【ライヴレポート】バトルキマイラ vol.8〜有名人を倒せ!~2026年7月29日(水)@大塚Hearts+◆打倒ティンカーベル初野!東亰浪漫とZ CLEARが仕掛けた勝負の行方はいかに!?

2026年7月29日(水)に大塚Hearts+でVISUNAVI Japan主催ライヴシリーズ「バトルキマイラvol.8〜有名人を倒せ!〜」が開催された。「バトルキマイラ」とは、ヘッドライナーが下剋上を狙う挑戦者を迎え撃つ、対バン形式のイベントだ。今回の挑戦者は、キマイラシリーズ常連のZ CLEARと、初登場の東亰浪漫(とうけいろまん)。そして激しいバトルを体ひとつで受け止めるヘッドライナーは、有名人・ティンカーベル初野。予測不能のこの3組の戦いは、一体どのような結末を迎えたのだろうか?熱気と気まずさに包まれた前代未聞の一夜をレポートする。
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東亰浪漫

イベントの幕開けを飾ったのは、大正113年(令和6年)8月に結成された5人組樂団・東亰浪漫。大正浪漫の世界観をヴィジュアルと楽曲に反映しており、近年のヴィジュアル系シーンの中でも異彩を放つ存在だ。
1曲目は、星のきらめきを想起させる繊細なギターフレーズが印象的な「星の筆舌」。群青の照明が照らし出す中、イントロと同時に幕が上がると、哀(吟唱師)、禍郎(六絃師)、中也(六絃師)、奈落(低鳴師)、輪丸(律動師)が姿を現した。どこか懐かしくも絢爛なメロディが空間を包み込んでゆく。切なく揺れる三拍子のリズムが心地良い「花曇」でオーディエンスを深く引き込むと、「輪舞曲」のレトロなサウンドがフロアを大正の舞踏会へと塗り替えていった。

続くMCでは、哀が真剣な面持ちのまま「まず、我々は一度死んでいます」と言い放ち、客席の爆笑をさらう。一度死んで転生し、この世に生を受けて結成されたのが東亰浪漫なのだという。ここまで披露した3曲について「当時、我々が若かった頃の記憶や思いを歌にしたもの。戦争に関わる歌も多く、今に通じるところがあるのかなと思いながら歌っています」と、真摯に楽曲への意図を語った。
しかし、そこは一筋縄ではいかない彼ら。ふと見れば、六絃師の禍郎は頭にお札を貼り付けている。「お札のおかげで速弾きができるようになった代わりに、言葉を話せなくなった」という奇妙な設定が明かされると、今度は低鳴師の奈落がオーディエンスへおもちゃのナイフを託し、ティンカーベル初野が来たら刺してほしいと依頼。シリアスな楽曲とシュールなトークの振れ幅で、MCでもその独自性を存分に焼き付けた。





そんなMCから雪崩れ込んだのは、哀愁漂うサウンドの「月夜野」。まるで演劇のような哀の語りがバンドの描く世界をさらに引き立てる。ラストスパートは、情念に満ちた「蟹工船」、当日が初披露だったという「蜘蛛の糸〜祈り〜」、エモーショナルな叫びが炸裂する中で幕を下ろした「黑の果実」と全7曲を演奏し、その存在感を存分に魅せつけたステージであった。
Z CLEAR

続いて殴り込みに来たのは、2番手・Z CLEAR。暗転と同時に張り裂けんばかりの歓声が上がる。SEとともにフロアから手拍子が鳴る中、みやこ(Gt)、トミー(Gt)、こーちゃん(Ba)、ユウ(Dr)が登場し、会場のボルテージが上がる中ゆっくりとAKIRA(Vo)が現れた。
1曲目「JUNKIE」の巻き起こるモッシュの中で「有名人ぶっ殺してやるよ!」と威勢よく叫ぶAKIRA。ヘヴィなバンドサウンドで一瞬にして空間を掌握していく。「2番手、Z CLEAR夜露死苦!」と言うAKIRAの声と目つきは、実に勇ましい。「3バンドの中で一番不良でヤンキーなZ CLEARじゃ!かかってこい!」という煽りに、フロアも全力で応戦する。
先日まで、先輩バンドであるXANVALAの「AGNI」ツアーでオープニングアクトを務めた彼ら。溢れ出す自信と頼もしい姿に、一回りも二回りもたくましく成長して帰ってきたことが一目でわかった。彼らの気合いに応える童子(※わらし・Z CLEARファンの呼称)の熱量が非常に高かったことも、それを物語っていたと思う。





「至大至剛」「ぶちROCK」と彼ららしいロックナンバーを続けて投下すると「有名人そんなんじゃ倒せないぞ!」と煽り、全員がひとつになる。この日の彼らは、巻き込み力がとにかくすごい。“音楽の力”というものをひしひしと実感したライヴであった。今の彼らの発するエネルギーは、生半可なものではない。全8曲を嵐のように駆け抜けると、熱狂とどこか爽やかな後味を残してステージを去っていった。

——そして最後に、この日のライヴをさらに特別にする重要なトピックに触れておきたい。この日サポートドラマーとして参加していたユウが、後日8月6日に正式メンバーとして加入したことが発表された。つまり、この日のバトルキマイラが、5人による新体制の産声を上げた運命の初ステージだったのだ。広島時代にサポートを務めたユウが上京し、これからは5人で新たな物語を紡いでゆく。彼らがここから天下を取っていくまでのストーリーを、見逃すわけにはいかないだろう。
ティンカーベル初野

トリを務めたのは、この日のヘッドライナーであるティンカーベル初野。バンドではなくソロで乗り込んできた彼に注目が集まった。初野の語りが流れる中で幕が上がると、仮面をつけた初野が姿を現した。水を飲もうとするも仮面をつけていて飲めず、一瞬にして諦める仕草が失笑を誘う。


序盤からシュールな状況の中「有名人でーす!」の叫びとともに始まったナンバーは、ラップ調の「裸なのです」。この日を通してすべての楽曲に言えるのだが、タイトルや歌詞はハチャメチャなのに、曲は妙にかっこいいのがなんだかくやしい複雑な気持ちにさせられる。続く「テデーベア〜小っちゃいィを言わない ジジィとババァ〜」にしても、タイトルからツッコミどころ満載なのだが、圧倒的な歌唱力で歌い上げるのだからそのミスマッチに脳みそがついていかない。
独特なマイワールドを存分に展開する中、「喧嘩 feat.らすてぃー」では、一人でやると見せかけた直後、ゲストに茶封筒・らすてぃーが乱入し、会場から大歓声が上がる。加えて1バンド目に登場した東亰浪漫・中也もステージ袖からスッと現れ、ギターソロだけを華麗に弾いてハケていくシュールな展開に。らすてぃーとは、続く「皿が熱い feat.らすてぃー」と計2曲のコラボを披露した。

さらに「システムがわからないジジィとババァ」では、オリジン弁当ことイトウリョウ(色々な十字架・misuji)がゲストで乱入し、フロアはさらにヒートアップ。イトウが持ってきたオリジン弁当を掲げながら「これにパワーを集めて!」と言い放つメチャクチャな初野。かと思いきや、イトウも梅おろしカツ丼にマイクを向けて感想を求めるなど、なかなかに訳がわからないムーブをかまして去っていった。しかし、茶番の中で放たれたイトウのラップが“ガチ”の腕前だったことはしっかりと付け加えておきたい。

そうして怒涛の9曲を大暴れしたあと、“偽アンコール”で最後に披露されたのは「祖父母の家行くとすたみな太郎くらいメシ出てくる」。先ほど登場した、らすてぃー、イトウリョウに加え、東亰浪漫・哀&奈落、Z CLEAR・AKIRA(初野曰く“AKIRAキュン”)までステージに引っ張り出され、収拾がつかない状態に。自由すぎる初野に、困惑の表情を隠せない哀とAKIRA。曲が終了した一瞬の静寂のあと「くっそ気まず……」とAKIRAが呟き、会場は大爆笑。気まずすぎる空気の中、5人をステージに残したまま幕が降りて強制終了となった。

なんとも言えない後味を残したまま終了した「バトルキマイラ」。こんなにも気まずいイベントは他にあるだろうか。ここまで書ききった筆者も、一体何を目撃したのか未だに頭の整理がついていない。
取材・文:Miyu
写真:ナカムラタクヤ
SET LIST
⚫︎東亰浪漫
1.星の筆舌
2.花曇
3.輪舞曲
4.月夜野
5.蟹工船
6.蜘蛛の糸〜祈り〜
7.黑の果実
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⚫︎Z CLEAR
1.JUNKIE
2.至大至剛
3.ぶちROCK
4.羨望の風
5.冷たい夏
6.夜露死苦ブギー
7.サイン
8.枯れない華
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⚫︎ティンカーベル初野
1.裸なのです
2.テデーベア〜小っちゃいィを言わないジジィとババァ〜
3.ノミーナ!〜水分を摂れジジィとババァ〜
4.かかりつけの医者〜 Listen To My Heart〜
5.私たちは絶対に絶対に席を譲ったりしない
6.喧嘩 feat.らすてぃー《w/らすてぃー、ギター中也》
7.皿が熱い feat.らすてぃー《w/らすてぃー》
8.システムがわからないジジィとババァ《w/イトウリョウ(misuji)》
9.あらゆる関節にサポーターをつけるジジィとババァ
10.祖父母の家行くとすたみな太郎くらいメシ出てくる
LIVE

バトルキマイラ~晩秋のCHAQLA.2DAYS編~
<DAY1>
2026年10月20日(火)大塚Hearts+
OPEN 18:00 / START 18:30
【出演】
CHAQLA. / DAMNED / DazzlingBAD
<DAY2>
2026年10月21日(水)大塚Hearts+
OPEN 18:00 / START 18:30
【出演】
CHAQLA. / Z CLEAR / 鮮血A子ちゃん
【チケット料金】
一般¥4,500(税込)
未成年¥500(税込)
一般発売中
http://eplus.jp/battlekhimaira/

バトルキマイラ~真冬のまみれた2DAYS編~
<DAY1>
2026年12月15日(火)大塚Hearts+
OPEN18:00 / START 18:30
【出演】
まみれた / 鮮血A子ちゃん / DAMNED
<DAY2>
2026年12月16日(水)大塚Hearts+
OPEN18:00 / START 18:30
【出演】
まみれた / Z CLEAR / おいでよ!幽霊ズ
【チケット料金】
一般¥4,500(税込)
未成年¥500(税込)
一般発売中
http://eplus.jp/battlekhimaira/

VISUNAVI Japan presents 三種の仁義
2026年10月23日(金)大塚Hearts+
OPEN19:00 / START19:30
【出演】
aie / 唯 / ティンカーベル初野
【チケット料金】
前方指定席¥7,500 (ウェルカムドリンク&ウェルカムポップコーンつき)
一般¥5,000
2次先行抽選期間
9月5日(土)12:00〜9月10日(木)23:59
一般発売
9月26日(土)10:00~
http://eplus.jp/visunavi/
関連リンク
◆ティンカーベル初野 Official X https://x.com/josinohimitsu
◆東亰浪漫 Official X https://x.com/tohkeiroman
◆Z CLEAR Official X https://x.com/ZCLEAR_OFFICIAL



