SPECIAL
特集
【KAKURIYO PANDA.】◆独占インタビュー◆アンティック-珈琲店-のベーシスト=カノンのソロプロジェクトというスタイルを脱却する意図とは────?
新体制として始動するKAKURIYO PANDA.。
アンティック-珈琲店-のベーシスト=カノンのソロプロジェクトというスタイルを脱却する意図とは?
4月27日池袋RED Zone ANERISで開催される始動公演「存在のうつろう」は瞬く間にソールドアウト。期待値の高さを見せつける一方で、メンバーは実績のあるギタリストSANに加え、ヴォーカルには新人の半田一朗が名を連ねることとなり、謎を深めている。
“カノン”…ではなく、“さの。”がこの「バンド」で描くこれからと、3人のこれまでについても語ってもらった。
さの。単独インタビューはコチラ
https://www.visunavi.com/special/2024-03-28/4769/
名前も変えて、同じ作者による新しい作品が始まるイメージなんですよ。
────新生KAKURIYO PANDA.の成り立ちを伺っていこう…と言うわけで、まずは自己紹介からお願いします!
SAN:ギターのSANです。もともとは大阪のUNDER CODEというレーベルでKISAKIさんのもとで、ネガっていうバンドをやってました。僕は途中加入だったんですけど、大体7年ぐらい活動してました。そこで事務所解体と同時にバンドも一緒に解散してしまったんですけど、そこから1年ぐらい大阪で過ごしてたところ、東京に行くきっかけになったことがあったんです。それがUNDER CODEの先輩のラメさんがやっていたBlack Gene For the Next Sceneっていうバンドから声がかかったことで。実はその時メンタル的に結構傷ついてた辛い時期で…
さの。・半田:(笑)
SAN:実家帰ろうかなぐらいの感じだったんですけど、どこかでやり直そうと思っていて、それでラメさんを信じて、荷物を軽自動車に全部積んで東京に出てきました。
さの。:ここにいるのはラメさんのお陰だ。
SAN:本当にそうです。Black Gene For the Next Scene自体は所属していたのは1年ぐらいなんですけど、日本中を廻って、1年とは思えないぐらい濃い活動させていただきました。その時にサポートドラムをしていたS1TK(現Ashmaze.)との出会いがあったりで、次にラッコを結成したり…という紆余曲折あるんですよ(笑)
────SANさんほどのキャリアがある方はさの。さんにとってもかなり心強かったでしょうね。
さの。:ラッコは解散してしまったんですけど、共通の知人を通してSANちゃんの存在はもともと知っていたし、人柄も良いし…正直、人柄重視で選びました(笑)
────それまでさの。さんとSANさんとお2人は友人関係であった。
SAN:もともとすごい友人っていう感じではなくて、関係を取り持ってくれた方とかそこのグループ的なところでご飯とか行ったりして仲良くなりました。
さの。:鍋パーティーとかね。青春でした(笑)
▲さの。(Ba)
SAN:最初はKAKURIYO PANDA.のお披露目的な感覚で数曲やるからよろしくって言うぐらいだったんですけど、そこからギターの方もレコーディングお願いしますって言われて、より音楽的にも絡んでいけたなという流れです。
────さの。さんから見てSANさんと音楽的に絡んでみて、かつての活動の印象と変わった部分とかってありました?
さの。:あー、でも実際にサポートで弾いてもらう時はわかんなかったですけど、勿論うまいなとは思ったんですけど、その後に楽曲でギター弾いてもらうことになって、結構、僕は丸投げするタイプなんですけど、曲の濃度が1000倍ぐらいになって僕のイメージを超えたんです。こういうふうになったらいいなぁっていうレベルはあったんですけど、その上を行くギターアレンジだったりとか、すごいセンスが良くてこの子は絶対離さないでおこうと。
SAN:(笑)
────アレンジを丸投げするって性格もあると思うんですけど、ある程度の信頼関係がないと怖いですよね、本来は。
さの。:確かにそうですね。最初はテスト的に“このアイデアを投げたらどう返してくるのかな”って試してる感じもありましたかね。ただ、僕は科学反応的なものが好きで、予想外に生まれたものを基本的に楽しめるんで、絶対僕の思い描いた世界観で作ってくださいっていうよりは、僕が作ったものに対してどういう答えが返ってくるんだろうみたいなところが大事。だからSANちゃんのギターで答えが来るまではどっちでも良かったっちゃ良かった。自分的にすごい微妙なのが来たら来たで“あーなるほど、こういう子か”って思うだけです。
SAN:曲によってガッツリ打ち込みで作り込んだものとか、自分の引き出しではないものが結構入ってたりしたのでその辺りを鑑みて、今度からこういうテイストも入れようかな?みたいなアプローチもしました。もしかしてこういうのを求めてるのかな?とか。作品を追うごとに理解が深まっていきました。速弾きとか嫌いなんだろうと思ってたけど、意外と入れてたりするので、日々ジャッジの境界や許容範囲が分かってくるのは刺激的ですね。
────さの。さんの音楽性的に今回KAKURIYO PANDA.も、今時の方が聞くとボカロ的なエッセンスもあると思うんですけども、SANさんにとっては未知の領域でしたか?
▲SAN(Gt)
SAN:ステージに立って弾くとか、そういうことは全然なかったジャンルですね。でも好きです。昔のバンドでやっていた音楽は結構ヘヴィ寄りのゴリゴリな感じだったんですけど。聴く音楽っていうと、そういうボカロミュージックとか、あとは邦ロックともがすごい好きで、歪んでないギターは好みだったんで、そういうものを今回からメンバーとして表現できるっていうのはすごい嬉しいです。
────さの。さん的にはこの音楽性って言うのはもともとアンティック-珈琲店-でも取り入れたかったものなんでしょうか?
さの。:デモ段階では割とチャレンジしている要素ではありましたね。アンティック-珈琲店-ってすごい大きい存在だったので、その活動においてはちょっと違うかなって思いはしつつ、自分の引き出しにはずっとあった音楽です。
────決してアンティック-珈琲店-の音楽性がどうのということではなくて、もう一個別の発信する場所としてKAKURIYO PANDA.が必要だった。
さの。:そうですね。本当にあの、「ドクタースランプ」、「ドラゴンボール」みたいなことです。
────別の作品だけど作者は同じ。
さの。:構造としてはそういうことです。僕の中でアンティック-珈琲店-は一つの人気作品として確立したものではあるので、だからこそ名前も変えて、同じ作者による新しい作品が始まるイメージなんですよ。作品として見せたいものは全く別なのかな。
────決していわゆる“カフェっ仔”と言われるファンの方を閉ざしているわけではなく。
さの。:もちろん!だから前作の方が良いよねって人がいて全然良いし、おおっ!新連載おもしれー!って人もいると嬉しい。