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【Chanty】スペシャルロングインタビュー◆ワンマンツアー総括と13周年公演、ミニアルバム制作秘話、そして来年4月9日開催のSpotify O-Crestワンマンに向けた想いを語る。「見栄で固めたバンド像なんて、誰にも届かない。」(芥)


Chantyは人間が叩かないと表現できない音楽をやっているし、“音が生きる”とはこういうことなんだと今回深く感じました。



────楽器陣の制作についてお聞かせください。

shota これはChantyあるあるのひとつですけど、俺はいつもデモの段階だとあまり曲のイメージが掴めないというか想像できないんです。

────ドラム録りが最初だから、なおさら全景が見えづらいですよね。

野中 デモだと歌が無い状態ですからね。

shota そう、芥さんが歌うことでChantyになるので。でも、今回「微熱」と「累々」と「USHIMITSU DANCE」はレコーディング前にライヴで演奏していたので、イメージが掴めていた分、いつもよりも叩きやすかったです。

芥 なるほどね!

shota ライヴでやっていない曲たちは苦戦しましたけど(笑)。

白 「唯一輪」や「真空透過」は、今までのChantyにあまり無いテイストの曲だから余計に難しいよね。

────ここ数ヶ月で、shotaさんのドラムがまたひとつ突き抜けた気がして。歌うドラムというか、感情の乗り方が以前より増した感じがするんですね。

野中 うん、うん。

芥 本当にそうなんですよ!突き抜けるどころか突き飛ばしてくる勢いの時もあって(笑)、凄く良いです!

shota 嬉しいです!

────ライヴからも音源からもそれを感じますが、ドラムに対して今どのような感覚ですか?

shota まず、レコーディング環境が非常に良いんですね。音の良さはもちろん、自分ではわからない部分や気付けない部分に対して、エンジニアさんとテックさんが的確なアドバイスをくれるんです。例えば、「ライヴを意識して叩いてみて。」と言われて、その通りにしたら本当に見違えるほど曲が変わったり。今回も、色々と意識を変えてもらいましたね。

────自分だけでは引き出せなかったポテンシャルを、上手く引き出して頂けている。

shota 本当に、魔法のひとことでパッと変わったりするから物凄く勉強になるし、面白いですね。あとは、最近色々なジャンルのバンドと当たらせてもらうことが増えたので、それぞれのドラムを観て吸収するものも多いし、それを上手く自分なりの形に取り入れていくことができるようになったのかなと思います。

────Chantyは特にライヴ感・生感みたいなものが強みであり、そこを貫いているバンドですからね。

shota そうなんですよ!同期バンドではないから、ドラムが休めないんですよね。

野中 同期はあるけど、同期バンドではないからね。

shota “これはヤバい、ごまかしがきかない!”ということは、加入前からずっと感じていました。Xにもポストしましたけど、今の時代は打ち込みが主流だったりもして・・・もちろん、曲によってはそのほうが合っている場合もあるけれど、Chantyは人間が叩かないと表現できない音楽をやっているし、“音が生きる”とはこういうことなんだと今回深く感じましたね。

▲Drum:shota

────ご本人の努力と環境が上手く嚙み合っているのが伝わってきて、これからさらに新しい引き出しも開いていくだろうと楽しみです。

芥 今回のツアー中、特に札幌ターンのあたりから、shotaくんと意図せず噛み合う瞬間が爆増したんですよ。僕はよく「リハや音源以上のことをやってもらって全然構わない。」と言うんですけど、最近は“あ、マジで!?”となるくらい、良い意味で周りを見ずに粗暴に飛ばしてくる日もあったりして。元々のshotaくんは、タイトに叩くことが最も得意なタイプのドラマーだと思うんですね。でも、白くんもよく言っているダイナミクスな部分って、手先でできるものではないから。心から感じて身体から出てこないとできないものだから、shotaくんの中でそうやって感じることが増えた結果だと思うし、僕自身もそんな彼と噛み合う瞬間が凄く気持ちいいです。

白 音源に関しても、しょうてぃはわりとデモに忠実に叩いてくれることが多かったですけど、今作では結構アレンジがしっかり入っています。俺が特に気に入っているのは、「帰らない」のラストサビの折り返しのアクセントのドラムや、「USHIMITSU DANCE」のBメロの叫んでいるコーラスのところの、Chantyではちょっと珍しい2バスでドコドコみたいなアレンジ。あと、「累々」のサビ前は完全にブレイクにしていたんですけど、スタジオでしょうてぃが無意識にチキチーってハットを入れたのを聴いて「それ、良い!」と採用になりました。そうやって、アイディアや個性がじわじわ滲み出てきていますね。

shota ありがとうございます!(笑顔)

────今日一番の笑顔を頂きました(笑)。

芥 「やっちゃえ、やっちゃえ!」ということですよ。

白 そうそう。俺もChantyに加入した直後は、“Chantyっぽくしなくては”みたいな意識が結構あったんです。それが無くなってから改めて思うのは、うちのメンバーはみんな好きな音楽の方向性がほぼ同じだから、それぞれが思うがままにやっても大きく逸れることが無い。それどころか、自然と合ってしまう。それは、今回も強く感じましたね。

────『深々呼吸』というタイトルどおり、呼吸がどんどん合っていった。

白 本当に!

芥 先にテーマを設けるって、良いのかもしれないです。

白 (テーマがあることで)無意識下にそこに寄っていくことはある気がする。

野中 確かに。

芥 今回『深々呼吸』というタイトルにして良かったし、次のツアーも『アンコンテンポラリー』にして良かったなと思いました。

パっと聴きでは、難しいことをやっているようには聴こえない。でも、いざ弾こうとすると実は結構難しい。



────確かに。続いて、白さんに伺います。最近の白さんは、これまで以上にセンスと技術の深みと安定感が素晴らしくて。Chantyのギタリストが白さんで本当に良かったと、改めて感じています。

白 ありがとうございます!

芥 僕は、この人はもっと評価されるべきだと本気で思っています!

────皆さんよく「白くんってギター上手いよね。」なんて口にされていますけど、本当に才能の塊ですよね。

白 そうですね・・・。

一同:「そうですね」!!!(笑)

芥 白くんには、それくらい自信満々であって欲しいです!

白 実際のところ、自分の中では「そうですね。」と言える時と言えない時の波があるんですけど、今現在は言える状態です(笑)。自分としても、『深々呼吸』はかなりの自信作ですね。

芥 この作品のギターは、評価されるべきプレイが盛りだくさんですよ。冗談抜きで、ヴィジュアル系の至宝みたいになってきていると思う。このプレイスタイル、この感情の入れ方ができるギタリストって、あまり居ないから。やたらと速弾きをしたりテクニックを見せつけたりするわけではなく、それでいて技術で勝負できるギタリスト。すいません、興奮しすぎて。でも、本当にそう思ってます。

白 やっぱり、速弾きみたいなわかりやすく凄いものと比べてしまうと、俺は地味なタイプなんだよね。

芥 みんなもっと彼を見るべきだし、その凄さに気付くべきです。

────白さんはセンスと才能を持った上で、さらに努力家ですからね。今作でも、例えば「微熱」のイントロの疾走感溢れる力強いフレーズであったり、サウンドを先導して着火していくパワーを実感しましたし。

芥 そう考えると、白くんとshotaくんの大幅な飛躍がこの『深々呼吸』を生み出したかもしれない。

────この7年弱に生まれた作品でもずっと成長し続けていたけれど、ミニアルバムという形でパッケージしたらその飛躍が如実に表れた。

芥 そんな気がしますよね。

白 そうは言いつつも、悩んだ部分も結構ありましたけどね。今言われた「微熱」のイントロのフレーズも、芥さんに「こういう感じが良いな。」と言ってもらって俺も“確かに!”と思ったんですけど、とにかくテンポが速いので。良いとは思ったものの、“本当に弾けるのか?”みたいな(笑)。

────実際、細かく聴けば聴くほどバックのフレーズでも難しいことをたくさんやっていらっしゃると気付いて驚かされます。

白 地味に難しい・・・何と言うか、結構こざかしいことをやっているんですよ。

────「こざかしい」はちょっと意味が違う気がします(笑)。

芥 いや、こざかしいんですよ(笑)。

白 こざかしいから、パっと聴きでは難しいことをやっているようには聴こえない。でも、いざ弾こうとすると実は結構難しい。そういう感じです。

shota それを全部1人で弾いていますからね。

白 自分でも、“1人で2人分のギターをレコーディングするって、なかなか大変だよな。”とは思っています(笑)。

▲Guitar:白

────「累々」の2回目以降のAメロあたり、左右で交互に細かいフレーズが入っていくところなども、本当に“累々と重なっていく”イメージに繋がって。細かいところからソロまで冴えているなぁ、と。

白 うん、今回はなかなか冴えています。

────ちなみに、ご自身で特にお気に入りな“冴えているフレーズ”やお気に入りの音色はありますか?

白 「累々」でいえば1Aの左で鳴ってるマスロック的なアルペジオだったり、「唯一輪」のイントロのリードギターだったり、開放弦を交えた少し浮遊感のあるフレーズが気に入ってます。あとは、「真空透過」のアルペジオが5拍子だけど聴きやすい、難解な感じがあまりしないのがポイントです。

頭の中に流れている音を具現化しているだけなので、きっとそこで最初に流れるフレーズがもうChantyなんだと思う。



────そして、野中さん。今作は珍しくベースソロが多めです!

野中 白くんがデモを出してくれた時に、ベースソロの場所があったので!(笑)

芥 そこにお立ち台があったから、ね(笑)。

野中 そう!お立ち台が用意されていたので、野中はそこに乗っただけです(笑)。デモでは白くんが仮のフレーズを弾いてくれているんですけど、それを聴いた時にファーストインプレッションでカッコいいと感じたフレーズは変える必要が無いので、白くん案をそのまま弾いています。

白 デモのベースは“拓さんなら、こう弾くだろうな。”と想像して入れているものなので、基は野中フレーズだと思っています。

────つまり、野中さんのベースがカッコいいと。

野中 いやぁ、そんな・・・ありがとうございます!(笑)

一同:(笑)

野中 でも、これは悪い意味ではなく、野中本人としては今作のベースフレーズに関して本当に何も話すことが無いんですよねぇ。

────周年後に「(個としての)ベーシストになりたいわけじゃない。」「バンドがやりたくて、Chantyがやりたくて音楽をやっている。」とポストしていらしたじゃないですか?

野中 うん、しました。

────その言葉とベースソロ多めの今作のプレイが重なった時、今のChantyは「このバンドのベーシストで居たい。」と強く思っている野中さんが思う存分その力量を発揮できる場所であり、心から楽しんでプレイできる場所なんだと改めて感じて。

野中 確かに・・・でも、それって自分ではわかっていないかもしれないです。

────自ら「センターでベースソロを弾きたい!」と主張するタイプではないとお見受けするからこそ、余計にそう感じたのかもしれません。

白 そうですね、実際に今回のベースソロに関しては俺がちょっと狙ったところもあって。単純に、カッコいいからもっとベースソロを弾いたほうが良いと思ったんですよね。

野中 何かね、野中はベースソロに対してわりと“難しい”とか“くどい”と思ってしまうんです。J-POPやJ-ROCKを聴いていると、必要以上にベースソロが入ってくる曲もあって。それを“くどいな!”と感じてしまう自分が居るので、無理に入れたいとは思わないんですよね。

▲Bass:野中拓

────なるほど。でも「微熱」や「累々」のようにベースソロから楽器隊のソロ回しに繋がるアレンジなど、聴いている側もテンションが上がりますよ。

芥 そうですよね。「微熱」に関しては、特にベースソロを入れて欲しいとは言っていないんですよ。でも、いきなり弾き始めたので、やっぱりソロを弾きたいのかなって・・・

野中 (芥を遮るように)ちょっと!それは違います!(笑)芥さんの原曲を白くんが「こんな感じ!」とパッケージしてくれたデモに、プリプロでベースを当てていくじゃないですか?そうしたら、サビ終わりのあの部分がもう明らかに「ベースが動いてください。」という形になっていて。お箸とお皿が「使ってください。」と置かれているような状態だったんですよ!だから、“これは、やれということなんだな。”と思って弾いたのに!(笑)

芥 想像していなかった凄いベースが入ってきたから(笑)。最近、その後の白くんのソロ前に僕が「いけ~!」と煽ったりするんですけど、白くんのソロの前に実は既に野中くんが「いってる」っていう(笑)。

白 俺は、今作であのベースソロが一番好きです。

野中 野中の中では、あれはベースソロだと思っていないです。

芥 あぁ、確かに。

白 「累々」や「USHIMITSU DANCE」ほど、「はい、ベースソロどうぞ!」という感じではないもんね。あの絶妙な感じがまた良いんですよ。

芥 だからね、うちのバンドってそういうプレイが多いんですよ。実は、評価されるべき場面がたくさんあるのに!

────「うちの楽器陣って凄いんですけど、もっと伝わりませんかね?」と。

芥 本気でそう思っていますよ。最近、野中くんのベースは凄いと改めて感じることが増えました。というのも、僕はベースをあまり弾けないから素人ながらの感想ですけど、色々なバンドの曲を聴く中で“このベースはちょっと好きじゃないな、どうしてこんなフレーズにするんだろう。”と思うことがあって。自分が一緒にやっているメンバーだから野中くんがベストと思うのかもしれないけど、絶妙に目立とうともせず下がろうともせず、しっかりとボトムをキープしながら攻める。そのバランス感が保てるベーシストって実はあまり居ないから、凄いなぁと思っています。

白 ベーシストの役割を全うしたいんだと凄く伝わるよね。例えば、「累々」のサビは「ギターは何もしないから、ベースで引っ張ってくれ。」と言って、完全にドラムとベースだけであのサビのノリを作ってもらいました。ギターはただコードを弾いているだけ、メロディー的にもあまり譜割りが多くない、さらに芥さんが滑らかな歌い方をしてくれて雰囲気モノな感じになった。だからこそ、そこでベースがタイトだとのっぺりしたサビになってしまうところを、拓さんのフレーズでグルーヴを引っ張ってくれる感じにできたので、やっぱり凄いベーシストだなぁと思いました。

野中 偶然です(笑)。

────そうやって、いつも謙遜されるから!

野中 違うんです!大きい声で言いたいけど、本当に偶然なんです!

白 自分が好きな感じに弾いたら自然とそうなった、ということだよね。

────それを、世では才能やセンスと言います。

野中 それなら、才能はめっちゃあります!(笑)

一同:(笑)

野中 頭の中に流れている音を具現化しているだけなので、きっとそこで最初に流れるフレーズがもうChantyなんだと思う。

shota 手癖もあるよね。

野中 それもある。

白 「累々」はベースだけチューニングを下げてもらって、今までにないチューニングだったじゃない?

野中 嫌だったねぇ・・・(笑)。

白 やっぱり、嫌だったんだ(笑)。凄く“らしさ”が出ていると思うんだけどね。

野中 チューニングを1音半下げたんですけど、これまでそんなに下げたことが無かったので嫌でした(笑)。でも、曲としては凄くカッコよく仕上がったから“嫌で良かった!”と思っています。

────ミニアルバム全体を通して、お三方とも最高の仕上がりのサウンドでした!

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