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【唯(umbrella)】4月24日にソロ5th MiNi ALBUM『【独楽-dokugaku-】』リリース!全曲解説と今後の活動スタンスを明かした12000字特大ボリュームインタビュー ────「バンドスタイルでいくことも活動する名義も決まっている」


もう音楽しかない



────日常生活に根付いた恐怖感は今作全体的に感じているんですが、続いては「ミミック」。ドラクエ世代なんであの宝箱に扮したモンスターのミミックが浮かんでしまいました。

 そのミミックで合ってます。

────ミミックは宝箱に化けていて、それを開けようとした主人公を襲うトラップ的なモンスターです。

 僕はこの“ミミック”を、引きこもり気味やったかつての自分と照らし合わせて曲にしたんですよ。ちょうど今、ドラクエをやってるんですけど(笑)。ミミックってかわいそうじゃないですか?僕、昔からずっとミミックって寂しいやつやなぁと思ってて。ドラクエのダンジョンにはたくさんのモンスターがいるけど、ミミックって箱の中でずっと待ち続けてるんですよ。

────主人公が開けてくれるのを。

 そう、見つけてくれないと攻撃できないんですよ。しかも気がつかれなかったら、ストーリーに登場することもできない。僕って、マジでミミックと一緒やなと思ったんです。子どもの頃は引きこもりがちやったし、誰かから誘われないといけへんタイプでしたからね。この曲が自分的には一番悲しい曲。宝箱の鍵穴のから外の世界をずっと見てるだけなんですよ。

────外に世界がある。

 外に世界があるけど、ミミックは自分から開けたらダメじゃないですか。そんななかで、自分はずっと独りだと気がついて悲しくて泣けてくる。だから、「見付けてくれたらいいな」っていう、祈りの歌詞が最後にある。

────深読みしてたんですけど、そういうことなんですね。

 この曲、泣きそうになるんですよ。サビの「私達は見えない」というのは、これはミミックじゃなくて他の人のことなんです。「私達は見えない」…だから「心の奥埋める様に」って書いてるんですけど、ミミックの心なんて気づいてないから見ようがないじゃないですか。私を知ってくださいって引きこもりみたいな僕が言っても、僕のこと知らない人は他のとこで遊んでるんですよ。ミミックというモチーフを通して、僕から見た世界とあっちから見た世界の乖離っていうのを考えて作った曲ですね。

────なんかこの歌詞に救いがあるとしたら、今おっしゃってた「私たちは見えない」の「たち」だったと思うんですよ。

 人のせいにしてるわけじゃないし、誰が悪いとかではなく、出会わないとわからない。出会わないとわからない以上、あなたのその気持ちも伝わらない。言わないと伝わらない。どこにも答えがない世界があるよなって気持ちです。

────虚無ですね。

 もうどうしようもない世界なんですよ。

────なんでこの曲を作ろうと思ったんですか?

 僕、孤立しちゃうタイプで、人の心の本音の一つ手前で関わってる感じがするんですよ、いまだに。にぎやかな場所も苦手だし。でも、僕の離れたときの気持ちって、みんなには伝わってない。むしろ誰も気がついてないんです。でも気づかない人が悪いわけじゃないし、どっちも悪くないよっていうことを前提で作った歌詞です。めっちゃ悲しいな。

────最後の曲が「おねがい」になるんですけど、もうこれはTHE・唯ですね。

 これも今の自分の状態です。恥ずかしいけど、歌詞作れば作るほど泣けてきて。珍しく泣きながら書いたんですよ。歌詞作りながら歌うんですけど、歌えんくなりました。

────アルバムの締めくくりとして、どんな曲にしようってイメージでした?

 別に大人しい曲で終わろうとは思ってはなかったんですけど、アルバムの最後の曲って一番パーソナルな歌詞を書きたくなるんです。今回は特に『【独楽-dokugaku-】』ってことで“遺言”ではなく、もっともっとナチュラルにパーソナルな自分を伝えなあかんと思った結果、すごくストレートな曲ができました。意図的にこういう曲を作ろうって思っても作れないんですよね。偶然出てきたのもあるんですけど、心境がリンクして勝手に曲ができたのかもしれんし、わかんないです。

────この歌詞の具体的な部分については、お客さんも作品を手に取って歌詞カードを読むのがいいのかなとは思うんです。「おねがい」はいつぐらいの時期に作り始めて完成した曲ですか?

 2月8日とかやったかな?締切ギリギリにできた曲ですね。ゼロから作った曲です。

────通して聴くと、この曲のために他の曲が存在したような印象を受けます。

 歌詞も良いように書いてるけど、多分ほんまに“おねがい”なんやろうなって思ってます、自分のなかで。願いがあるんかな。ほんま今言われたとおり「おねがい」のためにできたアルバムかもしれませんね。

────泣きながら作ったっておっしゃってる通り、か細い、途切れそうな歌声であったり、優しいアコギの音色であったりとか、すごく繊細で。なんだか素肌に寄り添っていて、今作で極端なぐらい色濃いですよね、この曲は。

 あんまり言おうと思ってなかったですけど、実は長い付き合いの病気もしてるって前に言ったででしょ?

────はい。

 umbrellaを続けたいっていうのも美しい綺麗事ではあるけど、正直いつまでできるかわからへんわけですよ。だからといって音楽をやめて治療に専念することすらできないんで、僕。治療ができない病気だから。そうなるともう音楽しかない。だから、お願いだから、もうちょっとこの場所で音楽をやらせてよって本心を包み隠さず書いてます。「目眩を纏い歩く」って歌詞もそのままで、最近、ライヴ中でもずっと目眩がしてるんですよ。ずっと気が遠くなりそうになりながら歌ってて、いよいよ、いつどうなるかわからんなぁと思いながら、その恐怖と向き合ってる。まだ売れてない自分でも誇りをもって音楽やらなあかん。息があるうちは頑張って、お客さんの人生に力を与えたい。みんなのおかげで生きてるから。「君に出会えてまだ少し息がある」の「君」ってファンのことでもある一方で、特定の誰かのことじゃなくて、自分が追ってきた夢とか音楽のことでもあるんです。歌詞を書くのは自分の弱さとも直面する行為だったから、しんどかったですね、今回も。

────この歌詞だからこそ、最後にガッとバンドサウンドで背中を押してくれる。

 そうですね。最後は大オルタナですから。でも、精神的には超絶ヘヴィやと思う。唯以外の音楽でも構わないから、ファンのみんなに幸せになってほしいっていう“おねがい”も込めてるし。いつか唯っていう存在を忘れたとしても幸せでいてほしい。

────それが真の“おねがい”だと。最後の歌詞には反映されていない一言もあるんですよね。

 あれは歌ってる最中に自然と出たから。 そのまま使ってます。タイトルこそ『【独楽-dokugaku-】』だけど、今回も“遺言”に近いところはあるのかもしれないですね、振り返ってみると。

────いつ最後になるかなんてわからないからこそ、毎年"遺言"を残していく作業なのかな?ってこの「おねがい」を聴いてすごく思いました。

 去年出した『【『唯言』】』のときにマインドが変わったんでしょうね。僕が伝えたかったことはここにあるし、そのこと自体が腑に落ちたというか。そういう意味では“遺言”を更新していくのかもしれない。暗いアルバムではあるけど、今は聴いてくれた人に幸せになってほしいと思ってます。

────これまでと違って、唯ソロをバンド編成に転じる青写真もあるとのことですが、今後の展望も教えてください

 完全に音に向き合うライヴをしていきたいです。それこそスタンディングじゃなくて、オールシッティングとか。シアターとか劇場っぽいライヴを描いてます。それは一方のumbrellaが、もっと熱量の溢れる湧き上がるライヴを目指しているからでもあるんですけど。唯ソロはumbrellaと異なるスタイルだけど、umbrellaを脅かすぐらい精力的に活動するつもり。これまでのソロ曲もどんどんバンドサウンドで演奏する機会が増えるんじゃないかと思います。バンドスタイルでいくことも、活動する名義も決まっているし。

────気持ち的には新たなバンドが始動するぐらいのテンションなんですね。

 それぐらいのメンバーが集まると思うんで、おおいに今から期待していてほしいです。それを経て、umbrellaに自分が何を持ち帰れるのかも楽しみですね。

取材・文:山内 秀一


2026年4月24日(金)リリース



5th MiNi ALBUM

【独楽-dokugaku-】

<収録曲>

M1.elegy
M2.ダイアグラム
M3.干渉
M4.空想シティ
M5.medicine
M6.ミミック(独楽Mix)
M7.おねがい

※20Pブックレット仕様 (歌詞+各楽曲の短編小説)
4,400円(税込)+送料

https://rojiurado.wixsite.com/rojiurado

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