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【ヤミテラ・RiNa(Vo)】◆独占インタビュー◆バンド史上最大キャパ、4月2日Zepp SHINJUKUへ──。「限界値や目標値に向き合わないと結局終わっちゃう気がする」
────1年くらい前のことがまだ忘れられないんですよ。コロナ禍が明けだして、いわゆる声出し解禁になった日のヤミテラのライヴが。渋谷近未来会館での3マンだった思うんですけど、溜め込んだものの爆発だけじゃなくて説得力も凄まじくて。
RiNa:ありがとうございます。それずっと言ってくれますよね(笑)
────それまでもヤミテラのライヴは観てましたけど、「あ、こんなアツいバンドだったんだ」っていう驚きもあり。「〇〇っぽい」って形容しにくいんですよ。ヤミテラって誤解されてる気がするんですよ。
RiNa:ああ(笑)そうですね。
────なんかメンバーみんなかっこいいし、涼しげだし。ただ解りやすくはないじゃないですか。でも本当にライヴには芯があって…
RiNa:ありがとうございます。でも、あるっすね。まあ僕らだけに限った話じゃないと思いますけど、偏見と言うか…なんでしょうね。でも、理由は何となくわかってるんですよ。今のバンドってライヴ後に撮影会とかあるじゃないですか。
────はい。
RiNa:僕らも割とそういうのやっているので、一時代のヴィジュアル系を築いた方からしたら“チャラい”とかそういうイメージがあると思うんですよ。例えば、お客さんを入れたいからワンマンを当日無料にするとか、無料のイベントを打つとかっていうのも安売りだとか言われがちじゃないですか?バンドマンは手が届かない存在であるべきだ的な。
────うん、考え方としては根強いと思います。事実として。
RiNa:今のバンドってどっちかというとそういう声をあんまり気にしないでやるから、それから派生して、適当にライヴやってとりあえず撮影会で金稼いでチェキだけ売ってるんでしょ?って誤解されているのが、俺がバンドで活動してて感じる雰囲気なんですよ。
▲RiNa(Vo)
────チェキを売るか売らないか、撮影会をするしない問題はお客さんが思っている以上にそれぞれのバンドにとって大きな決断になっている気がします。この時代においては。コロナ以降ライヴハウスから人が遠ざかった現在は活動継続の収入源としても。
RiNa:でもライヴも音楽もちゃんとやってて撮影会するのなんて別に変なことじゃないと思うんですよ。かと言って「俺たちの音楽は違うぜ!」とかSNSで発信するのも俺あんまり好きじゃなくて。ライヴハウスという場所でだったら嘘偽りない純度100%の自分の感情を目の前の人に届けられるんで。それでいいやって割り切ってるところはありますよ、正直。
────音楽以外の収入源があることに対するアレルギーは根強いですよね。でも、信念があればどっちでもいいと思うんですよ。信念があって撮影会するのも、信念を以って撮影会をしないのも。ただ、そんな中ヤミテラとしては昨年9月の渋谷クアトロ公演は不退転の決意でもありましたよね。
RiNa:そうですね。MCとかはその場で感じたことを言葉にしているんだけど、あの日はこう…ずっと思っていたものが口から出たというか。もうちょっとこのヤミテラってバンドを続けたいなってそう思った、そういう景色だったんですよ。事前に考えてたわけではない分ファンにはもっとわかりやすく伝えてあげたっかったです。
不退転の決意 LIVE MC ~渋谷QUATTRO
────ただ心の中ではずっと考えていたことだった。
RiNa:うん。嘘をつきたくないというか…なんだろうな。すごい寂しい…誤解される言い方、をしてしまうかもしれないんですけど、エンターテインメントもライヴも全部嘘なんですよ。映画とか全部嘘じゃないですか?実際にはあり得ない世界を描いていて、でもみんなそれを楽しんでいる。でも、それをわかったうえで気持ちを言葉にしている感じですかね。伝わってくれたらいいなって。
────バンドに賭ける想いが強固にあるし、ヤミテラへの誇りもある。クールに見えるバンドなんですけど。
RiNa:まあ、そう見えますよね。別にそれが悪いとは思わないですけど。
────ロックスピリットにクールなヴィジュアルイメージを掛け合わせたことによる副産物でもあると思うんですけど、そもそもRiNaさんはどうしてヴィジュアル系をやろうと思ったんですか?アティチュードだけで言ったらこのジャンルじゃないところにも収まりそうですけど。
RiNa:あ、そこはすごいシンプルなんですよ。うちのメンバーはみんなヴィジュアル系が学生時代から好きだったからです。ただ、始めるとなると難易度が高いジャンルですよね。楽器を覚えるだけでも大変なのに、メイクなんてしたことないし。軽音楽部にヴィジュアル系っぽい人もいなかったですから。ただ、ライヴハウスに足を運ぶとヴィジュアルはすごい盛り上がってたんですよ。僕は普通のロックバンドもやってたけど、そういう華やかさに刺激を受けて憧れてヴィジュアル系バンドを始めました。
────ヴィジュアル系になる前の音楽性ってどんな系統だったんですか?
RiNa:メロコアやミクスチャーもやってました。あと、僕ヴォーカルはヤミテラからなんですよ。他のメンバーもストレートなロックからアニソンっぽい音楽もやっていたと思います。Acid Black Cherryさんのようにキャッチ―なものを意識してました。あとはthe GazettEとかアリス九號.やViViDは一通り聴いてましたね。