【唯(umbrella)】4月24日にソロ5th MiNi ALBUM『【独楽-dokugaku-】』リリース!全曲解説と今後の活動スタンスを明かした12000字特大ボリュームインタビュー ────「バンドスタイルでいくことも活動する名義も決まっている」

umbrellaのVo&Gtである唯のソロ作『【独楽-dokugaku-】』が4月24日にリリースされる。
毎年、父親の命日に合わせて、弔いと感謝を込めて作品を制作してきた唯。
その作風はよりパーソナライズされたもので、umbrella以上に彼の心根に触れるものとなっている。アートワークへのこだわりや、入江弥彦による歌詞を再解釈した短編小説の存在も唯ソロのオリジナリティに欠かせないものだ。
そんなトータルワークで臨む一作だが、今作においても新たな試みもあったとのことだ。
その理由とは?唯が見定める未来への青写真について、想いを語ってもらった。
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今回のアルバムはオルタナと同時に、バンド感を意識したものになってる
────唯さんのソロアルバムが出る季節が今年もやってきました。最新作『【独楽-dokugaku-】』についても伺っていきたいんですけど、umbrellaも先日の東京と大阪のワンマンが大盛況でしたね。かなり手応えあるんじゃないですか?
唯 いやー、嬉しかったですね。山内さんが一番最初にお客さんの入り状況を教えてくれたところで、気合入りましたよ。楽屋来た瞬間に握手してきて「マジで超満員っすよ!やったっすね」みたいな(笑)。やっぱりこう……グッとくるんすよね。仲間が一番喜んでくれるのは。
────ここまで16年間かけて積み上げてきたものが、一気に花開いてる感がありますよね。ライヴ自体はどうでした?
唯 初めての方も多く来てくれた印象はありますね。heidi.のコースケはんが事前の配信で、heidi.のお客さん…ハイザーって言うんですけど、「ハイザーが来るみたいだから、よろしくね」みたいに言ってくれてたりして。heidi.ともツーマンツアーを周ったりしたし、そういう仲間の応援もとっても力になりました。ステージに出ていった瞬間の歓声もかつてないレベルで。会場がいっぱいやったっていうのも結果としては残るけど、僕はなにより心がいっぱいになった。頑張ってきて良かったとは思いますよね。ずっと応援してくれてる人にもいい景色を見せてあげられることが増えてるのかなって。
────そして6月23日にはBIG CATで開催する「路地裏サーチライト」も発表されて。
唯 毎年出てくださってるメリー、今回初めて出演してくれるザアザア、そして有村竜太朗さんですからね。今年もえらいことになるやろうなって思います。
────今年も楽しみです。そして唯さんとしてはソロのミニアルバム『【独楽-dokugaku-】』が4月24日にリリースされます。今回もジャケットは花がモチーフですね。
唯 母親が花が好きなんですよ。毎年、部屋に飾っても美しいものにしようと思って花をモチーフにしてます。リリース日は父親の命日なんですけど、ちゃんと親孝行を続けたいなって気持ちですね。意地で作り続けてるところもある。
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https://www.visunavi.com/special/2025-05-12/30668/
────昨年リリースした『【『唯言』】』のときもそんなお話がありました。お父様への想いも込めて制作されていると思うんですが、一方でお母様はどんな方なんですか?
唯 すごい節約家で、昔はドケチな人やなって思ってました(笑)。贅沢をしないし僕がだらしない生活を送ってると、実家帰ったときに今でも口うるさく注意されます。食生活ちゃんとしてとか、外食するなとか、足が出てたら靴下もっと長いの履けとか(笑)。もうずっと。過保護で子離れができてないんでしょうね。
────母親ってそういうもんなんだなって大人になってわかりますよね。子どもの頃は過保護なのが腹立たしいもんだったけど、何歳になっても“親と子”なんだっていうのは長く生きないと理解できないところでもあります。
唯 やっぱそんなもんなんですかね?僕の親、結構ドギツイんやとは思ってたんですけど。どうなんやろう。
────共感することは多いですよ。
唯 あ、それが普通なら良かった。会う機会はめっきり減ったけど、この前もソロのワンマンにふらっと遊びにきて、いただいた花を喜んで全部持ち帰ってましたね。音楽で生きていくことを認めてもらうまで時間がかかったので、活動している姿で安心してもらえたらなとは思います。
────昨年は『【『唯言』】』ということで、“遺言”を想起させるタイトルでしたが、今回は『【独楽-dokugaku-】』。
唯 これまでも、漢字二文字で簡潔なタイトルにしていたので、そこは変わらず。独りで奏でる音楽で“独楽”って意味もあるし、“独学”で作り上げた音楽っていう意味も持たせてます。良いタイトルに落ち着きましたね。ただ、これ後から気がついたんですけど“独楽”って“コマ”とも読むんですよ。子どもの頃に遊んでた、あのコマ。
────“コマ回し”の?今どきの人にはベイブレードとかの方が親しみあるんでしょうか。
唯 そうそう。“独楽”って書いて“コマ”って読むし、意味もその通りなんですよ。だから、自分が考えた造語だと思っていたものが、もともとあったんですよね。それであえてアルファベットで読み仮名をふってるところでもあるんですけど、コマってひとりでに回っていくものだし、いつか勝手に止まる。そう考えたら、それも今の自分らしいなとは妙に納得してますね。ある種ダブルミーニングというか。
────前作からの繋がりは意識しましたか?
唯 『【『唯言』】』は、自分が死んだときに残しても大丈夫なものってことで、表題曲の「Hello. Lonely World」でも、自分に残された命の短さを感じながらも走っていくんだっていう意志表明をしたんです。もっと自由に自分が好きなオルタナを鳴らすことが、その意志表明に続くと思って。だから、変なものに捉われず自分が好きなものを自然体で全部収録した感じになってます。
────歌詞カードに掲載されている短編小説も今回も読みごたえがすごかったです。これまでの作品とのリンクも感じられる構成が実にニクいなと思わされました。今作についても1曲ずつ振り返っていければと思うんですけど、最初が「elegy」。オープニングっぽい曲ですよね。
唯 そうですね。完全にオープニング曲。今まで作った楽曲の歌詞とかキーワードが「elegy」の歌詞に入ってるんですよ。総まとめみたいな曲になったんで、1曲目にした方が良いかなと思って必然的にこの位置になりました。
────前作、『【『唯言』】』は各曲に花のモチーフが歌詞に散りばめられていて。それが何の花かっていうことを想像しながら聴くと、曲の色が変わってくるカラクリもあったと思うんです。今回「elegy」でそういうアプローチをしようと思ったのはどうしてですか?
唯 「elegy」で歌詞を書いてるとき、自分がすごく悩んでたんです。でも、悩んだ結果、嫌いやった自分にさようならって戻る曲になった。いろいろな歌詞を曲の中に全部突っ込んでいって、一つにしてやろうっていう意味で作ったんです。
────オープニングなのに、総まとめのクロージング感が「elegy」にはあります。余談ですけど、メリーの『The Last Scene』も「endroll」始まりでしたしね。
唯 あれ、かっこいいですよね。やっぱりドラマチックというか。PIERROTでいうと、メジャー1stアルバムが『FINALE』みたいなね。「elegy」っていう別れの曲から始まることで、アルバムのムードがグッと締まるものになってると思う。まぁ、それはこのあと出てくる曲たちが出揃った結果みたいなところもあるんですけど。『【独楽-dokugaku-】』に関しては、作り終えてから気がつくことが多かったかもしれない。
────ファルセットのインパクトがかなり強くて、その点でも攻めた曲でもあります。
唯 ソロアルバムを出すにあたって、毎回、それまでと違うアプローチをしてみよう思ってて。「elegy」は初めて7弦ギターと5弦ベースを使った曲なんですよ。ちょっと振り幅と言うか、余白が欲しかったんです。
────でも、決して音像はメタリックじゃないですよね。ダイナミックではあるけど。
唯 変則チューニングもしてるんですよ、実は。7弦ギターやけど、初っ端からみんなが弾けるようなチューニングじゃないんです。それでオルタナをやろうって決めてから、シューゲとオルタナがミックスされた曲になった。コードが低い方にいくから、逆にファルセットで歌ってみようって思ったんです。
────ギターの最初のメインのフレーズがリズムのワイルドさと妙な違和感があって、これが癖になりますよね。
唯 そうでしょう?メロディー入った瞬間、高い方いくんや!ってならないですか?
────なりますね。そこは狙いどおりだったんですね。
唯 そうそう、そこは来たな!と思って。狙い通りですね。ファルセットとウィスパーだけを使って、このヘヴィな重い曲を唯一無二にしたかったんです。
────ファルセットとウィスパーは唯さんソロのキーになる部分ですよね。
唯 さすが。ソロではそこ意識して作っているのはありますね。
────続いて「ダイアグラム」。線図ですね。
唯 正式には“ダイヤグラム”なんですけど、電車とかもよくダイヤ乱れるって言うじゃないですか?それがなんか人間と似てるなと思って着想した曲。って言いつつ、僕はほとんど電車には乗らないんですけど(笑)。ひとつの乱れが他の乱れを誘発して、どんどん本来の形からずれていくような感覚。最終的には、部屋で落ち着いてリセットしようぜ、みたいな曲になってます。
────そこがフックというか。人間って余裕ないとき、今のことしか考えられないけど、「明日の朝コーヒーを飲もう」っていうのがポイントですよね。
唯 だから「私らしくあるために」なんですよ。私らしくないけど、それすら私らしくあるために、頑張っていこうぜって伝えたい。より自分をブラッシュアップしていこうって意味も込めて明るい感じに作りました。
────実体験も交えてるんですか?
唯 ソロで東京行ったときに、電車が遅れてて。それってすごい些細なことなのに、精神的に追い詰められた感覚があったんですよ。その帰りにメロディーが浮かんだから、そのまま使ってみようかなっていう。自分のためにも作ろうと思った曲ですね。
────めっちゃ開けた曲ですよね。構成もシンプルで。
唯 心が乱れたとかそういうイメージを曲に表してしまうと、意味合い的に変わってくるなぁと思って。ストレートに自分らしくっていうのを考えたら、むしろ展開も極力シンプルになりました。個人的には、メロコアにオルタナを突っ込んだらどうなるんやろって実験でもある。得意のシューゲもフレーバー感覚で香らせて。それがハイブリッドな手触りになったんじゃないかな。
────どこか少女性があるといいますか。
唯 強い言葉使いをしていないことと、ソロならではの歌唱がそう感じさせるのかもしれない。今は中性的な曲っていうことを意識してない人がちょっと多いのかもね。
────“ですます調”であったり、言葉が繊細ですよね。
唯 そう。だから“俺”って歌であんまり使わないんですよ。“私”とかはあるけど。
────この曲もベースの主張がめちゃくちゃ激しい曲になってます。
唯 僕ね、ベースにめっちゃこだわるんですよ。この際、言ってもいいと思うんですけど、今後ソロでもサポートメンバーを集めてバンド形式でライヴすることを視野に入れてるんです。そうなったときのバンド感をイメージしてベースソロをいれてるところもある。今回のアルバムはオルタナと同時に、バンド感を意識したものになってるんです。
────いや、そうなんですよ。正直、「elegy」の時点からその構想を感じざるを得なかったんです。
唯 バレてたんや(笑)。
────きっとそうなんだろうな、とは。
唯 もうそこは別に隠すつもりもないです。やっぱりソロっていうのは独りであることも大事なんですけど、その限界もあるし、今作はバンドスタイルでプレイすることを前提に作ってますね。もうサポートメンバーにも曲は聴いてもらってますし。
────そこまで話しちゃって大丈夫なんですか?
唯 まだいつやるとかも言ってないのに「覚えときます」って言われたんで(笑)。やる気は満々らしいです。絶対、この人とやるやろうなってわかるぐらい、音楽性がそっくりです、僕と。
────なんとなく何人か顔が浮かびますね。
唯 でしょ?まぁほぼ想像どおりだと思いますよ。期待してもらって間違いないでしょうね。



