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【 YUKI × YUKKE 】対談実現!────時を超えて実現したRaphaelとMUCCの邂逅。YUKI「4月12日はRaphaelのYUKIとしてステージに立とうと思います。」YUKKE「輸血子さんもノートとペンを置きたいでしょうね、この日は。」
RaphaelのYUKIとしてステージに立とうと思います。
────今回YUKIさんの中でセットリストについてもプランがあるんですよね。
YUKI:そうですね。輸血子さんと電話させてもらった時にも話したんだけど、Raphaelの楽曲を主体にっていうのが一番わかりやすいんだろうなとは思ってます。だから櫻井有紀というよりはRaphaelなんだってわかる名義でエントリーしようかなと。そこが中途半端なっちゃうと、イベント自体のコンセプトが崩れると思うので。RaphaelのYUKIとしてステージに立とうと思います。
YUKKE:素晴らしいです。
YUKI;それぐらいしないと、このVISUNAVI Japanリニューアルの3DAYSイベントに自分だけが世代を超えてお招きいただいた意図が伝わらないんじゃないかなって。オファーをいただいたからには誠心誠意お応えしたいので、そこは期待していて下さい。
────見逃せない貴重な機会だと思います。
YUKI:池袋EDGEの楽屋の導線上、何回もすれ違うからその度に「お疲れ様です!」みたいなのあるけど、若い人たちは気をつかわないでほしいです(笑)
────“若い”で言うと20代でZeppやリキッドルームに挑戦してるんですけど、Raphaelって当時高校生なのに上り詰めたじゃないですか。
YUKI:そうですね。18歳で武道館やらせてもらいました。
YUKKE:だから同世代な感じしないの。MUCCが武道館に立ったのは25,6歳とかだもん。
────今の時代からするとMUCCも早すぎるんですけど、高校生で武道館に立つっていうそのスピード感とか感覚ってどういうものなんです。
YUKI:自分たちでは抗えないうねりは正直感じてました。神輿ですよね。ただ担いでもらってるだけで、その行き先はもう自分ではコントロールできない。言い方はアレですけど、どんどん結果がついてきていた分、後に引くことも出来なかった。だから怖さの方が大きかったですけどね。
YUKKE:結成して2年ぐらいで武道館ってことだもんね。
YUKI:そう。80本目のステージが武道館だった。
YUKKE:超すごいことなんだけど、そう考えるとわからない事とかもまだ沢山あったんだろうなって。
YUKI:うん。だからその武道館一発で急転落してくっていうか。上り詰めるスピードだけ見て、Raphaelは他に例をみないって今でも評価をいただくけど、その後の崩落していく速度も忘れられないかな、うん。
YUKKE:儚さはあった。でも、人を惹きつける力とか魅力ってすごくて、そこに若さもあったんだろうな。クラシカルなものにメタルのリフが入る曲なんて当時のV系界隈にはまだあまりなかったし。あとRaphaelって正統派で硬派って思われがちだけど、メンバーがすっごいふざけるのよ。そのギャップもたまらないというか。ふざけ方が半端ないんですよ。曲が良くてヴォーカルが圧倒的で、コテ系の白塗りの衣装とかでコンセプチュアルなのにメンバーはお尻出したりするし(笑)そんなの最強じゃんって。
YUKI:確かに若いよね(笑)そういう意味ではヴィジュアル系の異端だったのかも。
────今のMUCCにもそのユーモア性はありますけどね。お尻こそ出さないものの。年末の国際フォーラムなんてアニバーサリーツアーのファイナルだったのに、リーダーはリフォーム詐欺業者の撃退方法みたいなMCをずっとしてて(笑)
YUKKE:そういうところは似てるかもね(笑)
────自然体と言いますか。ちなみに2006年6月6日のMUCCの初武道館の頃っていうのはやっとたどり着いたっていう感じでしたか。
YUKKE:いや、そこが目標で駆け上がっていくぜ!っていう感じでもなく堅実にステップアップをしていったつもりだったから逆に実感なかったかな。夢の場所まで来たぜっていう感覚もそんなにないまま当日迎えた感じがしてますね。MUCCも今のバンドと比べたら早く武道館に辿り着けたのかも知れないけど、80本目のライヴで辿り着くすごさと…怖さは俺には想像つかないな。
YUKI:うん。夢が叶うというよりは、欲しいものが全然手に入らない感覚だった。なのに、周りにどんどんどんどん「願いを叶えて信ぜよう」みたいな人たちが集まってくるから、だんだん歪みが生まれていきましたね。
────普通の高校生は学校通って部活やって、将来のこととかを悩んでいる多感な時期ですし。名声が重圧となって襲ってくるのはプレッシャーですよね。
YUKI:だから崩れ始めたら、もう修正できないですよね。リカバリーができない。「こんなはずじゃない」の繰り返しになっていくから、失うものの方が多かったと思いますよ。代償がすごかった。最速で武道館に辿り着くってきっと知らずのうちに色々なものを捨てていかなくてはいけないことだったんでしょうね。片道切符だったのかなって今だと思います。ただ、自分たちで決めたわけではないから…あんまり好きな言葉じゃないですけどいわゆる“大人たち”ってやつですか?に振り回されてしまった。もちろん武道館っていう舞台に立たせてもらえたっていうのは、もちろん自分にとっても誇りなんです。けれど、80本しかライヴを経験してないから、目の前にいる10,000人の観衆を回せないんですよ。
YUKKE:うん。
YUKI:今でもうなされて起きることがあります。あの武道館のステージの上で失敗してしまったいくつかのシーンがずっと目に焼き付いていて。トラウマってほどではないですけどね。悔しさが残ってるんです。
────今を生きるバンドや若者に想像させるのは酷な反面、着実に歩むことを疑わなくていい勇気としても捉えてほしいところです。
YUKI:そうそう。なので、本当にその楽しみでしょうがないんですよね。イベントに呼んでいただけることとか。多分、何かしら今からグイグイ大きい規模を目指していく人たちの何かの役には立つとは思うので。
YUKKE:うん。ちなみにこの前配信番組で歌わせてもらったんですよ。「夢より素敵な」を。
YUKI:えー、そうなの?どうもありがとう。
YUKKE:フリをやったら“この動きやってくれた!”っていうコメントがたくさん来て、だからMUCCのファンも好きな人多いから是非来てほしいですよ4月12日は。
YUKI:じゃあ12日も是非やらせてもらいます。
YUKKE:やったー。今遠回しの“振り”だったんだよ。
YUKI:察しました(笑)
────当日は輸血子さんも楽しめそうですね(笑)
YUKKE:輸血子さんも仕事じゃなかったらノートとペンを置きたいでしょうね、この日は。