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【MUCC】ライヴレポート<2025スペシャルMUCC day!「ムックリ クエストLIVE-序-」>2025年6月9日(月)恵比寿 The Garden Hall◆MUCCのライヴに通い続ける夢烏たちが厳選した“究極の裏ベスト”ライヴ

6月9日はロックの日。それと同時に、6月9日はMUCCの日でもある。毎年6月9日はバンド名にちなんで様々な企画を展開してきたMUCC。
2025年6月9日は<2025スペシャルMUCC day「ムックリ クエストLIVE-序-」と題して、リクエストライヴを東京・恵比寿The Garden Halで開催した。

事前に4月5日から5月11日までの応募期間にファンからのリクエストを募り、得票数によって当日のセットリストが決まるというスペシャルな企画だ。
単純に考えるとベストアルバム的なセットリストになりそうなリクエストライヴ。しかし、MUCCの場合はそれが当てはまらない。
なにしろバンド結成25周年となった2022年、<MUCC 25th Anniversary TOUR「Timeless」>を開催。
過去に発表したアルバムをコンセプトにした4回に渡ったシリーズツアーとなり、3rdアルバム『是空』から11thアルバム『シャングリラ』までの世界観を濃厚に見せつけた。
ライヴではなかなか聴くことのできなかった初期から中期の各楽曲を、MUCCの熱狂的なファン=夢烏はそのツアーで思う存分に味わうことにもなった。
そうした夢烏たちがリクエストするだろうから、そのツアーで演奏された曲は外すだろうし、ライヴの定番曲と呼ばれるナンバーも投票から除外するかもしれない。
いわば、MUCCのライヴに通い続ける夢烏たちが厳選した“究極の裏ベスト”ライヴと位置づけてもいいだろう。

ソールドアウトとなった会場が暗転した直後、流れ始めたSE「ホムラウタ」に合わせてハンドクラップと歓声を巻き起こす夢烏たち。
高揚感と一体感はたちまち会場を熱く彩っていった。その熱気に迎えられて、最初に登場したのはYUKKE(B)。
両腕を広げて夢烏たちを歓迎した。さらに続いたのはミヤ(G)。深々とお辞儀をして感謝の意を示す。そして最後にステージに現れたのは逹瑯(Vo)。
真っ赤なライトを浴びながら嬉しそうな表情も見せている。

だが次の瞬間、MUCCの3人は不敵な笑みをこぼした。YUKKEが不穏なトーンでベースを弾き始め、そこに絡むミヤのギターフレーズも怪しいオーラを放つ。
そして悲しみと憎しみを湛えた顔つきで逹瑯はうわ言のように言葉を繰り返す。その言葉とは「キライ、キライ…」である。
1曲目は「大嫌い」。2002年に自らのレーベル「朱」からリリースした4枚目となるシングル「負ヲ讃エル謳」の初回盤だけに当時収録されていた曲だ。
初期の定番曲ではあるものの、すでにマニアックかつレア。暗黒的なグルーヴに合わせて夢烏たちは全身をうねらせ、曲と同化する。
曲が激しく展開すると、今度は強烈なヘッドバンギングも繰り返す。そんな夢烏たちに中指を立てて挑発しながら歌い叫ぶ逹瑯。
ミヤとYUKKEはステージの最前にベタ付きになりながら、容赦なく音を食らわせ続ける。
ライヴは始まって数分も経たないうちにクライマックスの様相でもある。「始めようぜ!」とミヤは叫び声もあげた。

その勢いのまま2曲目に突入すると思われたが、ステージ後方の真っ赤なドレープカーテンが左右に開いて巨大スクリーンが登場。
cali≠gariの石井秀仁のナレーションと共に、リクエスト得票数の15位から13位までのカウントダウンが表示された。
15位は2002年6月9日に告知なしで6900枚限定リリースしたシングルからの「水槽」。
14位は2015年に発表したミニアルバム『T.R.E.N.D.Y.-Paradise from 1997-』からの「睡蓮」。
13位は2017年に発表した13thアルバム『脈拍』からの「脈拍」。
ライヴの1曲目はMUCCの3人が選んだと思われるが、夢烏たちのリクエストも、今となってはレアなナンバーばかり。
それをナマでダイレクトに体感できるんだから、贅沢なライヴと言っていい。
歌詞は心の病巣やネガティビティをえぐり出したものが多いが、それを嬉々とした表情で受け止め、盛り上がり続ける夢烏たちが会場を揺らした。

「ランキングの曲ばっかじゃ、あれなんで。みなさんが楽しめる曲も挟んでいくんで」
逹瑯のMCと共に突入したのは「謡声」。爽快感もあるメロディと疾走するリズムに合わせて掛け声もあがるわ、クラウドサーフだって起こる。
ミヤとYUKKEも戯れるように絡み、逹瑯は伸びやかに歌声を轟かせていく。
さっきまでは負のオーラで締め付けるような側面もあったが、心をポジティブに躍らせていくMUCCへと変貌した。

ライヴらしい流れを作るために、そうした構成も組み込んだのだろう。しかし本日の主役はあくまでもリクエスト曲。
夢烏たちの夢をひとつずつ叶えていくMUCCであり続けなきゃいけない。責任は重い。
スクリーンに順位が発表されるごとに夢烏たちは喜びで沸く。
メンバーにとっては久々に対峙する曲がほとんどだと思う。
しかも4月から始まった<MUCC TOUR 2025「Daydream 1997」>の最中にランキングが決まったから、練習する時間など限られている。
ランキングが決まったときは翻弄もされただろう。
だがメンバーは、曲ごとの集中力を見せながら、見事に責任以上の演奏とライヴパフォーマンスを見せつけていく。1曲ずつが濃い。

ライヴ中盤に差し掛かったとき、「緊張感、ハンパない」と逹瑯が言えば、サポートドラマーのAllenは「すげーヤベエ」と半笑い状態。
「MUCC、いい曲がこんなにあるんだな」と夢烏たちと分かち合うように喜んだのは、本日の演出などを考えたYUKKE。
対して「1回、死んだ。昔の曲は、つえーんだよ!」と言い放ったのはミヤだった。いろんな本音が交錯するステージ上だ。

この後もリクエストのランキングに則った曲順で展開するライヴ。
ライヴらしい起承転結から逸脱しているかもしれないが、レアな曲ばかりであり、普通では考えつかない流れだから、全てがサプライズでもある。
ミヤは「オメーらの本気が、正気じゃいけねえ。狂気じゃねえと!オトナになっちまったのか、オメーらよ!!」と煽りに煽る。
過去曲を濃厚に披露するだけでなく、あの時のあの瞬間の気持ちを夢烏たちに思い出させ、再び覚醒させていくMUCCがステージにいた。

また、ランキングが上位になるに従ってレア度はどんどん高くなるばかり。
「誰がこの曲を入れたんだ?」とメンバーを驚かせたのは、リクエスト5位に輝いた「鏡」。
1998年にデモカセットで発表した「哀歌」に収録されていたナンバーである。
他にも、シングルの、しかも初回限定盤のカップリング曲が上位に食い込むなど、夢烏たちの鋭い嗅覚が際立つリクエストだ。

そして初のリクエストライヴで1位に輝いたのは「Monroe」。
2013年に発表したシングル「HALO[通常盤]」に収録されていたナンバーで、切なさと同時にロマンティックな心情でも満たされる曲でもある。
想いをたっぷり込めながら披露するMUCCと、曲に浸りながら様々な気持ちを噛みしめている夢烏。
曲が後半に近づくにつれ、歌い終えた逹瑯が深々とお辞儀をしてステージを去り、
今度は泣きむせぶフレーズを響かせ続けたミヤが、そして歌うようなメロディも弾くYUKKEが、順番に姿を消していった。
吉田トオルの弾くピアノと夢烏たちのハンドクラップが、ドラマティックなアンサンブルを描きながら本編はエンディングを迎えた。

しかしリクエストはまだ終わらなかった。メンバーのリクエスト曲で構成されたアンコールをMUCCは用意していた。
YUKKEのリクエスト曲「Ms.Fear」、CO2で遊ぶために逹瑯がリクエストしたと思われる「2.07」、ミヤが最新作『1997』の中でも大好きな「不死鳥」。
本編だけでも満たされた夢烏たちを、大満足させていくライヴだ。
さらにそこから続いたのは「今回のツアーで、俺たちの曲からみんなの曲になって、俺たちとみんなの曲になった」とミヤが紹介した「Daydream Believer」。
コブシを振り上げ、声もあげ、ハンドクラップも楽しみ、肩車にもなって、無邪気にライヴを楽しむ夢烏たち。
そんなみんなと笑顔で意志を確かめ合いながら、音を歌を思いっきり聴かせるメンバー。その楽しさは全員の心を無敵にさせていった。

最高のエンディングを迎えたが、まだまだ終わらない。スクリーンからの発表に合わせて会場に流れるのは石井秀仁のナレーション。
「20年以上、MUCCのライヴになくてはならないこの曲!不動の第289位!!」
会場からの大爆笑と共にスクリーンに映った曲名は「蘭鋳」である。ランキングの圏外であってもアンコールラストからは外せない。
本能むき出しのライヴパフォーマンスを繰り出しながら、夢烏たちとの絶対的信頼感をさらに強めていくMUCCだ。
「最愛の、最大の、至高の愛を込めて、オマエら、全員、死刑!」と逹瑯の絶叫も轟く。
心の熱を最高潮にしたまんま、MUCCとひとつになっていく夢烏たち。幸せと笑顔がやっぱり溢れかえるMUCCの日となった。

なお“逆MUCCの日”となる9月6日には、主催イベント<Luv Together 2025>を茨城県・水戸市民会館グロービスホールで開催することも決定。
cali≠gari、デラックス×デラックス、DEZERT、lynch.、そしてMUCCが出演する。





写真:冨田味我
文:長谷川幸信

LIVE

■『MUCCメンバー完全プロデュース生誕公演 2025』
▽ミヤ
【釈迦です。】Day1 闇 2025年7月26日(土) 水戸VOICE OPEN16:15 / START17:00
【釈迦です。】Day2 暴 2025年7月27日(日) 水戸VOICE OPEN15:15 / START16:00
▽逹瑯
 逹瑯四十六大祭『宿儺』2025年8月21日(木)  恵比寿LIQUIDROOM OPEN17:00 / START18:00
 <出演> MUCC、逹瑯 solo works
 ※逹瑯solo works サポートメンバー YOUSAY、LiN(ユナイト)、リウ(メトロノーム)、KEN'ICHI、後藤泰観、足立房文
▽YUKKE
 2025年11月5日(水) CLUB CITTA' ※詳細後日発表
詳細はこちら https://55-69.com/news/25561  

■MUCC主催イベント「LuV Together 2025」
2025年9月6日(土)水戸市民会館 グロービスホール
出演:MUCC/cali≠gari/デラックス×デラックス/DEZERT/lynch.
※チケット詳細は後日発表

RELEASE

★FULL ALBUM『1997』 発売中
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】 品番:TKCA-75270 価格:6,900円(税込) スリーブケース+40Pブックレット付
【通常盤(CD)】 品番:TKCA-75271 価格:3,400円(税込)
※収録曲詳細  https://55-69.com/news/24275  
「1997」配信リンク https://tjc.lnk.to/MUCC_1997 

関連リンク

【MUCC OFFICIAL】
Official HP
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★無料配信中!
Inventions from. VISUNAVI Japan

★メンバー 出演回★
●#045 逹瑯(MUCC)× 昴(Royz)
YouTube https://www.youtube.com/watch?v=fmBfnT8_tZg

●#046 逹瑯(MUCC)× 昴(Royz)
YouTube https://www.youtube.com/watch?v=e1xlnEaG5ss

●#029 YUKKE(MUCC)× tacato (色々な十字架)DJ:seek(Psycho le Cému)
YouTube https://www.youtube.com/watch?v=e63AN-_-Qds

●#030 YUKKE(MUCC)× tacato (色々な十字架)DJ:seek(Psycho le Cému)
YouTube https://www.youtube.com/watch?v=0sYYyyej-AI

●#024 ミヤ(MUCC)× ANNIE A(CHAQLA.)
YouTube https://www.youtube.com/watch?v=TfRPqeEF7DA

●#025 ミヤ(MUCC)× ANNIE A(CHAQLA.)
YouTube https://www.youtube.com/watch?v=W3jYA9MTBvU

●ポッドキャストまとめページ
https://www.visunavi.com/2024-11-06/5661/
●ニコニコびじゅなびちゃんねる
https://ch.nicovideo.jp/visunavi/video

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