【SPLENDID GOD GIRAFFE】ライヴレポート◆<SPLENDID GOD GIRAFFE 3rd Anniversary Event Tour『新東京遊撃作戦 -3rd-』>開幕!認め合える仲間たちと共に繰り広げる最強の“遊撃”。

SPLENDID GOD GIRAFFE 3rd Anniversary Event Tour 『新東京遊撃作戦 -3rd-』
2025年5月29日 (木) SHIBUYA REX
[ACT]SPLENDID GOD GIRAFFE[sDr.遠海准司(己龍)] / FEST VAINQUEUR / マチルダ / 蛾と蝶 / ヤミテラ
◆ ◆ ◆
いよいよ開幕した、SPLENDID GOD GIRAFFEが主催するイベントツアー『新東京遊撃作戦-3rd-』。主催者であるSPLENDID GOD GIRAFFE(以下:SGG)には、初めてストリーミングライブを行った4月29日と、初めて有観客ライブを行った5月29日と2つの記念日がある。そこで、後者の記念日を起点として周年の折に開催されているのが、この『新東京遊撃作戦』というイベントツアーだ。
今回は全7公演に渡って行われ、参加バンドのラインナップはDOG inTheパラレルワールドオーケストラ、蛾と蝶、FEST VAINQUEUR、マチルダ、ヤミテラ、東京花嫁の計6バンド。出演バンドは公演ごとに組み合わせが異なるものの、公佑(SGG / Gt)曰くどのバンドも“交流やゆかりがあり、自分が一目置いているバンド”であって、一緒にやることに意味があるバンドと共に“遊撃”を繰り広げる旅の初日となった5月29日のSHIBUYA REX公演にはFEST VAINQUEUR、マチルダ 、蛾と蝶、ヤミテラが集結し、幸先の良いスタートをきった。
トップバッターのヤミテラは、RiNa(Vo)も言っていた通り“イベント自体の幕開け”を飾る重要な任務を担っていた。「仇花」から「前線敬礼歌」まで、ジャパニーズソウルを投影したヤミテラの王道に徹したメニューで真っ向勝負を挑む姿に、彼らなりの意気込みが表れていたように思う。中でも、発売されたばかりのアルバム「玉砕メーデー」収録の「わっしょい!!天界道中記」では、“わっしょい!”の掛け声や豪勢なサウンドメイクによって会場が一層おめでたい空気に包まれていた。全編通して、節々に現れるロックバンド然としたアプローチはヤミテラにとってなによりの武器であるが、それが自身のステージに華々しさをプラスする要因となっていたことは特筆すべきところ。まさしく幕開けを飾るという責任を十分に果してくれたと言える、あっぱれなアクトであった。
続いて、今回の『新東京遊撃作戦-3rd-』に全箇所出演するマチルダが登場。1曲目の「ストックホルム症候群」にて、時雨 環(Ba)は自身のラップパートで「SGGの主催ということは俺が主役みたいなもんだろう⁉︎」と“SGG愛”を堂々と爆発させていた。さすが、「バンドマンの中で一番好き」を豪語するだけある。しかも、人と人の繋がりをフィーチャーしたこの曲を初っ端に放ったところは、バンド全体でSGGとの関係性を歌っているようでもあり、なんともニクい。現在、自身のワンマンツアー中でもあり相変わらずのとんでもスケジュールを遂行中の彼らだが、自由度高き個性の権化とも言える視覚的アプローチと、マチルダ的ユーロビートとでもいうべき楽曲でフロアを沸かしながらダイナミックに喰らっていく様(さま)に、その日その場所にしかないライブという場でこそ引き立つマチルダの魅力を思い知らされることとなった。
そして、これまでSGGメンバーが迎える重要なタイミングにはいつも力を貸してくれた“彼ら”がいた――それが他でもない、FEST VAINQUEURだ。もちろん、この『新東京遊撃作戦』も皆勤賞である。そんな彼らだからこそ、この日用意していたのはHAL(Vo)の「ゆかりのある曲、持ってきたぞ!」の言葉通り、見事に“SGGに捧げる、SGGのためのセットリスト”だった。「宴~utage~」から圧巻のロックサウンドで会場の熱を一気に上昇させる彼らの代名詞的アプローチが冴えわたり、途中には「公佑がかっこいいって言ってくれた曲」と紹介し、楽器隊のメタルを思わせるプレイが光る「神風」も登場(ちなみに、公佑も客席後方でノリにノっていた)。ラストは、 “FESTのライブと言えば!”でおなじみの「現代的疑惑都市'DOUBT'」で、凄まじい音数とヘッドバンギングを巻き起こしながら最後まで一体感を帯びたパワフルなステージを見せつけていた。
トリ前というポジションで、まさしく“毒をもって毒を制す”というかの如くイベントの流れに刺激を与えたのが、蛾と蝶だ。バンド名が表す通り美醜の特性を持ち合わせている中で“蝶”サイドのアプローチもできたであろうが、彼らがこの場にチョイスしたのは“蛾”の方だったと言える。一貫して破壊力のあるライブを展開していたことが非常に印象的だったが、特に今回、蛾と蝶が出演するに至ったキーパーソンである楓(Gt)のギラつきといったらない。創真(Vo)もまた、当時とバンドは違うものの『新東京遊撃作戦』の1回目、SGGの始動時に同じステージに立っていたことを振り返り「俺、一番古参だから!」と話していたことからも意気込みはひとしおだったはず。初っ端に未だ音源でリリースのされていない「News」を据えながら、間に「雨宿り」で繊細な一面を覗かせるも、ラストは“だったら 今 死ね”というキラーフレーズを叫び合う「第八罪」。ひたすら“攻め”の姿勢を全うする攻撃性は見事で、もはやそこに彼らなりの美学すら感じられるほどだった。
いよいよ、真打ち登場というべきSPLENDID GOD GIRAFFEの出番に。ここまで出演バンドがそれぞれの形で彼らへ向けた愛や周年に対する祝いの気持ちをライブ空間に描きながら高めてきた熱を、主催者としてどう昇華するのか? その期待に対し、実際は想像を遥かに超えてきたというのが正直な感想だ。登場SEから続くように、ロングバラード「イカロス」からスタートしたステージが放っていた貫禄は、ある意味ここまでの流れに一線を画すような意図すら感じさせ、その様子は堂々と天翔ける“麒麟”を彷彿とさせるようでもあった。しかし、今のSGGにとってライブでの臨場感は大いなる武器となっていて、「ツアーの初日なので今日が大事。気合いの入った一発を作っていきましょう!」と秀人(Vo)が伝えたことで覇気を漲らせていくように、序盤はアルバム「Trinity」に収録の新曲「Crescendo World」「NIGHT OUT」を畳みかけ、さらにライブではキラーチューンぶりを発揮するパワーソングで駆け抜けていった。ラストを飾ったのは、「いつまで経ってもこの曲は俺らにとって始まりの曲です。ここからまた明日に向かって進んでいきますので、よろしくお願いします! より良い明日を一緒に見に行きましょう」と伝えて披露した「EVE」。こうして自身の大切な“節目”ともなる日に、また確かな功績を残していったのだった。
実はこの日、筆者はレポート要員で会場に足を運んだわけではなかった。純粋に最初から最後まで余すことなく楽しませていただいたのち、終演後に挨拶を交わした充実感に満ち溢れた様子の公佑と「すごくいい初日だった。いいイベントになりそうだ」という手応えが一致し、この様子を伝えたい・残したいというシンパシーを感じたことから筆を執ることになった。こういった経緯も含めて、今回の『新東京遊撃作戦-3rd-』がこれまで以上に高揚感を内包していることが伝われば幸いだ。
実際、手元に記録を残さずともここに記した一部始終が脳裏に焼きついているくらいには、充実感があったことは確か。そして、ライブから数日経った今でも鮮明思い出せるのは、ラストの大セッションで披露した「QILING'G ME」でのシーン。通常SGGがこの曲を披露する際にもラスサビでセンターにメンバーが集結するのだが、この日は出演者全員がグッと中央へ詰めかけ、皆に囲まれた真ん中でSGGの3人が感無量とも取れる笑顔を浮かべていたシーンは、無性に胸を打つハイライトだった。
“遊撃”という言葉について改めて辞書を引いてみると、<あらかじめ攻撃する目標を定めず、戦況に応じて敵の攻撃や味方の援護に回ること>とある。時にそれぞれのプライドをぶつけ合う場面がありながらも、共に1つのアクションを楽しむことや仲間の動向に力を貸すこともいとわない、読んで字のごとく素晴らしいイベントだということを痛感したとも言える。
今後は、早速6月7日の岡山公演から地方各地を回ることとなる。初日に出演がなかったDOG inTheパラレルワールドオーケストラと東京花嫁は途中合流組となるが、きっとこの先も各地でバンド同士の繋がりから生まれるドラマを見られるに違いない。そして間違いなく、今回の『新東京遊撃作戦』はただものではない……そんな期待を寄せつつ、最後は秀人の言葉で締めくくりたいと思う。
「おかげさまで、最高の3周年ツアーになりそうです。オマエらも全員で“遊撃”していこうぜ! 楽しいツアーにしよう!」────秀人

Report:平井綾子
SET LIST
-ヤミテラ-
1.仇花
2.くだらね世界
3.FLOW BACK
4.わっしょい!!天界道中記
5.前線敬礼歌
-マチルダ-
1.ストックホルム症候群
2.アジ化ナトリウム
3.トレパネーション
4.ポリティカル・コレクトネス
5.S.D.Game.S
6.バラバラ
7.マキヤベリアニズム
-FEST VAINQUEUR-
1.宴~utage〜
2.Rosario
3.雪の果てのヴィーナス
4.VERONICA
5.神風
6.現代的疑惑都市'DOUBT'
-蛾と蝶-
1.News
2. HeyLoser
3.HumanError
4.雨宿り
5.操り糸ハ嗤ウ
6.第八罪
-SPLENDID GOD GIRAFFE-
1.イカロス
2.Crescendo World
3.NIGHT OUT
4.DIRTY HONEY
5.ISOLATION
6.EVE
-大セッション-
1.QILING'G ME(SPLENDID GOD GIRAFFE)

SPLENDID GOD GIRAFFE 3rd ANNIVERSARY EVENT TOUR
「新東京遊撃作戦—3rd-」
【出演】 SPLENDID GOD GIRAFFE / FEST VAINQUEUR / マチルダ / 蛾と蝶 / ヤミテラ / 東京花嫁 / DOG inThePWO
───────────────
6/14(土) 福岡DRUM SON
【出演】 SPLENDID GOD GIRAFFE sDr.遠海准司(己龍) / FEST VAINQUEUR / マチルダ / DOG inThePWO
Aチケット 4/5 10:00-
Bチケット 4/5 12:00-
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/020hwax0wz741.html
───────────────
6/15(日) 福岡DRUM SON
【出演】 SPLENDID GOD GIRAFFE sDr.遠海准司(己龍) / FEST VAINQUEUR / マチルダ / DOG inThePWO
Aチケット 4/5 10:10-
Bチケット 4/5 12:10-
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/029y7mq7wz741.html
───────────────
6/21(土) 心斎橋SOMA
【出演】 SPLENDID GOD GIRAFFE sDr.遠海准司(己龍) / FEST VAINQUEUR / マチルダ / 蛾と蝶 / ヤミテラ
Aチケット 4/5 10:20-
Bチケット 4/5 12:20-
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/026jk17fwz741.html
───────────────
6/22(日) 名古屋HOLIDAY NEXT
【出演】 SPLENDID GOD GIRAFFE sDr.遠海准司(己龍) / FEST VAINQUEUR / マチルダ / 蛾と蝶 / ヤミテラ
Aチケット 4/5 10:30-
Bチケット 4/5 12:30-
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/0208dqfmwz741.html

関連リンク
【SPLENDID GOD GIRAFFE OFFICIAL】
◆Official Site
◆Official X
◆Official Instagram
◆Official Youtube Channel
◆Linkcore