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【Chanty】スペシャルロングインタビュー◆ワンマンツアー総括と13周年公演、ミニアルバム制作秘話、そして来年4月9日開催のSpotify O-Crestワンマンに向けた想いを語る。「見栄で固めたバンド像なんて、誰にも届かない。」(芥)

4th Mini Album『深々呼吸』と共に14年目へと踏み出したChantyは、4人それぞれが冷静にバンドを客観視しながら“Chantyで在り続けるために必要なこと”を探求し進んでいる。

ワンマンツアー総括と13周年公演、各メンバーごとにスポットを当てたミニアルバム制作秘話、そして、2027年4月9日・Spotify O-Crestワンマンに向けた決意表明に込めた想いまで。

「見栄で固めたバンド像なんて、誰にも届かない。」(芥)
驚くほどありのままで真っ向勝負なバンドの熱量高い言葉を、余すところなくお届けします。



◆   ◆   ◆

フラットに今あることを享受して、素直な感情を吐き出す。それを凄く良い温度感でできるバンドになった。



────まずは、先日ファイナルを迎えた深々呼吸ツアーのことから伺います。約4ヶ月半の長いツアー、その間に練られていくもの・壊してまた創り上げていくもの、たくさんあったのではないでしょうか。

芥 ありましたね。初日に「微熱」を初披露したんですが、新曲の初披露でここまで“この曲は絶対に勝負できる曲だ!”と感じた経験は初めてだったんです。自分の中で想像していた形にピッタリとハマって、これはバンドにとってもっと大切な曲になっていくだろうと確信できた。その時点ではまだ音源にしていなかったので、実はあの日の「微熱」は今よりも半音高かったんですよ。実際に演奏してみたら「もう半音下げたほうが、より伝わりそうだね。」となって即ブラッシュアップしたり、直後に出演した名古屋のイベントでは曲の終わりにみんなで歌うコーラスを入れたり。どんどん変化していって、手ごたえも増して、さらに確信が強くなって。例えば「フライト」だったり、“Chantyといえば”みたいな楽曲は今までも色々ありましたけど、そういうものとはまたちょっと別の一勝負できる曲になったと思う。

────聴いている側からしても「微熱」初披露時の衝撃は凄かったです。“キラーチューン”や“エモーショナル”といった言葉では収まりきらない、特別なパワーがありました。

芥 あの日この曲で生まれたあの一体感って、曲自体が良かったからというよりも、この4人になってからのChantyで練り上げられてきたもののひとつの結果と、この数年間のChantyを一緒に作ってきてくれた人たち・今一緒に作ってくれている人たち、その人たちが居たからこそ受け入れられたアプローチだと感じていて。

────積み重ねてきたものがあったからこそ。

芥 うん。「微熱」は僕の原曲ではあるけれど、この曲を今の体制ではない時期や、今の体制になった直後の時期に出したとしたら、たぶんこういう形にはならなかった。何か導いてもらった感があるんですよね。

────「微熱」「累々」「USHIMITSU DANCE」は、ツアー中に各地で披露されてきました。今はライヴ先行で新曲を演奏してから音源化という流れは主流では無くなったのかもしれませんが、やはりライヴで先に聴ける良さもありますよね。

白 そうですね。ツアーで先に披露していたことで、新曲たちが育った状態でファイナルの周年公演を迎えられましたし、それがあったからこそ周年をあの仕上がりにできたとも感じます。

────確かに。ファンの方たちの“一緒に創っていこう”という意識の高さが凄いですし。

一同:本当に!

────ツアーファイナルであり13周年記念公演でもあった五反田BLAZE、本当に素晴らしかったです。いつからか、周年公演でも嫌なタイプの緊張はせずに自然体でライヴに臨まれるようになった気がして。

芥 そうなんですよ!個人的には、渋谷WWWで開催した11周年あたりから周年公演への臨み方が変わりました。正直、10周年のCLUB CITTA’までは“何とかしてやろう”みたいな気持ちが強かったんです。あと、「周年はO-WESTで」とこだわり続けたことによって生まれた呪縛もあったなと思う。

────その言葉に、自分自身が縛られてしまう形に。

芥 そう。イレギュラーで新宿BLAZEという年もありましたけど、基本的にはO-WESTというものにこだわり続けていたので、ライヴの内容的にも数字的にも“過去のO-WEST公演を更新していかなくてはいけない”という気持ちがどこかにあった。10周年でもう1ステップ上がりたいと思ってCLUB CITTA’をやってみて、その翌年の11周年は結果としてO-WESTを押さえられずに渋谷WWWになったんですね。で、昨年の12周年を旧メンバーたちとの関わりも含めた円環を綺麗に描いてO-WESTで迎えたことで、自分の中でもちゃんと区切りがついた。だから、今年はもう自ら違う会場に舵を切ったんです。そうやって臨めた今年だったから、凄く良いものにできたんじゃないかな。もちろん、「周年はO-WESTが良かった、それを楽しみにしていた。」という人たちも居るかもしれないけれど、自分としてはそういう変化があって良かったなと思っています。

────五反田BLAZEというまだできて日が浅い会場で、初めての想い出を一緒に創っていくのもまた素敵でした。セットリストも最高でしたし。

芥 “ファイナルだ!”というニュアンスをあまり出さないように、あくまでもワンマンツアーの中の1公演ということを心がけて作ったセットリストでした。その中で、本編が「唯一輪」で始まり「真空透過」で終わること、アンコールが「帰らない」で終わること、それは決めていましたね。これも、前だったら失敗していたと思う。たぶん、過去の僕は、自分にもフロアにも“きっとこうなるはずだ、こうなって欲しい”と変に期待しすぎていたんでしょうね。今は、凄くフラットだし自然。それこそ、「唯一輪」の始まりとかはもっと力むと思った。でも全く力まなかったし、終わりの「真空透過」も何の不安も感じなかったし。「帰らない」なんて曲順的にはなかなかハードというか、フィジカル面ではない部分の“どうなるかわからない”というところでタフネスな位置ではありましたけど、でも綺麗にハマったので。

白 そうだね。

芥 以前のChantyではできなかったことだと思う。フラットに今あることを享受して、素直な感情を吐き出す。それを凄く良い温度感でできるバンドになったんじゃないかな。そう感じられるセットリストにできましたね。

▲Vocal:芥



ツアーファイナル、そしてバンドにとって一番大切な周年公演でもある日に、『深々呼吸』をリリースできて良かった。



────メンバーの皆様は、いかがでしたか?

shota Chantyには13年という歴史があるじゃないですか。加入にあたってバンドの歴史を大切にするのは当然だし、同時に新しい曲も増えていくわけで。周年公演は毎年ほぼ旧メンバーが観に来てくれるイメージがあるので、あまり意識してはいないですけど、恥じないライヴをしないといけないと心がけてはいましたね。

芥 あ、そういうことをわりと気にする?

shota ・・・・・結構(小声)。

一同:(笑)

白 でも、俺も最初に前任ギタリストの千歳さんがライヴを観るとなった時は、“ちょっと緊張するな。”と思った気がする。

芥 そこは、僕らはわかってあげられないからねぇ。

野中 残念ながら。

────加入組ならではの、葛藤と努力が。

白 加入あるあるですよ(笑)。

shota だから、加入って大変ですよ。

芥 本当にそうだと思う。

shota 「過去のあの時のChantyが一番良かった。」というファンの人たちだって当然居るし、その中で自分がやることにプレッシャーもあるし。

────ファンにも旧メンバーにも、今のChantyのカッコよさを見せたいですからね。

芥 (白とshotaに)見せられたと思います?

白 それはもう!

shota ツアーで色々な場所をまわって、最後にちゃんとパッケージできたなと思っています!

芥 そうだね!

白 俺は、ファンの人たちがいつの時代のChantyを好きでも良いと思っていて。「過去のChantyが一番良かった。」と言ってもらうのも、それはそれで正しいというか・・・自分自身も好きなアーティストに対して常に同じ熱量を向けられているわけではないし、一番熱が入っていた時期があったりもするから、どの時期のChantyを好きでいてもらっても、たとえ今が一番では無かったとしても、それはそれで良いと思っているんです。でも、メンバー側としては、自分たちがやっている今のChantyが一番カッコいいと思えていないと。それを目指して活動しているのだから、「今が一番カッコいいです!」と言いたいですよね。

芥 僕自身も本当に今のChantyが一番カッコいいと思っているし、そうでなければバンドは続いていない。メンバーが変われば生まれてくるものも変わるし、個人の浮き沈みは当然あるし、時として「こういう部分はあっても良かったね。」なんてことは出てきたりもするけれど。

白 一概に、全てが過去を上回るというわけではないからね。

芥 そうそう。でも、トータルしたライヴ内容で考えたら、正直負ける時期は無いと思っています。

一同:(頷く)

────外野からも同意です!野中さんはいかがでしょう?

野中 これまでのワンマンツアーは、音源制作をして、リリースをして、その音源を引っ提げてまわる形が主流だったんですね。今回はそうではなく、新曲を演奏しながらツアーをまわって、ファイナルの少し前にサブスクを解禁して、ファイナル当日に音源のリリースをした。何か、音源がパンフレットっぽいなと思ったんですよ。“ツアーの終わりにパンフレットを出すって、めっちゃオシャレやな!”って。ワンマンツアーはファイナルがあってこそ完成するもので、しかも今回はファイナルであると同時にうちのバンドにとって1年の活動で最も大事な日と言える周年でもあって。その大事な日に、ワンマンツアーのパンフレット・栞的なものを出せて良かったですね。この13年間で、周年にスポットを当ててまわるワンマンツアーをした経験が無かったから。

────周年は独立して存在する形でしたからね。

野中 そう。さっきも話していたとおり、ライヴ先行で新曲を披露していくって時代とは逆行しているかもしれないですけど、新しい試みとして周年にスポットを当ててまわったツアーのラストに音源を出せたので。ラジオ収録でも話したんですが、野中はもうライヴを覚えていられないんですよ。こういう言い方は良くないかもしれないけれど、例えば「去年の周年、どうだった?」と訊かれたら、正直ほとんど抜け落ちていて。以前なら、そうやって忘れている自分に対して“何をやってんねんやろ、ちゃんと覚えておかなきゃいけないやん。そのライヴに来てくれたファンの人たちに失礼やん。”と思っていた。でも、今は“忘れていってしまうくらい、儚い音楽をやっているんだよ。”と思う。野中は全てを記憶しておく脳内ハードを持っていないので、今回のツアーを忘れないためにも、こうしてパンフレット的なものをファイナルに出せて良かったです。みんなで一緒に作ったパンフレットみたいに思ってもらえたら素敵だし、周年に向けてのワンマンツアーだったからこそ、今まで以上に一緒に創った周年と思ってもらえていたら良いですね。

曲が集まって五体となって、ひとつの命を形成した。『深々呼吸』は、そんな作品だと思う。



────改めて、作品のお話を伺っていきます。まず、ミニアルバムは7年弱ぶりという事実が衝撃でした。

白 そうなんですよ、『正体不明』以来なので。

芥 『正体不明』は2020年の春リリースだから、コロナ禍に入る時期くらいかな?

野中 その後は時代に流されて(笑)、サブスクで1~2曲収録の作品を出しつつ。

────作品自体は、年2~3作リリースされていましたからね。ミニアルバムとなると収録曲数が増えるわけで、選曲や作品全体のテーマ決定にどのような違いがありましたか?

白 「唯一輪」と「真空透過」が今作のオープニングとエンディングという位置づけになっていますけど、これはシングルだったら有り得ないことですね。この2曲をこの位置づけでひとつの作品に収録するのはミニアルバムもしくはフルアルバムじゃないと不可能なので、今作だったからこそと言える部分のひとつだと思います。

芥 白くんがコンスタントに曲を作ってくれていたし、メンバーでも持ち寄っていたので、収録候補の曲数自体は結構あったんですよ。ただ、選曲していく上での根幹となる曲が、どうしても見つからなくて。何を根幹にして曲をピックアップしていけばいいか悩んでいた時に・・・これは全くもって自分のおかげとかそういう話ではなく、その時に持っていったのが「微熱」だったんです。

────凄いタイミングで!

芥 単純に、僕自身がそういう曲をやりたかったというのもあります。ただ、以前のインタビューでも話しましたけど、自分はもうあまり“どストレート”とか“ど真ん中”みたいな曲は作らなくていいかなと勝手に思っていたので。

────「メインコンポーザーが居ない時期に、そこを狙った曲を作らなくてはいけなかったから。」というお話でしたよね。

芥 そうです。でも、ここで「微熱」を出したことで、自分としては整合性が取れたと感じて。「微熱」がリードトラックということではないです。ただ、この曲があることで選ばれた曲たち含めてバランスが取れて、全てフラットなミニアルバムができた。

────フラット、ですか?

芥 何か、熱量もストーリーも含めて、全てフラットな感じがするんです。全てを繋げる潤滑油の1曲として「微熱」があって。まぁ、自分の中での「微熱」はライヴでの光景が素晴らしすぎて、ライヴ特化型の曲になってはいますけど。正直、ライブで感じる熱量や感動を音源にパッケージしきれていない部分があると個人的には思っているので、そういう部分では今後挑んでいきたい目標がまたひとつ見つかりました。

────音源も良かったですよ。

白 うん、音源は音源で良いですよね。

芥 血液があって、皮膚があって・・・みたいに、それぞれの曲がひとつの身体を形成していくような感じというか。曲が集まって五体となって、ひとつの命を形成した。『深々呼吸』は、そんな作品だと思う。フィジカルに盛り上がる曲が多いわけでも、バラードが多いわけでもなく、“この1枚で1曲!”みたいな。

────わかる気がします。私の勝手な解釈になりますが、“今日を始めよう”(「唯一輪」)で始まった1日を、命を燃やしながら生きて(「微熱」)、時に葛藤したり(「累々」)、感情を爆発させたりしながら(「USHIMITSU DANCE)、それでも走り続けて(「帰らない」)、“真空の夜空”を超えて(「真空透過))、また次の今日を始める・・・と、ループしていく感覚になって。日々を重ね生きていくことそのもの、日々を走るChantyの姿そのものみたいな作品だなと。

芥 歌詞に関しては、まさにその通りですね。ここまで全て狙い通りに作ることができたのは、初めてかもしれないです。

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