとつにいろんな思いを重ね合わせていた。いや、記憶から消したくない愛しい人の面影を探すように歌っていた。彼の気持ちが高ぶるのに合わせて、楽器陣も感情を高ぶらせるように音を鳴り響かせる。森谷亮太の演奏が轟き、走り出したのを合図に、楽器陣3人の演奏が、熱を帯びて躍動する演奏を叩き付けてきた。重く唸るKISAKIのベースの音がryoの心の慟哭なら、Kohei Iyodaの奏でる胸を潤す演奏や、HIZAKIの弾き倒す美しくも狂気を帯びたギターの旋律の数々は、ryoの泣き叫ぶ声のようだった。「忘れないで」と心を震わせて歌うryo。その声に寄り添い、心の背中を優しく押していく演奏に、ずっと、ずっと抱きしめられていたかった。
ドクッドクッと鳴る心臓の音。HIZAKIとKohei Iyoda、2本のギターの旋律が寄り添いながら、美しく、切ない涙の旋律で濡らしていく。その演奏に導かれるようにryoが切々と歌い出す。彼らは美しくも透明感のある旋律を優しく響かせ、触れた人たちの心を涙で濡らすように『Dedicate to Graveyard』を歌い、奏でていた。
言葉の一言ひと言に思いを宿して歌うryo。彼の気持ちが高ぶるのに合わせて、演奏も荒々しく駆け出した。森谷亮太が、切れ味鋭いスラッシュビートを叩き付ける。その上でHIZAKIのギターが雄大な音の景観を描き出せば、Kohei Iyodaが感情が乱れ狂うままに次々と旋律を解き放っていた。それは心の慟哭なのか?一つひとつの言葉を大切に紡ぎながら、でも、激しく駆ける演奏にも寄り添うように、ryoは、一人ひとりの心の中に渦巻き、乱れ、揺れ動くいろんな心模様を、演奏という絵筆を通して、この場に強い筆力で綴っていった。1曲の中にドラマチックな展開を描きながら、今にも壊れそうな心模様に、彼らは喜怒哀楽、さまざまな感情の色を塗り重ね、一人ひとりの心に、消したくない物語をしっかりと刻んでいった。2人のギター陣の掛け合う演奏や、それを、どっしりとした演奏で支えるリズム隊の演奏も力に、5人は、1曲の中で次々と表情を変幻させながら、まさにKISAKIらしいロックな興狂曲を目の前に描きだしていった。

最後にKISAKI PROJECT feat.ryoが奏でたのが、『道標』だった。彼らはすべてを浄化するように、でも、心に綴った思いを、今度は、あなたたちが胸に刻んだ悲しみや痛みを道標にしながら、少しずつその歩を進めてほしいと願うように歌い奏でていた。吐息のような声も交ぜて、思いを紡ぐryo。透明感のある麗美な旋律を奏で続けるHIZAKI。その上で、揺れ動く心模様をKohei Iyodaが嘆きの旋律にして場内に響かせていた。感情が大きく揺さぶられるたびに、森谷亮太の叩くビートが、それぞれの表情を際立たせる引き金になっていた。それにしても、なんて胸を揺さぶり、打ち鳴らす曲だろう。『道標』が、KISAKIとKISAKIを愛する仲間たちとの、しばしの別れの歌になるとわかっている。だからこそ、一人ひとりの奏でる演奏を含めて彼らは、『追憶』を通して。いや、この日のKISAKI PROJECT feat.ryoの演奏を通して、共に心に記した悲しみの道標を、次なる未来を指し示す指標とするように、ここにいる全員の心に消えない印をしっかりと刻んでいった。絶望を歌いながらも、その中から見える一筋の光。それこそが、いつの時代でも、KISAKIを未来へと連れていく道標になっていたのだから…。
-SET LIST-
『記憶~After Confession~』
『沈黙の羽根』
『勿忘草』
『Dedicate to Graveyard』
『追憶の花』
『道標』
9.大セッション

最後にryoが、この日出演した全員をステージに呼び込んだ。やはり最後は、KISAKIを神へと祭り上げるこの曲を、みんなでセッションしながら盛り上がらねば、終われない。「神が降臨するぞ」の声を合図に、Phantasmagoriaの『神歌』の演奏が飛び出した、この日のイベントに熱狂を描いてくれた歌い手や奏者たちが、「神々の 神々のもと~」「下々の 下々のもと~」と歌いながら、降臨した神、KISAKIを讃えていた。いや、神と下々との境目を熱狂で叩き壊し、みんなで一つになって神を崇め奉っていた。ステージの上では、KISAKIを胴上げする人や、フロアに降りて騒ぐ人、カメラマンが回していたカメラを取り上げ、みずから撮影し出す人までいたほどだ。もちろんフロアでも、終始、すさまじい逆ダイの嵐が巻き起こっていたように、会場自体がすでに、何でも許されるカオスの場と化していた。だけど、それでこそ『神歌』だ。おなじみ、KISAKIがCO2を場内に吹きつける姿や勢いよくフロアにダイブする姿を含め、演奏は、終わりを知ることなく永遠に続くと思わせながら、熱狂に熱狂を重ねて、降臨した神を、ふたたび天界へと送って逝った。
最後にKISAKIが、瞼を濡らしながら、でも、強い気持ちで述べた、出演者と満員の観客たちへの感謝の思い。その姿は、まるでKISAKIが敬愛するYOSHIKIのようにも見えた。
-SET LIST-
『神歌』(Phantasmagoria)
KISAKI半世紀イヤーラストは、12月20日に六本木GT LIVE TOKYOで開催されるイベント、KISAKI生誕半世紀最終夜感謝祭「壊想に導かれた奇跡の果てにある栄光と挫折」だ。これが一連の活動の締めくくりとなる。その日まで、KISAKIの50歳という年齢に祝福の拍手とお祝いの声を降り注いでほしい。
TEXT:長澤智典
PHOTO: Satoki Demoto/Shiho YANAGIMOTO(FOTOLORE)/Sana Harukawa
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